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「フードマイレージ」中田哲也/日本評論社

フードマイレージ、エコロジカルフットプリント、バーチャルウォーター。こうした言葉に表現される、私たちの食生活と、世界全体の食糧自給や地球環境との関係について、とてもわかりやすく解説されています。

著者が、農林水産省・農林水産政策研究所でフード・マイレージに関する研究に従事していた方なので、偏りない知識で理解しやすい。
入門書にぴったり。


(出典)
「消費者とは」

期待される消費者層5.4%
農業の価値が分かり、金も払う(有機産直農家との連携)

健康志向型消費者層16.5%
食の安全性に強い関心(生協周辺に多い)

分裂型消費者層52.4%
意識と行動が分離している(風評被害を起こしやすい)

どうしようもない消費者層23%
農に対して無関心(餌を食べる)

どうしようもない消費者と、分裂型消費者が全体の4分の3を占めているのが日本の消費の現場。

結局は、自分自身や日本といった、極めて利己的なレベルの問題意識にとどまっている。

自分たちが享受している豊かな食生活が、世界全体の食糧自給や地球環境問題に及ぼしてる影響にまで想像力を働かせていくことが求められる。

そのきっかけ作りにフードマイレージと言うような考え方有効である。

フードマイレージに象徴される現在の日本のグロテスクとも言える食の姿は、紛れもなく私たち自らが選択した結果なのである。

それを少しでも健全な姿に取り戻していくのも、私たち一人ひとりの選択によって可能であるはずだ。


日本の農業に圧倒的に有利な条件が1つある。
それは生産者のすぐそばにたくさんの消費者がいること。こんな国は世界中にはないし、地産地消を基本にすれば、これほど強い農業はない。