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乃木坂46の楽曲を一日一曲語る。15日目『涙がまだ悲しみだった頃』

_______【この記事の構成】_______
▼今日のこばなし

本題の伏線になる時とならない時がある雑談

▼『○○』の基本データ
作編曲、歌唱メンバー、MV等の情報

▼『○○』を語る
愛と飛躍に溢れた考察

▼おわりに
総括とキメ台詞



▼今日のこばなし

「西野亮廣エンタメ研究所」

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先日、西野亮廣エンタメ研究所に入会した。

以前から気になっていたが、コロナちゃんが猛威を振るう今を逃したら完全に乗り遅れると思い入会を決めた。

サロンメンバーの皆さま、以後お見知りおきを。

以上、近況報告であった。


▼『涙がまだ悲しみだった頃』の基本データ

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▼収録 / 発売日
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3rdシングル『走れ!Bicycle』Type-A / 2012年8月22日

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▼作詞 / 作曲 / 編曲
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秋元康 / 内田智之 / TATOO

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▼歌唱メンバー
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安藤美雲、伊藤寧々、岩瀬佑美子、衛藤美彩、柏幸奈、川後陽菜、川村真洋、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、中元日芽香、永島聖羅、能條愛未、畠中清羅、樋口日奈、宮澤成良、大和里菜、和田まあや 

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▼センター
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伊藤寧々

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▼MV(ミュージックビデオ)
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監督:関和亮


 ▼『涙がまだ悲しみだった頃』を語る

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・イントロがポエマー製造機

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歌詞についてはこれから語るとして、まず、イントロのピアノがエモくて最高である。この部分だけでポエムが作れる気がする。

長い長いのぼり坂
熱を溜め込んだアスファルトが
頂上と空の境界を揺らす

少女は自転車を漕ぐ
半回転ずつゆっくりゆっくり
重いペダルを踏み込む

作ってみた。


・星新一とフラペチーノ

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日本を代表するショートショート作家の星新一は、こんな言葉を残している。

青春とはもともと暗く不器用なもので、明るくかっこよくスイスイしたものは商業主義が作り上げた虚像にすぎない

乃木坂46の楽曲は前者の「暗く不器用な青春」と、そこに差すたった一筋の希望を歌ったものが多いように思われる。

筆者もどちらかと言えば、商業主義が作り上げた青春の虚像に辟易していた人間だ。
そんな人たちに歌詞が刺さったのも、乃木坂46が売れた要因の一つかもしれない。


ところで、星新一のこの言葉は、『涙がまだ悲しみだった頃』の歌詞を一言で表している。

涙をすぐ流せばよかった
我慢しなきゃいけないものだって思ってた
そう笑顔の作り方忘れて
友達や親に当たってしまった
心のあちこちが青い痣になったあの日
傷つくにはまだ幼かった

- 出典:『涙がまだ悲しみだった頃』/ 作詞:秋元康 作曲:内田智之

自分の事さえよくわからないのに、友達や親にどう接していいかなんてまるでわからない。
この曲は、思春期の苦しさを歌っている。 


大学生になった筆者が高校時代の友達とフラペチーノを食べに行った時、ふと思いついて友達に

「青春っていつ終わるんだろうね。僕はいま大学一年生だけど、まだ青春の中にいるのかな?」

と聞いてみた。(その時は適当にスルーされた)

この問いに対する現時点での筆者の答えは、「心の痣が思い出になった時に青春は終わる」というとても気障なものである。
傷つきかたを知って、現実を受け入れることを覚えた時、アオハルは終わるのだ。

大人になるってこういうことなのだろうか。なんかさみしい。
このブログを書き始めたのは、「今の感性を、見える景色を、書き残しておきたい」というさみしさもある気がする。


・今が思い出になるまで

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確かにそう私は
あなたに恋をしてた
ってかね恋をしてる
つもりだったのよ

- 出典:『涙がまだ悲しみだった頃』/ 作詞:秋元康 作曲:内田智之

 『涙がまだ悲しみだった頃』はこの歌詞で始まる。

「恋をしてた」と「恋をしてるつもりだった」の違いはなんだろうか。
筆者の解釈はこうだ。

この女の子は確かに「恋をしてた」と思われる。

しかしそれから時は経ち、現在この女の子はおとなになっている。

そして当時を回想し、

「あの頃の私は恋に恋する少女で、相手の本質なんて見えてなかったわ。所詮は恋をしてるつもりだったのよ

と結論づけているのある。


「経験」の角が取れて、丸みを帯びた「思い出」になったとでも言えよう。その過程で人は強くなるのかもしれない。しかし、それはとてもさみしいことでもある。
「思い出」になるとは、言い換えれば「過去のもの」になるということだからだ。


さて、少し話が逸れるが、
乃木坂46の4thアルバムのタイトルが『今が思い出になるまで』になると知ったときは鳥肌が立った。

日本No.1のアイドルに上り詰め絶頂期を迎えた一方、
卒業ラッシュで次々とメンバーがグループを巣立っていく現状に心を振り回されているファンに向けての

「どんな“今”も、いつかは思い出になる。だからどうか“今”だけの乃木坂46を楽しんでください」

というメッセージだと感じたのだ。


▼おわりに

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アイドルも、青春も、結局どういうものなのかよくわからない。

しかし、それが「思い出」になる前の感覚的な経験に近いものであることは確かだ。

では、また明日。 stay tuned!



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