松村沙友理篇 制作日記No.3〈虚実皮膜〉
2021年1月11日(月)
お疲れさまです。ご無沙汰しております。
昨年末から本格的な執筆を始めたのですが、予想より5倍くらい時間がかかっていて、さっそく素人が露呈しています。ようやく最初のシーンが半ばまで来ました。
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【虚実皮膜】
近松門左衛門という江戸時代の人が唱えた芸術論に『虚実皮膜(きょじつひまく)』ってのがありやして、要するに「芸の真実は虚構と現実との微妙なはざまにある」ってことなんでげす。
でもって、『振り向けば青春~あの後の彼女たち~』を書くにあたって僕が目指しているのは、「リアルとフィクションの境目を曖昧にすること」。これはまあ『虚実皮膜』とおんなじようなことです。
【虚実皮膜のための作戦】
虚構と現実の境界を曖昧にするためにいろんな策を弄するつもりですが、現時点で思いついていることは以下の2つです。
①松村沙友理以外の登場人物は名前を決めない
→登場人物を「完全な物語のキャラクター」ではなく「この世界に実在する誰か」として描きたいと思っていて、そのために名前を決めないことにしました。
②松村沙友理のセリフを直接書かない
→コレは単純な僕の実力不足でもあるのですが、物語の中とはいえ僕が勝手に考えたセリフをさゆりんごの口から言わせるのは違うなぁと思いまして。
僕が知っている「松村沙友理」って、結局はメディアを通して届けられた「松村沙友理」でしかないんですよね。どこまで行ってもさゆりんごにとって僕は「外の人間」なんです。
ココをわきまえないと自己満足な二次創作に堕ちてしまうので、基本的に作中でも誰かの目を通して見た「松村沙友理」という表現になると思われます。語り手を「沙友理の夫」にする理由もコレです。
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ファンには「絶対に越えられない壁」があって、どこまで行っても「外の人間」でしかない。これが本作の重要なテーマになってきます。
では、また後ほどお会いしましょう。
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