アパートから追い出される

小学校低学年のころでした。ちびまる子ちゃんあたりの年齢です。 

当時、家賃3万のボロアパートに住んでいました。母が夜おそくに外で血がながれているなどさわいでいました。そのため、周囲の家の人、大家さんまで集まったことがありました。父は、いつものごとくお酒を飲みに行ってるため帰ってきていません。私は母をなだめて家に入ろうとしても、母は反抗的になって言うことをききません。私は周囲の大人たちに取り囲まれるようになり、 

「お父さんはどこにいるの?」

「お母さんおかしいよ、病院につれていってるの?」 

など質問攻めでした。 

えっと、お父さんはまだ帰ってきてなくて・・・としどろもどろで答えてると、母は側溝の蓋を開けて、水をくみ、ほら血がある!などと騒いでいました。それをみた大家が、

「いい加減にしないと出て行ってもらうよ。」 

「あんたのお母さんおかしい。病院につれていけや」

 などと怒鳴られました。

 さすがに他の方が、 

「大家さんそれはちょっと」

 とフォローしてくださったのですが、その方も同じアパートを借りていたので、大家に 

「何か文句でもある?おかしいじゃない、出て行った方がおたくたちも迷惑じゃないでしょ」 

などといわれました。 

その後も、家の屋根裏に死体がある、側溝に死体があると警察や大家に連絡していました。その後、しばらくして、半年以内に出ていくように言われました。ボロでシャワーもなく、洗面台もなく、洗濯機は風呂場に置くしかなく、ねずみとゴキブリの出る家でしたが、それでもあそこから出ていくのはとてもつらかったです。もう家はありませんが、ときどき、暮らした場所に行ってみるのですが、やはり懐かしく、思い出の詰まった場所です。どちらにしても、周辺の人には迷惑をかけたので、あそこに戻ることはできないでしょう。今でもボロアパート暮らしですが、私は土地と家にとても執着があります。どんなに母がおかしなことをしても、自分の家の中でのことであれば誰も文句はいえませんから。そしてずっとそこにいられますから。今となっては困難ですが。

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