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ズームバック×オチアイ特別編「落合陽一×オードリー・タン」レポート


予告編の段階から、非常に面白そうだなと楽しみにしていた番組が、案の定かなり面白かったので、面白いと感じたポイントを書き残す_φ(・_・

箇条書きまとめ
📝地球の皆が同じ原点を共有したということで「0」(オードリーが今年1年を表す一文字)
📝未来はどうなるか、テクノロジーで何ができるか。すべては「人」次第。
📝危機はあらゆる面で民主化を促す。

📝変化をいとわない人間こそ強い。

📝「自律共生的な」=コンヴィヴィアリティという新しいキーワード!
📝人類は歴史上初めて、地球規模のコンヴィヴィアリティ(共生)を手にした
📝持続可能性は生産性指標では評価できない
📝2030年は「孫たちの経済的可能性」で書かれた100年後の年
📝2030年はSDGsの達成目標の年
📝「金儲け」と「価値ある仕事」は違う。
📝予言通り、お金のためだけに働く必要はなくなる。
📝自分の心を満足させるために働く社会がやってくるだろう。
📝今は苦しいこともあるが10年後、GDPは意味を失っているだろう。
📝お金がいくらあっても病気にはなる
📝だからこそお金よりももっと大事な価値=「生きていくこと」に必要なものは等しく世界中のみんなに行き渡るようにしなければならない
📝「生産性のあるもの」と「生産性のないもの」という議論は無意味。物質なのか情報なのか意味がなくなってきた。
📝人間がデジタルに移行すると、形や大きさ、時間から離脱できる。
📝デジタル空間では複数の人生を歩めることができる。これはSFの世界の話ではない。
📝1秒間に17万8000GB/1回線(ロンドン大学2020/08/19発表)の情報を1本のネット回線で流せる。
📝デジタル空間は経済の仕組みを変える可能性がある
📝現実世界では何かを作るには限りある資源を使わねばならず、資源の奪い合いや大量生産による環境破壊が起きる。
📝デジタルの世界は無限。皆が同じスタートラインに立てる。
📝台湾では投票は「楽しい」もの「ワクワクする」もの
📝投票=祝祭 票の数が未来に繋がっているという実感が他より強い
📝投票のレベルを変え投票の「回数」を増やす。
📝投票の項目を細分化し、数秒でも時間があれば投票できるようにするのが鍵。
📝民主主義の「回線速度」を上げることが大事。
📝デジタルのネットワークはスケールフリー(1つの情報を無限に拡大・共有できること)
📝皆にとって価値があると判断された情報は、すぐに世界中に拡散される。
📝民主主義は完成された「化石」ではなく「人の生活を便利にする生きたテクノロジー」
📝生きた民主主義を進化させるカギになるのが「多様性」
📝ある程度「ほどほど」で成り立つようになると人の働き方や生き方が多様になる
📝変わらないもの。人は賢人(サピエンス)ですから、知恵ですね。

予告

ズームバック×オチアイ特別編!番組編集長・落合陽一がコロナ対策を成功に導いた台湾の「天才」IT担当閣僚オードリー・タンと3時間緊急対談!▼2人が選ぶ「2020年・今年の1字」
▼ココシャネル、ケインズ…偉人から学ぶ未来へのヒント
▼混迷の経済、でも“10年後GDPは不要”に?
▼最新データが示すデジタル空間の無限の可能性
▼1人1票じゃない?新しい民主主義…コロナ禍の世界の「半歩先」を未来予想!

↑ 番組プロデューサーの方の熱が伝わってくる番組紹介がいい!!


見逃した方

NHKの見逃し配信もやってます!

NHKオンデマンドで見れます!

単品220円(税込)
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2020110255SA000/index.html

内容全体を文章で読みたい方は以下のダイジェスト記事が非常によくまとまっているのでこちらを読まれると良いと思います。この記事を書く上でもこちらの記事を大いに参考にさせていただいていますm(_ _)m




📝📝📝 ここからは個人的なまとめ 📝📝📝

オードリー・タンのプロフィール
台湾のIT担当閣僚。トランスジェンダー、8歳~プログラミングを独学、15歳「Fusion Search捜尋快手」1か月で1万ユーザー→電脳神童、19歳で渡米し人工知能siriの開発、35歳 IT担当閣僚に。新型コロナ流行初期の2020年2月、台湾中のマスクの在庫データを可視化できるアプリを開発し台湾の感染を限定的な物に収めた。世界が注目し取材が殺到している。

印象に残ったフレーズとテーマを残しています_φ(・_・



質問 今年1年を表す「一文字」は?

オードリー・タン
(紙に描いた円を見せながら)中国語でもアラビア語でも他の国の文化でも同じように書くこの文字。もし1なら漢字なら横の棒「一」、他の文化なら縦の棒「1」になる。ゼロは回転しても同じ、地球の皆が同じ原点を共有したということで「0」を選んだ。
落合
英語で言うとborder。境界の「境」
オードリー・タン
「境」は0と1の間にある文字。そこから月のように満ちていく可能性もあれば欠けていく可能性もある。
落合
面白い。バイナリ―(2進法。全情報を0と1で表すデジタルのデータ形式)では0と1の間は境だ。今年象徴的だったのがトランプ氏のtweet(「だから我々には国境が必要だ」とアメリカ感染拡大前の3/23に発信)。2020年ほどborderについて考えたことはないのでこれを選んだ。
オードリー・タン
今まさに「境」がどうなるかが問われている。今は自分と他の人の間にマスクで境界線を作らないといけない。手から体内にウィルスを吸収しないために、自分の顔と汚れた手の間にも境界線を引かなくてはならない。でもここで手を洗えばボーダー(マスク)を取り外すこともできる、これもテクノロジーだ。未来はどうなるか、テクノロジーで何ができるか。すべては「人」次第。


📝📝📝 メモ_φ(・_・

📝2020年、コロナを通して、地球上の皆が同じ体験をしているという事が、地球の未来を考える上で非常に重要な転換点となっているのだろうなぁ〜。






コロナ禍で変化したファッションと、偉人ココ・シャネル


まずはファッションの話題。コロナの前と後のファッションで一番変わったのは「マスク」をするようになったことだというオードリー

落合
人に見せる服より、自分が着たい服。マスクはネクタイのようになると思う?身体の中に儀礼的に残っていくだろうか?
オードリー・タン
ネクタイより重要になってくるかもしれない。ネクタイとマスクは「よそいきのフォーマル」なものと言う点が似ているが、マスクの方が覆っている面積が大きいはず。第二の顔という意味でも重要。他の人のネクタイをしげしげと見ることはないが、マスクは逆。
(#ColorHasNoGenderムーブメント に触れて)
コロナ禍で学んだのは、変化をいとわない人間こそ強い。固定観念にとらわれていては危険な目に遭う。ヨーイチが初めに言ったように、「見せるためだけ、固定観念を守るだけ」の服の時代は終わった。居心地の悪い「危機」の時代だからこそ、本当の居心地の良さを求めて「変化」が起きるのでしょうね。


「ココ・シャネル」が20世紀初頭フランスで起こした変化

派手な帽子にキツいコルセットが一般的だった中、動きやすいパンツルックやシンプルな帽子を提案。相次ぐ危機(第一次世界大戦、スペイン風邪)による労働者不足を補うため社会進出した女性達のために動きやすい服をデザイン。だが、本当の狙いはもっと先にあった。主に男性が用いていた黒を導入、上流階級の香水を量産するなど、男尊女卑が激しかった時代に危機を足掛かりに女性を様々な呪縛から解放しようとした。男尊女卑が激しかった時代に危機を足掛かりに女性を様々な呪縛から解放しようとした。


オードリー・タン
危機はあらゆる面で民主化を促す。シャネルは「慎ましさこそ真のエレガンス」だと言っている。今回のコロナ禍でも人々の虚栄心が減った。インスタグラムに派手な写真を上げるのは止めて誰もが謙虚になった。コロナ禍の後、謙虚な中に自分だけのエレガンスを求めていけるかが大事。
落合
人に見せるためのブランド品をわざわざ持ってパーティに行くか?そうじゃない時代が近づいている。「自律共生的な」=コンヴィヴィアリティ(哲学者・イヴァン・イリイチが説いた「共に生きる価値観」)がひとつのキーワードになるだろう。



📝📝📝 メモ_φ(・_・

変化をいとわない人間こそ強い。
危機はあらゆる面で民主化を促す。
「自律共生的な」=コンヴィヴィアリティという新しいキーワード!

コンヴィヴィアリティとは?
人々は物を手に入れる必要があるだけではない。彼らは何よりも、暮らしを可能にしてくれる物を作り出す自由、それに自分の好みにしたがって形を与える自由、他人をかまったりせわしたりするのにそれを用いる自由を必要とするのだ。富める国々の囚人はしばしば、彼らの家族よりも多くの品物やサービスが利用できるが、品物がどのように作られるかということに発言権をもたないし、その品物をどうするかということも決められない。彼らの刑罰は、私のいわゆる自立共生(コンヴィヴィアリティ)を剥奪されていることに存する。彼らは単なる消費者の地位に降格されているのだ。
産業主義的な生産性の正反対を明示するのに、私は自立共生(コンヴィヴィアリティ)という用語を選ぶ。私はその言葉に、各人のあいだの自立的で創造的な交わりと、各人の環境との同様の交わりを意味させ、またこの言葉に、他人と人工的環境によって強いられた需要への各人の条件反射づけられた反応とは対照的な意味をもたせようと思う。私は自立共生とは、人間的な相互依存のうちに実現された個的自由であり、またそのようなものとして固有の倫理的価値をなすものであると考える。私の信じるところでは、いかなる社会においても、自立共生(コンヴィヴィアリティ)が一定の水準以下に落ち込むにつれて、産業主義的生産性はどんなに増大しても、自身が社会成員間に生みだす欲求を有効にみたすことができなくなる。
●参考 https://www.surface-arch.com/pcf/?p=287




虚栄に戻らず人々は「共に生きて」いけるか? 

落合
さっきオードリーの言った「清貧(モディスティ)」。人も文化も虚栄心も、レジリエンス(弾力性:衝突や危機から回復する力)を持っている。今、清貧な状態に置かれたとしても人は虚栄を目指すかもしれない。導入された文化がどう維持されるまたはもとに戻っていくだろうか?
オードリー
コンヴィヴィアリティは日本のわびさびにも通じる。価値を輸入したり奪ってきたりするのではなく、今目の前にある環境を活かして共に生きて行こうという考え。人類は歴史上はじめて世界中が等しく同じ悩みを持つことになった。同じ環境・同じ文化を生きていると言える。時差・物理的距離の壁もインターネットが越えた。ひとつの新しい文化だ。
人類は歴史上初めて、先進国と途上国という枠組みを超えて地球規模のコンヴィヴィアリティ(共生)を手にした以上、前に戻る必要はない。ワクチン完成後も地球規模で物事を考えていくべき。
落合
時空間を越えると、「大きな文化」「新しい文化」になる。皆で語り合うことができたら一番楽しい喜びだ。



📝📝📝 メモ_φ(・_・

人類は歴史上初めて、地球規模のコンヴィヴィアリティ(共生)を手にした





コロナ禍の経済の行方と、偉人・ケインズ

分断が懸念される今だからこそ、新たな繋がりを大切にしたい。二人の話題は、経済へと移る。2020年度の各国のJDP予想のデータ紹介。台湾は-0.73%と影響を最小限に抑えたのに対し、アメリカは-32.9%、日本も戦後最悪の-27.8%と経済不安が募る。だが二人は今の時代はGDPだけを気にすべきではないと言う

落合
持続可能性は生産性指標では評価できない。
例えば、自給自足で畑を耕しながら寺社仏閣を磨いて暮らしているとする。社会に接続されておらず通貨がやり取りされなければ、そこで行われる経済活動は0かもしれない。だが、その寺社仏閣が持続可能に保たれていれば、100年後その寺社仏閣を見た人からすれば、計り知れない価値に変換されるかもしれない。
オードリー
同意見。(四半期のGDPのデータについて)確かに台湾は短期的には抑え込めたが、危機はもっと続く。短期の数字に一喜一憂せず、何がこの先長期的な価値となるかを考えなくてはならない。

危機にも耐えうる長期的な価値を求め、そのビジョンを示す。今から90年前、イギリスの経済学者J.M.ケインズは同じ思いを抱いた。1929年に起きた世界恐慌への悲観論に真っ向から反対した論文「孫たちの経済的可能性」(1930年発表)の紹介。今の苦しみは過去の行いのツケではなく「急速な成長の痛み」に過ぎない。このまま科学が進歩し労働効率は高まり続ければ、100年後労働の必要すらなくなる、と予想。「この100年前の予想をどう思う?」かと問われた二人は

オードリー
2030年までまだあと「10年」猶予が残されている。SDGs(誰一人取り残さない世界の実現のために、17の大目標と169の細かな目標が示されたもの)の達成目標年でもある。ケインズはすばらしい予言を残した。「金儲け」と「価値ある仕事」は違う。SDGsの目標の中でGDPについては1項目のみ。GDPに悩むのは169分の1の時間でいい。予言通り、お金のためだけに働く必要はなくなる。自分の心を満足させるために働く社会がやってくるだろう。今は苦しいこともあるが10年後、GDPは意味を失っているだろう。
落合
成熟した国では2030年になる前に可能かもしれない。アフリカの問題、発展途上国の問題としては根深く残っている。2030年は越えるかもしれないが、SDGsの言うように誰も取り残さずに達成されるといいなと思う。
オードリー
コロナ禍の今、事態は明確になった。お金がいくらあっても病気にはなる。だからこそお金よりももっと大事な価値=「生きていくこと」に必要なものは等しく世界中のみんなに行き渡るようにしなければならない。あと10年、技術の発達を信じ世界が歩み寄り続ければ、人類はお金に悩む段階から「次の段階」へと歩み出せる。


📝📝📝 メモ_φ(・_・

自分の心を満足させるために働く社会かぁ!
つまり、自分はなにをしていると満足度(幸福度)が高いのか?ということをそれぞれがわかっていることがより重要になってくるよなぁ〜。






ケインズは「人類の物質的環境に空前の大変化が起きる」と謎めいた予言


落合
90年前は「非」物質的な生産がほとんどない時代。「ゲームの産業」が先進国で増えている。「生産性のあるもの」と「生産性のないもの」という議論は無意味。物質なのか情報なのか意味がなくなってきた。


現代はデジタル時代。物を作って売る古くからの産業と異なり、ゲームや動画など形のない情報を提供する産業が急成長。先日、デジタルスキャンでアバターを作った体験に触れる落合

落合
人間がデジタルに移行すると、形や大きさ、時間から離脱できる。
オードリー
私も4年前に自分をスキャンした。現実の自分はひとつの入り口に過ぎない。デジタルスキャンはどれだけリアルでも実物のコピー、鏡に映った像に過ぎないとよく言われるが、デジタルにはもっと無限の可能性がある。スキャンするたびに自分が増える。1つの鏡に映った像だけでなく、いくつもの自分を「万華鏡」のように持てる。
デジタル空間では複数の人生を歩めることができる。これはSFの世界の話ではない。1秒間に17万8000GB/1回線(ロンドン大学2020/08/19発表)の情報を1本のネット回線で流せる。これに対し、ひとりの人間が知覚できる情報の限界は1秒間に17GB/1人。1本の回線で1万人が繋がった世界をデジタル空間に作れる。

あつまれどうぶつの森、フォートナイト…。マトリックス(1999年)の世界が現実となりつつある。デジタル空間は経済の仕組みを変える可能性があると二人は言う。現実世界では何かを作るには限りある資源を使わねばならず、資源の奪い合いや大量生産による環境破壊が起きる。だが、デジタルの世界は無限。動画やゲームなどデジタルの情報は資源を消費せず無限にコピー可能。今後デジタルの世界だけで完結するようになれば、奪ったり破壊したりすることのない経済を築ける

落合
経済可能性から考えると、(資源を消費した)物質的生産が起こらなくても互いにコミュニケーションが取れる。限られた資源を奪い合ってコストを決定する経済とは別な論理で生産活動を考えることができる。デジタル化することによる時間の永続性や、コピーの限界費用(もう1つ作る費用)の低さを考えると、いま(物理的に)現存する空間と時間より「重い」意味がデータ化した後の時間や空間にある。デジタルすごい重要。
オードリー
これまでの経済では必ず物的資源・人的資源の搾取が行われる。デジタルの世界なら他の誰かを凹ませる必要がない。デジタルの世界は無限。皆が同じスタートラインに立てる。


📝📝📝 メモ_φ(・_・

資源の奪い合いではなく、無限にあるデジタルの世界の資源をどうつかっていくか?

これから益々注目する分野である。デジタル空間の考え方として、メタバースというキーワードは合わせて理解を深めたいところ。

メタバースについては以下の記事が非常に勉強になりましたm(_ _)m




新しい民主主義、クアドラティックボーティング


コロナ禍の日本では、営業自粛や学校の休校要請を巡り、統制か自由かで様々な意見が対立した。地方が独自の対策に乗り出すなど政治に大きな注目が集まった。世界では不公平不自由な状況を打破すべく民衆の運動が繰り広げられている。未曾有の事態の中であり方が問われる民主主義。その未来を考える大きなヒントが、台湾で実際に行われた斬新な投票方法「クアドラティックボーティング」にある。オードリーによるやり方の解説

オードリー
台湾では投票は「楽しい」もの「ワクワクする」もの。なぜなら台湾は民主化に非常に苦労したから。(1980年代半ばまで)長く戒厳令下にあり、民主主義を手に入れる戦いを長く続けてきた。

投票=祝祭

票の数が未来に繋がっているという実感が他より強い。元々投票率が高い台湾。一方、日本は昨年の参議院選の投票率は50%を下回った。日本と台湾の違いについて、対談前の落合は「社会制度は自分たちで獲得した経験がないと感覚的に体感できない」と言っていた。

落合
日本は台湾でいう祝祭性が失われた状態。日本が祝祭性を回復するには?もしくは台湾が将来祝祭を失った場合、どう再着火すればいいか?
オードリー
投票のレベルを変え投票の「回数」を増やす。投票の項目を細分化し、数秒でも時間があれば投票できるようにするのが鍵。民主主義の「回線速度」を上げることが大事。4年に1度の選挙で済ませるのは旧式のコンピュータを使い続けるようなもの。アクセスの回数を増やせば増やすほどフィードバックもアップデートも多くなる。それが「新しい民主主義」のあり方。
落合
台湾約2300万人、日本約1億2600万人と人口規模が違う。日本のような人口規模の多い国で「新しい民主主義」は可能か?
オードリー
物理的にひとりひとりの意見を聞いて回るなら、古代民主主義が行われたギリシャの都市国家の規模が限界だろう。でもデジタルは違う。デジタルのネットワークはスケールフリー(1つの情報を無限に拡大・共有できること)だ。皆にとって価値があると判断された情報は、すぐに世界中に拡散される。どれだけ規模の大きな人口に対しても広がり続ける。このような新しい民主主義のやり方を広める上でも日本と台湾の距離は近い。物理的な距離の近さではなく、テクノロジーのレベルが同じくらい高いこと。

進んだテクノロジーがあれば進んだ理想を叶えることができる。

民主主義は完成された「化石」ではなく「人の生活を便利にする生きたテクノロジー」

落合
どうやって生きた民主主義を進化させていくか。そのカギになるのが「多様性」。民主主義の中でどう多様性・多元性を確保していくか。日本のいいところ・悪いところがある。多様な文化圏であれば「ほどほど」な価値が割とある。つまり、お互いが理解しえないことに関して「ここまでは理解しよう」という相互理解のラインがある。単一民族が多い日本は、完璧に理解することに力を割いてしまう。カンペキを求めてしまう。8割できていればいいのに、残り2割を上げるために8割の時間を使ってしまう。そのおかげで、例えば子どもがいじめられる理由は皆が同じ規律を求めるからだったりする。ある程度「ほどほど」で成り立つようになると人の働き方や生き方が多様になる。テクノロジー的に前進した民主主義から生まれてくる(未来への)遺産(レガシー)は(これからの)人の多様性や時間の使い方に直接跳ね返ってくる。“ほどほど”のコンセンサス(合意)で多様でいられる社会へ。

地球規模のコンヴィヴィアリティ。無限な可能性を持つデジタルな経済。そしてテクノロジーとしての民主主義。驚くほど明るい未来が説かれた今回。最後に聞きたいことは?

落合
「変わらないものって何だろう?」って僕はよく考えるんですよ。自然の形も変われば人の形も変わるけれど、その中で人の最もチャーミングなところはタンさんにとってどこですか?
オードリー
人は賢人(サピエンス)ですから、知恵ですね。


📝📝📝 メモ_φ(・_・

生きた民主主義を進化させていくカギになるのが「多様性」

“ほどほど”のコンセンサス(合意)で多様でいられる社会

明るい未来にしていくために、一人ひとりがどう動くか?

特に2030年までの残り10年というのを意識して生きたい。




民主主義ということでは以下の記事も読み合わせてこれからを考えたい。

ユヴァル・ノア・ハラリ、オードリー・タン対談「民主主義、社会の未来」全和訳




見逃し配信

再放送もあるみたい

ズームバック×オチアイ 特別編「落合陽一、オードリー・タンに会う」
[NHKEテレ1・東京] 
2020年10月11日 午後2:30 ~ 午後3:20 (50分)


おまけ?

オードリー・タンさんの最近でた書籍

それと予約受付中の書籍が気になる!

今回の番組を見て、落合さんのこの本を読み返そうと思った。

毎年楽しみなイノフェス2020に、今年はオードリー・タンさんも出演されるんですよね!デジタルな未来を先取りしたい人にはオススメのイベント。


研究費用・活動費用に存分に使わせていただきます\(^o^)/