バーチャルファッションにTPOってある?
こんにちは。
「バーチャルをハレにする」ファッションブランド、Yarnwinderです。
ブランドオーナーの柑酉衣豆(かんどり いと)と申します。
VRなどのバーチャル世界で楽しめるファッションを日々制作しております。
私が考えているバーチャルファッションの楽しみ方…みたいなのはこちらに書いてあります。ぜひ。
バーチャルだったら気軽にフォーマルドレスでも着ておでかけができるよ!
と言ってみてはいるものの、現実で手に取ったことがないようなファッションではバーチャルでも「いつ着よう」と悩む人もいるようなんです。
現実世界でのファッションTPO
リアルなファッションって結構「TPO」と言われるものと大きく結びついていることが多いですよね。
中でもフォーマルは一番制約や決まり事は厳密に決められているものでしょう。
「Yarnwinder」では「ハレ」がテーマの中にあるために、晴れ着となるようなフォーマルウエアは多く取り揃えています。
例えば「イブニングコート」という商品があります。
最高礼装となる「イブニングコート」は、普段着用している人を見かけることはほとんどないと思います。
ノーベル賞や宮中行事、それからオーケストラの指揮者ならあるかな。
一方「モーニング」という正装もよく知られていると思います。
礼装の「イブニングコート」「モーニング」はそれぞれの名の通り「時間帯」を選んで着用するのが起源です。
TPOを選ぶ、といったらその格式ゆえに着用時間すら1日の中で厳密に決められているのが、現実世界でのフォーマル・礼装と言えるでしょう。
日本の和装でも「ゆかた」の着る時間とか言われたりしますよね。
浴衣は着物の中では普段着で、お公家さんなんか日中の仕事中に着れなかったから夕方以降着るようになったとか。
まぁ普段着なので庶民は昼間だろうが着てたし別に現代で時間を選ばなくても良くなっているとは思いますが。
江戸時代は士農工商にあわせ、着れる着物の色まで限定されていたようですよ。
歴史をたどらずとも身近なところでも、会社ではこんな格好で…とか、学校には制服があります。
そんなわけでどこでもどの時代(より過去の方が厳密に)でも、リアルなファッションはTPO、時間・場所・場面を選ぶことが多いのだと思います。
バーチャルで「TPO」をあわせること
バーチャルファッションでTPOを考えたものを着る、を考える前に
そもそもバーチャルってTPOってあるんだっけ?という話。
デジタルやバーチャルのひとつの特徴として
「Time Free」「Place Free」ということが挙げられると思います。
無料、じゃなくて、いつでも良いしどこでも良いっていうこと。
別にVR・仮想現実に限ったことじゃなくオンライン会議は「Place Free」だし、メールは「Time Free」だと考えられるでしょう。
VRやインターネットはどこでもデバイスを持ってさえいればアクセスできます。
確かに現実世界で電車の中でやたら音声会話しながらVRやるのは厳しい…という現実での場所の制約はありますが。
一方バーチャルでの場所で「ここに行こう」というのは制約がありません。
Place Free、自分でどの場所を選ぶか決定権を持てるんです。
VRで会った人同士が住む場所が違っていれば、それぞれのリアルでは「夕方」なのか「朝」なのかも異なってくることだってあり得ます。
もちろんVRCやclusterで夕暮れの場所と設定されていることもあります。
それはひとつは「自分たちで時間設定ができる」ということでもあるし
もうひとつには「お互いの時間をあわせる」ことに価値ができているとも考えることができます。
つまり場所や時間は自分やVRで一緒になる人たちで「決める」ことなのだと思います。
あとはTPOの残された「場面」が問題になってくるかもしれません。
現実世界で「結婚式」といえば新婦以外は白いドレスを着てはいけない…みたいなこともあります。
でも逆にバーチャル結婚式では「来場者全員でウエディングドレス着ちゃおう」みたいなこともできます。
それはバーチャルの世界の方が合わせた衣装が手に入りやすいこと、着用が簡単であることなども理由としてあると思います。
そして「場面」に対しての既存概念やルールみたいなものが壊せるおもしろさがあります。
つまり、バーチャルにおいて時間・場所・場面は自分たちで選べる「Free」なもので、現実のそれを壊していくこともバーチャルでの面白さになっていると思います。
バーチャルファッションのTPO
お友達のVTuberさん、リラリン・リラさんがやっていたVRCからの配信です。
モスバーガーでフォカッチャつくるファッションじゃないだろ!
ちなみに着用いただいているのはYarnwinderのこちらのドレスです。
現実世界でこんな格好した人がモスバーガーに入ってきたら、何かの間違いなんじゃないかってたぶん凝視しちゃいますよ。
しかも自分でフォカッチャ作るだなんて…
これ、最高にTPOを壊す「おもしろさ」があるなって思います。
そう、バーチャル世界でのTPOは「自分たちで設定する」ことができるもの、なんですね。
「設定したもの」自体だったり、「設定したもの」を使って集まれる人たちだったりに「価値が生まれる」=「おもしろい」ものだと思います。
今までの、現実世界の、既存概念やルールを壊せば壊すほど「おもしろい」んです。
でも「ありえなーい!」っておもしろがれるのは、私たちがリアルを生きる中で「囚われている」からこその「おもしろさ」なのかもしれません。
noteを数本書いている中で繰り返してるんですが
バーチャルはリアルを生きてることと関係していて、現実世界ではできないことをして、見つめ直すことができるからおもしろいと思ってます。
だから思いついたらやっちゃう方がいいし、
自分ルールで最高に楽しめるのが一番かな!って思います。
「可愛いドレスだけどいつ着よう」って思ってるあなた。
ドレスでフォカッチャつくるくらい思い切っちゃえばいいんです!!
ご紹介
リラリン・リラさま
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