伯爵のたしなみ。再燃するネグローニ熱
Vol.085.
イタリアはフィレンツェで誕生したカクテルのネグローニ。
もはやイタリアンカクテルメニューと言っても過言ではなかろう。
最近はこのネグローニが飲みたくてたまらなかった。
じゃ、バーに行こうか、と思いきや、ミクソロジーブームとインフレの影響もあり、結構な値段がするようになってきた。
ネグローニとは
イタリアを代表すると言えるリキュールのカンパリとヴェルモット。
フィレンツェの老舗レストラン「カソーニ」の常連だった、カミッロ ネグローニ伯爵が、カンパリとヴェルモットと炭酸水で割るアメリカーノの炭酸水の代わりにジンを注いだことから始まるこのカクテル。
フィレンツェのレストランの常連が伯爵で、「ソーダをジンにしてくれ」ってオーダーしたことから、もう渋いカクテルのストーリーが想像で浮かんでしまう。
私なんぞ伯爵の身分ではなく、おしゃれに素敵に飲めないかもだが、あのネグローニの氷をカラン...ってしながら、ゆっくりとアペリティーヴォを楽しみたい時もある。
ということで、最近は頭の中がネグローニなのである。
本来はイタリア滞在中はもう少し余裕があるのだが、最近は訳違う忙しさになっており、結構な疲労感の日々。
スカッとジントニックでリフレッシュというよりも、グラスを回しながらのんびり過ごす時間をネグローニで過ごしたいという希望。
そう、お疲れの自分を癒すに最適なカクテルはネグローニなのではないかとすら最近思うのだ。
ネグローニの作り方
カンパリとベルモットとジンを使用。
分量は、1:1:1というシンプルなもの。
そんな簡単なの? って思えるレシピなのだが、いざ自分で作ってみると、クエスチョンな味わいになる。
美味しいんだけど、何かが足りない。
やっぱりプロに作ってもらうということと、カクテルはやっぱり雰囲気も大切なのだろう。
ちょっとしたネグローニブームの兆しあり
イタリアではちょっとしたネグローニのブームの兆しがある。
この兆しというのは、長年イタリアの食の世界に携わる私の直感であるのでデータではない。
ただ、コロナ直前の2019年にネグローニ誕生100周年ということで、結構街ではネグローニ祭りが多く開催された。おそらくその余韻だろうとは思う。
それと現在ヴェルモット推しな動きが大きく顕著なので、今こそはって感じもある。
ヴェルモットだけでなく、カンパリに匹敵するようなビター(アマーロ)もクラフト系から多く作り出されるようになったので、この1:1:1の調合ルールで様々な味わいのネグローニが出てきそうである。
実際にもう始まっているので、流行りのアルコールが好きな私は飛びつくわけである。
ちなみにトリノがヴェルモットの発祥地であるため、トリノ在住者からすれば、「自分が知らなくてどうする?」という自戒の念でもある。
とはいえ、まずは基本から。
やっぱりミラノの大聖堂の麓にある、カンパリ直営のバーカンパリーノで飲むネグローニがとんでもなく美味しい。
まずは自宅なので我慢しながらも、いつか余裕を持ってネグローニを楽しめるようになりたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?