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制作日記No.117〈ダイアローグ⑥〉

2021年8月9日(月)

お疲れ様です。いたがきブログです。

乃木坂46メンバーの卒業後をテーマに、僕の妄想を短篇小説集にしようと企んでいます。
タイトルは短篇小説集『振り向けば青春 ~あの後の彼女たち~』です!

(略して #短篇小説集ふりはる


ようやくその第一作目となる松村沙友理篇が完成しました! 無料で公開しています。

今日も今日とて、ロバート・マッキーさんの『ダイアローグ』を読んで勉強したことを受け売りでご紹介します。

前回の日記ではダイアローグの3つの機能の1つ目である「明瞭化」について書きました。

本日はその2つ目と3つ目の「性格描写」「アクション」についてです。

▼前回の日記
制作日記No.114〈ダイアローグ⑤〉

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▼性格描写
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ダイアローグの2つ目の機能は「性格描写」です。


作家は、実像性格描写というふたつの側面に応じて登場人物を造形していきます。

(#いきなり知らない言葉を連発するなマッキー)

それぞれの説明はこんな感じ、、、

実像
→人物の深層心理や倫理観を示すもので、人生が窮地に陥って、選択と行動を迫られたときにはじめて明るみに出る真実の姿

性格描写
→人物の総合的な外見、表面上の特徴と行動の総体を表す


後者をもう少し掘り下げると、性格描写は①好奇心を刺激する、②説得力を与える、③個性をもたせる、という3つの役割を果たします。

①好奇心を刺激する

読者や観客は、登場人物の表向きの顔がほんとうのものではないことを知っている。その顔はペルソナと呼ばれ、表の世界と真の性質のあいだにはさまれた人格の仮面だと知っている。独特な登場人物に出くわすと、読者や観客はその人物のことばに耳を傾け、こんなふうに考えをめぐらす。「この人はこう見えるけど、ほんとうはどうなんだろう。正直者か、嘘つきか。やさしいのか、残酷なのか。賢いのか、愚かなのか。冷静なのか、せっかちなのか。強いのか弱いのか。善なのか、悪なのか。興味深い人物像の奥にどんな個性がひそんでいるんだろう。いったい、本当の姿は?」

②説得力を与える

想像力をよく働かせて巧みに設計した人物像は、観客や読者が架空の人物の存在を信じたくなるほどの精神や肉体、感情や言語を具え、現実にいるかのように感じさせる。 読者や観客はストーリーと登場人物が実在しないと知っているものだ。けれども同時に、物語に没頭するためには一時的に信じなくてはいけないこと、あるいはもっと正確に言うと、みずから不信感を捨てて、疑念や批判なしに登場人物の行動や反応を受け入れなくてはいけないことも知っている。

③個性をもたせる

想像力をよく働かせ、しっかり調査して生み出した人物像は、多くの要素を組み合わせてできた独特のものである。遺伝、幼少時の環境、身体的な特徴、知性、感受性、教育、経験、物腰、価値観、嗜好、そしてその人物に個性を与えてきたありとあらゆる文化的影響が混じり合う。日々の暮らしをつづけ、仕事、交友、性、健康、幸福などを追い求めるなかで、さまざまなふるまいが独自の人格を形作っていく。

そして何よりも重要な特徴は、発することばだ。これまでだれも出会ったことがないような話し方をさせるとよい。その語りは登場人物のなかで際立つばかりか、秀逸な技巧を凝らせば、どんな架空の人物とも異なることになる。

この辺は読みながらとても感銘を受けたので、3つともちょっと長めに引用させてもらいました。

特に2つ目の説得力を与えるの引用部分にやられました。

短篇小説集『ふりはる』松村沙友理篇を書くにあたって、「どうすれば僕の思い描いているものが正しく伝わるか、どうすれば読者にそれが受け入れてもらえるか」という考えに固執していました。

その結果、おそろしく説明的な文章になってしまいました。

しかし、小説というものはそもそも読者にある程度の作法と想像力を要求するものなんですね。

「実在しないと知っているものを、物語に没頭するために一時的に信じる」というのも言うなれば小説の作法のひとつで、作家はそこに下手に歩み寄るよりも読者に任せることのほうが大切なのかもしれません。

(#他の媒体に比べて「小説」に知的なイメージがある理由はコレかもしれませんね)

どうやら松村沙友理篇最大の敗因のひとつは、読者を信頼できていなかった(過小評価してしまった)ことみたいです。


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▼アクション
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ダイアローグの重要な機能の3つ目は、アクションを起こす手段を登場人物に授けることだそうです。

すいません。この3つ目に関しては説明を読んでもあまり理解できませんでした。気になる方は実際に手にとって読んでみてください。

(#このあとの章で詳しい解説があるみたいです)


『ダイアローグ』の受け売り授業はまだまだ続きます。またあした。


【出典】著者ロバート・マッキー『ダイアローグ 小説・演劇・映画・テレビドラマで効果的な会話を生みだす方法』(フィルムアート社、2017年、一部改変あり)

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さっきから網戸にセミがとまっています。網戸を揺らして飛ばしても、また戻ってきます。なんで?


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では、また後ほどお会いしましょう。


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