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会計士資格の次はサステナビリティ報告関連資格? いや会計士をすっ飛ばしても良いかも

ヨーロッパの会計士界隈のセミナーとかのぞいてみると「これからはサステナビリティ報告だ。測定して正しく報告するのは会計士の得意分野だ。その監査も会計士の得意分野だ」などという声が圧倒的です。

AIに取って代わられ易い職業と思われている会計士としては、次のメシのタネと狙っているところなのでしょう。
事業法人の方も、それに乗せられてなのか、サステナビリティ報告対応で会計士を採用しているらしい。

確かに国際会計基準を出しているIFRSがサステナビリティ報告基準も作っているわけですから、会計基準を読みなれている会計士は、サステナビリティ報告基準も読みやすいでしょう。

監査や、サステナビリティ報告に関わる内部統制も、財務報告のものをベースにするのであれば、会計士は入りやすいでしょう。

サステナビリティ報告など、どうやって数値化するのだろうというところもありますし、CSR/ESGと叫んでいた少し前は環境省と経産省の覇権争いみたいな感じもありました。

本社も昔は環境省の環境報告ガイドラインに基づいて作っていたものがCSR報告となり統合報告となり。
統合報告もかつてはいくつか基準が並び立っていましたが、今はかなりIFRSの下に統合されてきました。GRIはまだ頑張っているようです。

そうした中で、現役の会計士がAIの進出を恐れてメシのタネでサステナビリティ報告の分野に進むとしたら、どのような勉強がありますかね。資格試験で証明できるのが良いですけれども。

一番分かりやすいのは、基準のおおもとのIFRSがやっているFSA Credential でしょうか。

まだまだ合格者が少ないようです。合格者の氏名リストが出ていて、国名の指定で日本の受験者・合格者のリストも見れます。

https://sasb.my.salesforce-sites.com/fsa/

会計コンサル系が多い感じです。

投資家視点からは、私の所属する米国のCFA Instituteの Certificate in ESG investing なども興味あります。

私の所属するACCAでも Certificateのプログラムがありますが、ちょっと弱い感じです。

統合報告の基準としてプレゼンスの大きかったGRIの Professional Certification Program

なかなか良いお値段ですね。
SDGsとのマッピングをしっかり打ち出しているのが特徴的だと思いました。

IFRSのサステナビリティ報告は、SDGsというよりは、ESG。
欧州のCSRDは、ESGよりは(精神的に) SDGs寄りという印象を持っています。
自分の会社がGRIを使っているとか、GRI採用の顧客へのコンサル・保証業務をするのでなければ不要かしらん。

国内はどのようなものがあるのでしょうか。
SDGs検定、CSR検定…
SDGs、2030年に終わったらどうなるんですかね。

と思ったら、一般社団法人SDGs推進士業協会の「SDGs検定」は2023年9月に検定自体終了していました。

SDGs的な意識を持つためのお勉強という点では良いと思いますが、それが仕事には直接結びつかないですね。

サステナビリティ報告基準が今後充実してくると、それに合わせて資格試験もいろいろ出てきて、淘汰されて、ということになっていくのだと思います。

あまり会計と関係ない感じもあるので、会計ルートでなくてもチャレンジできるのではないかと思っています。
他方、財務報告との関連を意識する必要があること、記載が財務報告のマネジメントレポートの中で、よって会計監査の中で監査していくであろうことからすると、やはり会計士向けの分野になるのかなとも思います。

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