就活について
学生にとっての就職活動というのは、それまでの人生で得たもの全てをぶつける場であり、社会人生活をより良い環境でスタートするための大切なイベントです。卒業後の選択肢は就職だけではありませんが、今回は就職に絞ってお話しします。会社選び、面接でのコツ、実際に就職してみて…等々について、感じたことをつらつらと書いていきたいと思います。
※私の体験談ベースで語っていきます。全人類の就職活動に合致する内容ではないことをご了承いただき、あくまで参考としてお読みください。
1. プロフィール
まずは簡単に、私の経歴について書いていきます。
2014年 中学校卒業
2019年 高等専門学校(以下高専)卒業
2019年 輸送機器メーカー就職
以上です。つまらんですね。
2. 進学or就職の選択
僕のいた高専は5年制の学校なので、4年の終わり頃に卒業後の進路を決めなければなりません。卒業後は一般的に、以下の2種類のどちらかの道を選択します。
①進学
専攻科(高専版大学院のようなもの)への進学
大学への編入学
②就職
企業への就職
中学生、高校生、大学生でもこういった選択があると思いますので、似たようなものだと思っていただければOKです。
企業の面接で「なぜ進学しなかったのか」と問われることがありますので、進路選択の理由はしっかり持っておくべきだと思います。私の場合は「いち社会人として働くことで、大学で勉強するよりも早いスピードで成長できると思ったから」みたいな理由を準備していました。入学や編入学で面接のある大学もやはり「なぜ就職しなかったのか」といった質問があると聞きます。こちらも説明できる理由を考えておくと良いでしょう。内心は「勉強に飽きたから」「バイト代以上の給料をもらって、自由度の高い生活を送りたいから」「親に経済的な負担をかけたくなかったから」といった理由でしたが。あとで気づきましたが、奨学金をもらわなかったことはかなりのメリットになりました。周りにいる大卒の社員が奨学金の返済に追われる中、自分は給料を好きなように使えるので。
3. 企業説明会への参加
就職を選んだ学生のほとんどは、企業の行う説明会に参加します。ご自身の住んでいる地域の説明会を調べて参加してもいいですし、学校の就職担当の方に聞いてみてもいいでしょう。私は学校に貼ってあったポスターを見て、そこからノリで説明会に参加しました。就職する上で必須ではありませんが、入社してから「思っていた会社と違った…」といった状況にならないために、参加しておくのが吉です。
説明会は0次面接と言われていますが、あまり気にしなくていいと思います。説明会には人事や広報以外の方も来ている場合がありますので、そういった方には特に、聞きたいことを素直に聞きましょう。僕は自動車の会社に「自転車やらないんですか」といったトンチンカンなことを聞きましたが、女性社員の方が「やるかもしれませんね…!」と優しく返してくれたので惚れました。僕はちょろいので現在はその会社にいます。
4. 企業の選び方
いくつかの説明会を経験すると、次は応募する会社を選びます。
就職できるか否かはさておき、現在の企業数は日本だけで400万社を超え、他国を含めると2億社と言われています。そのため、その中から自分にとって最も条件の良い企業を見つけることはほぼ不可能です。そこで人生が決まると思い込まず、自分の求める条件にそこそこ合致する企業を適当に選べばいいと思います。
ちなみに私の条件は以下の3点です。
輸送機器メーカー
年間休日120日以上
そこそこ高水準の収入
このあたりの情報は就活サイトを見れば載っていると思います。大手企業ほど口コミ数が多いので安心感がありますね。
とりあえず入社してみて自分に合わなかったら転職する。もしくは入社した企業に自分が合わせて好きになる。この2つのどちらかで、自分にあった社会人生活を送っていくものだと思います。最近は転職のハードルも低くなっていますしね。
世間ではよく「会社選びは恋人選びだ」と言われますが、世界人口よりよっぽど少ないので、もしかすると恋人選びよりも簡単かもしれません笑
5. 応募方法
応募には「自由応募」と「推薦応募」の2種類があります。
学校によってそれぞれの応募方法が決まっていることがありますので、就職担当に確認しておくと安心です。ちなみに私は推薦応募を使いました。
自由応募…1人で何社でも応募できる。受かりにくい。
推薦応募…1人1社が原則。受かりやすい。
この辺りは高校入試みたいなものですね。内定を出した際に確実に来てくれる推薦応募の学生がいると、企業は内定者数を調整しやすく余計なコストをかけずに済みます。推薦応募については、就職担当の先生に聞いたら教えてもらえると思います。
自由応募は反対に、自分で企業の公式サイトから応募します。大抵のサイトには「採用情報」みたいなバナーがあると思うので、そこから突き進んでいけばOKです。応募や審査のスケジュールは要チェックです。自由応募だと、入力した学校名でその後のページに進めるかが変わるギャルゲーみたいな仕様のサイトがあります。
6. 履歴書/エントリーシートの作成について
受ける会社が決まったら、履歴書やエントリーシートの作成に移ります。提出する書類やその順番などは企業によりますので、応募要項をよく確認しましょう。提出期限ギリギリに作るとどこかしらでミスるので、パパっと書いてすぐに添削してもらう…を繰り返すといいと思います。
企業からすると、学生は未知の存在です。なので、できるだけ多くの情報を履歴書、エントリーシートから得ようとするはずです。情報もりもり盛りだくさんで書いてあげましょう。学生時代にどれだけ頑張って活動していようが、これらの書類に書かれないことは評価することができません。
面接においてはここに書いたことをベースに質問が来ますが、質問させるための箇所を作ると、詳しく訊かれなかった際に話せなくなってしまうのでおすすめできません。強いネタから順に、どんどん出し切っちゃいましょう。
部活動、サークル活動、プロジェクト等を経験している方は、それについて詳しく書くといいですね。「そこで何をしたか」が重視されるとはよく言われるんですけど、「なんのために参加したか」が話せると良いです。
残念ながらアルバイト経験の有無が重視されることはなく、「バイトリーダーとして~」といった話をするとネタ扱いされることもあります。
志望動機についてですが、自身の行動を含めて一貫性があると強いです。私は就職先を輸送機器メーカーに絞っていたので、卒業研究は交通事故に関するものを選びました。志望動機として「交通事故を減らしたい」のようなことを言った際に、学校で研究している内容がその気持ちの証明となるからです。
7. SPI試験
面接前にSPI試験が行われる場合があります。あまり詳しくはないのですが、最低限の点数を取れれば問題ないと思います。あとは履歴書&エントリーシートに書いた内容に矛盾しないよう(アメリカへの留学経験があると書いておきながら英語の得点が低い等)意識しておきましょう。
自宅試験の場合は友だちを呼んで一緒に攻略しましょう。これはインチキではなく「周りを巻き込む力」のアピールです。
8. 面接
面接で最も大切なものは、まず間違いなく態度です。
私は面接練習をしてもらった先生に「面接の成否は開始30秒で決まる」と教えられました。先生の経験則らしいですが、おそらく確証バイアス(最初に良い人だと思ったら、その後は良いところを探しちゃうというぞという心理)によるものだと思いますので、科学的根拠も少しありそうですね。
よって面接を控えた学生は、面接の受け答えと同じくらい入退室の練習を行うべきだと思います。意識する点は、
・「失礼します」「ありがとうございます」等の挨拶をはきはきと大きな声で言う
・入室後に面接官全員の顔を見る
・移動は直線で、椅子に座る際もきびきびと動く
こんな感じです。
面接で話を盛る学生がいることを、面接官は知っています。自分の話を言葉で信じさせるのではなく、見た目や雰囲気で信じさせましょう。
質問への受け答えは、聞かれていることに対しての回答をしましょう。面接はアピールの場である前に、人との会話です。言いたいことを言うだけではいけません。それができれば、気の利いたことが言えなくてもOKです。
なんだか最近は、志望動機は「給料がいいから」「休みが多いから」って言った方がいい気がしてきました。僕ならその学生を採ります。
9. 落ちてしまったら
どれほど頑張っても、落ちてしまうことがあります。私も1社落ちました。
ただ、それは落ちた人に魅力がないわけではありません。前述の通り、企業選びは恋人選びのようなものです。恋人持ちに言い寄ってもいい返答が得られないように、足りている人材を求めないこともあります。
落ちても必要以上に落ち込まないために、4.企業の選び方 では「自分の求める条件にそこそこ合致する企業を適当に選べばいい」と述べました。また、そういった選び方をしていれば、いくつかの企業が候補に上がっていると思います。できることなら、それらを次の目標としてしまえばいいですね。反省は都度行うべきですが、ナンパのようなものだと思って根気よく続けましょう。上場企業も数打てば当たります。
10. 入社してみて
そんなこんなで内定をもらって入社し、1年が経過しました。
その間に気づいたことを書いておきます。
①総合職採用を目指そう
単純作業でも給料の良い仕事はありますが、できれば他の企業でもやっていけるような技術を身に着けた方がいいな、と感じています。営業なら営業で、どこにいってもノウハウを活かすことができますからね。(任意の企業に転職するために、必要なスキルを習得できる企業に就職する、といったルートもあります。)
昨今では終身雇用制度が終わりを迎えると言われていますので、大きい企業に入れたところで安定した仕事ができるとも限りません。僕はいまの会社がいつ潰れれるのかとワクワクしています。
②最後は運ゲー
こんなこと言っていいのかわかりませんが、最後は運ゲーだと思います。
望みの会社に入っても望みの部署に入れるかわかりませんし、素敵な上司に恵まれるかもわかりません。 私は上流の部署に送られ楽しく仕事ができていますが、私よりもできる同期が希望の部署に入れなかった姿を見ています。組織である以上、思い通りにはならないことだらけだと身を持って感じさせられています。選択肢はたくさんありますので、こだわりすぎないことも必要だと思います。
③企業選びについて考え直したこと
4.企業の選び方 では以下の3点を条件とした、と書きました。
・輸送機器メーカー
・年間休日120日以上
・そこそこ高水準の収入
今になって「ここも意識しておけばよかったな」と感じる点が増えましたので、共有しておきます。
・有給休暇が取りやすいこと(有給取得率を確認しよう)
・副業ができること(自営業しか認めてない会社もあるので注意)
有休の取りやすさはとても大切です。面白いイベントを逃さないように。あとの2つは人生設計をする際に意識したらいいなと思ったポイントです。就職してそれで終わりではなくて、どういった生き方をするかを考えておくと良さそうです。そうなると別に給料低くてもいいですね。現在の僕は、特殊な職業についておけばよかったと思ってます。その方がレアリティ高くて面白いので。
11. 最後に
長くなってしまいましたが、体験談とアドバイスは以上となります。
内容についてやそれ以外でも、聞きたいことがあればいつでもご連絡ください。
この記事によって誰かの視野を広げることができたのなら、これ以上嬉しいことはありません。 お付き合いいただき、ありがとうございました。
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