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制作日記No.120〈ダイアローグ⑨〉

2021年8月12日(木)

お疲れ様です。いたがきブログです。

乃木坂46メンバーの卒業後をテーマに、僕の妄想を短篇小説集にしようと企んでいます。
タイトルは短篇小説集『振り向けば青春 ~あの後の彼女たち~』です!

(略して #短篇小説集ふりはる


ようやくその第一作目となる松村沙友理篇が完成しました! 無料で公開しています。

今日も今日とて、ロバート・マッキーさんの『ダイアローグ』を読んで学んだことを受け売りでご紹介します。

本日のテーマは、「含みのない書き方をしていませんか?」です。

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▼感情の動きに苦戦した
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短篇小説集『ふりはる』は様々な苦戦を強いられましたが、なかでも難しかったのが〈男性〉と〈沙友理の夫〉の感情の動きを、それぞれ一人称視点で描くことでした。

まずはとにかく完成させて世に出さなきゃという思いで松村沙友理篇は完成稿と銘打ちましたが、登場人物の感情の動きに関してはハッキリ言って全然ダメです。

眠れない夜にふと「ああ、何が悪かったのかなぁ」なんて考えたりするのですが、具体的にどう改善すればいいのかちっともわかりませんでした。

そう、『ダイアローグ』を読むまでは。


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▼含みのない書き方
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これまでの制作日記(『ダイアローグ①~⑧』)でご紹介したことだけでも、じゅうぶんに松村沙友理篇の反省点が見えてきました。

しかし、感情の動きが上手く書けなかったという点に関していえば、「含みのない書き方」がいちばんの原因だと思います。

人が自分の思考や感情の何もかもを述べたり行動に移したりすることは、ぜったいにありえない。というのも、思考や感情の大部分は、自分の気づかないところを流れているからだ。 本来、そうした思考が表面に出て"言うこと"の領域にはいることはない。

〈男性〉と〈沙友理の夫〉について、構想段階で作り込んだ感情のグラデーションが余すこと無く正確に読者に伝わることへ執着するあまり、

本来であれば大部分は自分の気づかないところを流れているはずの思考や感情を〈男性〉や〈沙友理の夫〉に言わせてしまいました。

含みのないダイアローグはサブテクストをテクストに変えてしまうので、登場人物は自分の考えや思いをきっちり全部口にすることになり、その結果、人間が話しているようにはとうてい聞こえない。

僕が松村沙友理篇に感じていたのはまさしくこの「人間が話しているように聞こえない」という部分で、どうやら完全にドツボにドボンしていたようです。

少し前の日記でご紹介した三重構造の同心球をイメージして、テクスト(“言うこと”)サブテクスト(“言わないこと”、“言えないこと”)に最新の注意を払う。

さて、

これを踏まえて、松村沙友理篇を書き直したくなってしまいました。もう松村沙友理篇にはしばらく手を加えないと宣言してしまったのですが、やっぱりこのままじゃイヤかもです。

というわけで、

『ダイアローグ』の受け売り夏期講習は本日で終了です。

小説の書き方の土台を習得する『車輪の再発明篇』はまだまだ続きますが、あしたの日記は「松村沙友理篇どうする問題」について結論を出して共有させていただきます。


【出典】著者ロバート・マッキー『ダイアローグ 小説・演劇・映画・テレビドラマで効果的な会話を生みだす方法』(フィルムアート社、2017年、一部改変あり)

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「夏期講習」って言葉の響きがもう懐かしいな。


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では、また後ほどお会いしましょう。


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