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【ドイツ事情】シュトーレンとは呼ばないで!#208

※ 音声はコチラ↓ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています。

Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。

毎週水曜日はドイツ事情について、私の体験も踏まえてお話しています。

先週は「クリスマスの過ごし方」についてお話しました。

今日は「シュトーレンとは呼ばないで!」というタイトルでお話します。


もうすっかり日本でもおなじみになったドイツのクリスマス菓子のことです。
レーズン、ドライフルーツ、ナッツなどが入っていて細長い形をしています。
このパン菓子のことを、日本ではよく「シュトーレン」と呼んでいます。 


しかし、これはちょっと困ったことなのです。
なぜなら変な意味になってしまうからです。


Stolen「シュトーレン」というと
Stola の複数形で「ストール、肩かけ」という意味になります。

また gestohlen とも聞こえてしまいます。
gestohlenstehlen(盗む)の過去分詞です。
この講座では、今ちょうど現在完了形について説明しているところですが、
ちなみに stehlenhaben 支配です。
たとえば「彼はお金を盗んだ」は
Er hat Geld gestohlen.
となります。


ですから、このパン菓子が「シュトーレン」と呼ばれるのは、ドイツ語話者やドイツ語がわかる人にとっては、何とも心地悪いのです。

なんとか母音をのばさないで短く「シュトレン」と呼んでほしいと思ってしまいます。

このことは、これまで結構多くの人が声をあげていて、最近は「シュトーレン」ではなく「シュトレン」と書いて売っているお店も増えてきました。


実際のスペルは S t o l l e n と書きます。

ドイツ語では後ろに子音が2つ以上続く母音は短く発音されます。
つまり、この単語のように o のあとに l が2つ続いていれば、o は短く発音されて Stollen(シュトレン)となるわけです。


いかがでしたか?
ぜひ、日本語でも「シュトレン」と呼んでくださいね!

それでは、また明日。
Bis morgen.
Tschüs!


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