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236 洗面用品のブランドスイッチに繋がる不満

株式会社Insight Techの西園です。
今回は「ブランドスイッチ(離反)」にフォーカスした不満分析を行ってみました。

Insight Techが運営する不満買取センターでは、不満を投稿する際に「利用/購入への影響」という設問に別途回答をいただいているのですが、これが対象の商品・サービスから離反したかどうかを確認できる指標となっております。

今回はこの指標を用いて、洗面用品(トイレタリー用品)の離反に寄与する課題を簡易的にまとめてみましたので、日常生活における生活者のお悩みの理解にぜひお役立ていただければと思います。


不満ファインダーはマーケティングリサーチの各フェーズで皆様の強力なアシスタントとしてご利用いただけます。
直近は「ニーズ探索」「アイデアスクリーニング」「提案活動」のシーンで特にご活用頂いております。

今回は「洗面用品」ブランドスイッチに繋がる不満を探索するフローをレポートにまとめています。対象とする抽出条件は下記のとおりです。

抽出条件①のキーワードランキングをベースに、全体件数に対するキーワード別の離反件数の割合を確認したところ、 「香り」「肌」「泡」「効果」「歯茎」「刺激」「洗浄力」「コスパ」「奥歯」といったキーワードが離反割合平均値を15pt以上上回る結果となりました。

離反割合が特に高かった「肌」「効果」「刺激」「洗浄力」を対象に独自の辞書を設定しました。 不満項目毎に優先課題図を作成し、それぞれの特徴的な課題を確認していきます。

意見の “量” と “質(利用/購入への影響度)” から優先的に取り組むべき課題を特定する弊社独自のフレームワーク「優先課題図」によって、「肌」「効果」「刺激」「洗浄力」の項目別にプロットされた意見のクラスタを確認しながら、潜在課題を抽出します。


【おまけ】優先課題図 ~肌~
詳細はレポートをダウンロードしてご覧いただければと思いますが、参考に「肌」の不満データで作成した優先課題図を掲載します。

潜在課題(量は少ないが要望度の高い不満)の領域には、洗顔料の泡質が気に入らない旨の意見を確認できました。

  • 泡がもっともっちりして欲しい

  • 泡に弾力がない

  • 泡が緩すぎる

  • 泡が粗い

ちなみに花王の研究結果によると、空気の含有量(気相率)が高いと泡の形が球形から多角形になるようなのですが、泡が球形に戻ろうとする力から吸引力が発生し、油を吸引するようになるとのことです。泡の弾力やきめ細かさは洗浄力の観点でも必要な機能なんですね。

つまり、よーく泡立てただけで、泡が汚れを吸ってくれる? いったいなぜ。ここでもやはり坂井氏らが着目したのは泡の「形状」だった。よく泡立てるほど、空気がたくさん入り、きめ細い泡になる。さらに泡立て、空気の含有量(気相率)が84%※を超えてくると、泡の形が丸から多角形に変化する。泡同士のおしくらまんじゅうだ。

※ 狭い隙間(二次元系)に泡を挟んだ場合には84%、三次元の泡では74%を境界にして泡の形が多角形に変化する。

すると、泡には球形に戻ろうとする物理的な力がはたらく。ぎゅうぎゅうの満員電車では他人の動きに巻き込まれそうになるが、油も強引に戻ろうとする泡に引きずり込まれるというわけだ。

花王の顔 【特集:泡】泡で汚れは落とせない? 化学界も驚愕の新常識

すごい研究ですね。資料によると、これまで泡は洗浄実感を演出するためのおまけと言われていたのが定説だったようですが、今日では「泡で洗う」がすっかり根付いていますね。

生活者自身も感覚的に泡が重要であると感じていて、且つそれがブランドスイッチの一因になっている側面もあることから、泡質の改善は優先課題と言えそうです。

【まとめ】
不満ファインダーを用いたブランドスイッチに繋がる不満の絞込みフロー

① 抽出条件設定
② 意見対象部(キーワード)ベースでの離反割合を確認
③ ②でピックアップしたキーワードで抽出条件を新たに設定
④ ③の抽出条件毎に優先課題図を作成し、「潜在課題」の領域を確認

今回は「洗面用品」を対象としましたが、他の領域においても汎用的に活用いただけるニーズ探索フローかと思います。自社の市場、資源、強み、ニーズ(又は課題)を明確に捉えていれば、そこから生まれるコンセプトはより強固なものとなりますので、これからリサーチの検討をされる方々は是非不満ファインダーをご活用いただければと思います。

・バイアスの無い意見を収集したい
・より解像度の高いN1を見つけたい
・商品開発や新規事業に繋がるような盲点となっている課題を見つけたい
・根拠のあるマーケティング施策を立案し、その推進を加速させたい

上記のようなシーンで強力なアシスタントとなりますので、
課題感をお持ちの方はお気軽にお申し付けください。


【あとがき】

Insight TechはVoC(顧客の声)を起点としたサービス改善・開発のご支援をしております。データや分析ツールのご提供だけでなく、今回のようなレポーティングまでご一緒し、課題探索、施策立案、意思決定までをサポート致します。

「ちょっと思い当たるな」と感じられた方は、弊社が何の会社か忘れてしまう前に、是非お気軽に資料DL又はご相談ください。

【会社概要】
商号:株式会社Insight Tech(http://insight-tech.co.jp
設立:2012年6月19日
連絡先:03-3342-6710 / sales@insight-tech.co.jp  👈ご相談はこちら
事業内容:
マーケティング調査やレポート作成
自然言語処理・機械学習などの人工知能を利用したデータ解析受託
企業プロモーションやブランディングサポート
不満買取センターの運営

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