乃木坂46の楽曲を一日一曲語る。33日目『コウモリよ』
_______【この記事の構成】_______
▼今日のこばなし
本題の伏線になる時とならない時がある雑談
▼『○○』の基本データ
作編曲、歌唱メンバー、MV等の情報
▼『○○』を語る
愛と飛躍に溢れた考察
▼おわりに
総括とキメ台詞
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▼今日のこばなし
「秋元康とのシンクロ率」
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秋元康の歌詞と毎日対峙していると、「曲についての感想をまとめる」というより、「秋元康の思考を追体験している」という感覚に近づいてくる。
このまま行くと全曲の記事が書き終わった頃には、めちゃめちゃ秋元康っぽい歌詞が書けるようになっているかも知れない。
どうせやるなら、シンクロ率200%を超えて秋元康と一体化するまでシンクロしてやろうと思う。
▼『コウモリよ』の基本データ
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▼収録 / 発売日
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6thシングル『ガールズルール』Type-A / 2013年7月3日
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▼作詞 / 作曲 / 編曲
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秋元康 / 南田健吾 / 高梨康治
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▼歌唱メンバー
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白石麻衣、中元日芽香、能條愛未、若月佑美
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▼センター
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この曲のセンターは決まっていない。
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▼MV(ミュージックビデオ)
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この曲のMVは制作されていない。
▼『コウモリよ』を語る
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・間奏の簡素な感想
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疾走感あふれるメタルチューンと、4人の強い歌声が特徴的な楽曲。
間奏が長いというのがこの曲に対する簡素な感想である。
計ってみたら69秒あった。
・愛×コウモリ
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筆者が敬愛する前田裕二氏は自身の著書『メモの魔力』で、秋元康について以下のように述べている。
アナロジーとは、一見無関係なものの間に何らかの共通点を見つけて、結びつける思考法です。身近で具体的な事例の特徴を探して、抽象化して、それをまた別の具体に当てはめるわけです。【中略】秋元さんは異常なまでの繊細さで、あらゆる事象にまるで「抽象化の便箋」を貼り付けるように、日々このアナロジーのための種集め作業を行っているのだと思います。
-出典:前田裕二『メモの魔力 The Magic of Memos』(幻冬舎、2018年)
どうやら『コウモリよ』は、愛×コウモリのアナロジーを歌っているということはタイトルやサビから分かる。
しかし、愛とコウモリの共通点とは一体なんだろうか。
キーワードは、反響定位だ。
・反響定位
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小型コウモリ類の多くは、目がごく小さい代わりに大きな耳を持っている。
そしてこの耳を使って物体の位置を把握する能力が反響定位である。
【反響定位】
動物が自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたもの(反響)を受信し、その方向と遅れによってぶつかってきたものの位置を知ることである。
各方向からの反響を受信すれば、周囲のものと自分の距離および位置関係を知ることができる。したがって、音による感受法でありながら、音を聞くだけの受動的な聴覚よりも、むしろ視覚に近い役割を担っている。
-Wikipediaより引用
『コウモリよ』にはこの反響定位を思わせる歌詞がいくつか見られる。↓
真実なんかどうだっていいい
気配が愛のすべて
- 出典:『コウモリよ』/ 作詞:秋元康 作曲:南田健吾
頬に流れ落ちる
涙 そっと避けながら
君と僕の距離 測ろう
- 出典:『コウモリよ』/ 作詞:秋元康 作曲:南田健吾
※室内に針金を張り巡らせ、コウモリにその中を飛ばせると、針金にぶつからずに飛び回るらしい。
超音波 放つように
愛のアンテナを立てて
そう自由に空を飛ぼう
- 出典:『コウモリよ』/ 作詞:秋元康 作曲:南田健吾
この曲の主人公は、反響定位を用いて自由に飛び回るコウモリを「理想の愛の形」のように捉えているのではないだろうか。
だいぶ結論に近づいてきたが、もう少しお付き合い願おう。
・オラに力をー!
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「理想の愛の形」とは、「困難を乗り越えた先にある本当の愛」と言い換えられる。
では『コウモリよ』における困難は何かというと、それは曲中に2つ登場する。
何も見えない漆黒の闇の中
そばにいるのは愛しき人
- 出典:『コウモリよ』/ 作詞:秋元康 作曲:南田健吾
人は誰でも
目の前に壁がある
守りたいのは愛しき人
- 出典:『コウモリよ』/ 作詞:秋元康 作曲:南田健吾
愛しき人はそばにいるが、暗闇と壁が2人を隔てる。
そこで主人公は、コウモリの反響定位が使えれば恋人のこころに寄り添えるかも知れないと思っているのだ。
というわけで、まとめるとこうなる。↓
『コウモリよ』は、真っ暗闇の中、壁の向こうの恋人の悲しみを推し量るため、「コウモリよ!オラに力を分けてくれ!」と主人公が叫ぶ歌である。
▼おわりに
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ちなみに、コウモリには昆虫食が中心の小型コウモリ類と果実食が中心のオオコウモリ類の大きく分けて2つがある。
反響定位を用いるのは前者のみで、後者は大きな目を持ち視覚に頼って生活するらしい。
では、また明日 stay tuned!
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