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コーヒー時間に馳せる居心地

Vol.111
コーヒーは好きで毎日のように飲む。
歯医者さんの歯科検診でも「コーヒー結構飲まれてますか?」と聞かれるほどに。

イタリアの生活の場合、エスプレッソやらカプチーノやら、その名前がイタリアの通り、イタリアのものなので、とても身近に楽しめる。
もはやエスプレッソもカプチーノもカフェラッテも、全てイタリア語であるのにかかわらず、世界中の人が共通のカフェ用語として使う。

コーヒーの楽しみ方

イタリアの場合は、どうやっても馴染みが大きい。
だいたいは常連さんが多く、一見さんばかりというのは、よっぽどの観光地くらいであろうか。
いや、観光地であっても、そのカフェが美味しく居心地が良ければ通うので、そういう忖度はイタリアにはない。

私の場合も決めているバールがあって、懲りずに毎日毎朝通っている。
そしてそういうバールが、私の住むトリノに4-5軒ある。
いつどんな時に顔を出しても、毎度素晴らしい居心地を提供してくれる。
すると必然的に提供されるコーヒーもとても美味しい。

トリノで通うバールのひとつ。春から秋にかけての緑に囲まれたテラスが心地よい。

カフェはクオリティか居心地か

最近とても思うこと。
Googleマップだけでなく、それぞれの評価が刻まれることは、もはやコーヒーショップにも起こることとなった。
大抵は味わいについて触れる。
お店についても、おしゃれな店内とかそんな感じが多いだろう。
しかし居心地についてはどうだろうか?
居心地良かった! とその時にはあったとしても、明日も明後日も来たいかというのが私は最近考えるところだ。

一方で、味はどうでもいいから居心地をという人もいるだろう。
例えばチェーン店の利用などがその通りかもしれない。

スターバックスの席取り合戦

日本滞在の朝、ちょっとゆっくり本を読みたくて代官山Tサイトへ行った。
そこにはスターバックスがあるので、コーヒーを飲みながら買ってもいない本をゆっくりと物色することができる。
買ってもいない本を片手にコーヒーを楽しめる場所なんて、世界中でも稀なのはさておき、自分勝手にのんびりしたい朝も必要な時がある。

到着したのは朝9時10分。
スターバックスは朝7時から営業しているものの、その時間はTSUTAYAはまだ開いていないので、TSUTAYAの開く9時を狙って行った。
もはや既に満席。

その中でもかろうじて席を取ることができ、好きな本を片手にザッピングなどを始める。
その間を席を探し歩く人々。
結果、落ち着かない。。。

いつもは外のテラス席で過ごすのだが、あの日は猛暑の東京だったので店内で過ごすことに。

コーヒーを早く飲み、読みたい本も途中となって席を譲ってしまう。
だって、落ち着かないのにいる意味はない。

物事を整理したくてコーヒー屋さんに行く時

ある日、仕事先のすぐそばの老舗カフェを訪ねた。
実に久しぶりの訪問だった。
このお店をカフェというのは失礼かもしれない。
喫茶店が相応なのかもしれない。

静かな空間に少しの話し声。
書籍に溢れ、しつらえの良いテーブル。
コーヒーと共に甘いものとして和菓子をいただく。
和三盆とコーヒーの美味しさがたまらない。

西新橋の草枕にて。
丁寧に淹れたミルクコーヒーと和三盆。

その美味しいコーヒーをいただきながらする手帳仕事。
とても捗り、きちんと時間通りにも集中してやりたかったことが終えた。
そして一服のコーヒーは心を満たしてくれ、新たな発想もくれる。
おかげで次に控えていた打ち合わせがスムーズに進んだのは言わずもがな。

コーヒーを飲むというのは、単に飲料として飲みたいというだけでなく、コーヒーを飲む時間としての居心地も考えさせられる。
それは居心地がいいと感じるというフィーリングなんだろうと思う。

そして老舗の喫茶店がまだ現役であるというのは、まさにそのフィーリングを求める人が多いという論証なのかもしれない。

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