カウンセリングを受けて思ったこと

先日、どうしようもなく人生に悩んでしまって、なんとなくカウンセリングを受けてきた。カウンセリングを受けるのはこれが初めての経験だ。90分1万円が相場的に安いのか高いのかは知らないが、世間一般から見たらそれなりに的確なアドバイスをもらうことができたように思う。少なくとも人生に悩んで道に迷っている人に対して、すごくまともな人生の道を示してくれたように思う。ただ、だからこそ自分には合わなかった。結論から言うと、自分がいかに道から外れた存在か自覚させられただけだった。

90分のカウンセリングの中で一番印象に残っている言葉は

「君は俗世から離れすぎてるから、そろそろ戻ってきておいで」

という言葉だった。自分が普通じゃないと言われた気分だった。実際、自分が普通じゃないことは嫌というほど理解していたし、むしろ、自分は普通に嫌気がさして、例外を目指して生きてきたつもりだった。そう言う意味では、目指してきたものになれたわけだし、それでよかったはずなのに、そもそも目指していたものが間違っていたらしい。そんなこと最初からわかっていたけど。

自分の感想はさておき、カウンセリングについて言わせてもらうと、カウンセリングはもっと身近になっていいと思う。ただ、むやみやたらと安かろう悪かろうなカウンセリングになることには賛同できないが。カウンセリングの現状の値段は決して安くはない。逆にそこがいいと思う。

1時間1万円と1時間1000円のカウンセリングがあったとして、消費者心理に従うのであれば1時間1000円の方が間違いなく優秀だ。ただ、自分がカウンセリングを終わったあとのことを考えてみてほしい。1万円のカウンセリングと1000円のカウンセリングのどちらの方が信じられるだろうか。自分や環境を変えたいと思っているのに、どこまで人のアドバイスを真摯に受け止めることができるだろうか。1000円のカウンセリングなら「1000円だしそういうアドバイスもあるよね。自分はそのアドバイスを実行しないけど」となり得る可能性は充分にある。逆に1万円のアドバイスはそこまで無下にはできないと思う。プラセボ効果とも言えるのかもしれない。カウンセリングでもらうアドバイスの受け取り方次第でカウンセリングの効果は変わるし、むしろ受け取り方がすべてなのだから、値段が高いことに意味があるように思う。

逆に言えば、自分を確立している人間、頑固な人間にはカウンセリングの効果は出にくいのかもしれない。精神が不安定でどこかに拠り所がほしいと思っているときほどカウンセリングは効果があるのではないだろうか?

どちらにしても、自分の精神が不安定だなと感じたら、まずはカウンセリングに気軽に行ける世の中になってもいいと思う。友達や家族だからといって何でも話せるわけではないし、客観的で適切なアドバイスがもらえるわけでもない。そういうときこそカウンセリングを使った方がいい。むしろ、精神が不安定なまま抱え込んでうつ病や適応障害になるよりはよほどマシだと思っている。




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