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こんなことはシュトーレン(しておれん)。外国語の日本語表記と発音

ドイツのクリスマスケーキと言えば Stollen。日本でも見かけるのですが、これをシュトレンとするかシュトーレンとするか。

ドイツ語話者としては、シュトレンが近いということですが

どうしてシュトーレンとなったか興味あります。
日本語的に「シュトレン」という音が言いにくいということもあるかも知れません。でも「首都圏」という言葉もあるのでそういうわけでもなさそうです。
長音を入れて洋風に響かせようという意図もあったかもしれません。その場合は「シュトーレン」「シュトレーン」のどちらも洋風な感じです。
綴りから直接的に日本語化しようとすると、「シュトルレン」となるので、この「ルレ」の並びの言いにくさを「シュトーレン」と長音化することでクリアしたのかも知れません。
 
外国語を日本語表記するときにどのようにするかというのは面白いテーマです。
Wikipediaでも「外国語の日本語表記」

「外来語の表記」

などのページがあります。
 
日本語でどう表記するかというのも興味深いですが、日本語表記法に引っ張られて、英語の発音が歪むという現象もあるでしょう。
 
文化庁の「外来語の表記」というページがあります。

「Ⅲ 撥(はつ)音,促音,長音その他に関するもの」という項目がありますが、ここの長音の注3に以下の記載があります。
注3 英語の語末の ‐er、‐or、‐arなどに当たるものは,原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる。
    〔例〕 エレベーター ギター コンピューター マフラー
        エレベータ コンピュータ スリッパ
 
「●●する人/もの」という意味を作る語尾の -erですが(player、teacherなどなど)、英語の発音では語尾は伸ばしていません。
米語だとRの音が入ってくるので、伸ばしている風にも聞こえますが、英語だと「ティーチャ」と切れます。
英語で使う時に、伸ばしていないのにカタカナ表記に引っ張られて伸ばして発音してしまうという可能性はありますね。
ただ、日本語表記において「語尾が長音で終わっている単語は『●●する人/もの』である可能性が高い」というルール/ツールを読み手に与えようとしているのであれば、それはすごい発明だなと思いました。
 
外国語の日本語表記。興味深いテーマです。

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