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【読書感想17】アメリカ政治講義/西山隆行

アメリカ政治の研究者による一般向けの入門書。アメリカ政治の経緯や争点の所在について、これまで断片的に聞いてきた情報が整理されて分かりやすく記述されている。本書の記述がいかに網羅的かは以下目次を見れば一目瞭然だと思う。
【目次】
はじめに
第一章 アメリカの民主主義
第二章 大統領と連邦議会
第三章 連邦制がもたらす影響
第四章 二大政党とイデオロギー
第五章 世論とメディア
第六章 移民・人種・白人性
第七章 税金と社会福祉政策
第八章 文化戦争の諸相
あとがき

自分はこれまで、日本とアメリカの政治の違いは主に連邦制や大統領制などの制度的側面に起因するものだと思ってきたが、社会福祉制度については例えば勤労が福祉の条件となっているなどアメリカ人の価値観を反映した違いも多く、興味深い。また、裁判所が日本とは違って文化的・宗教的な論争の闘わされる場になっているということも驚きだった。これまでは大統領による連邦最高裁判所の判事の任命がなぜあれほど注目されるのかよく分かっていなかったが、それもこの本において分かりやすく解説されていた。

アメリカ政治については何となくわかったけれど、日本政治をこのように分析した本はあるのだろうか?見つけたら読んでみたいと思う。

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