びしょ濡れのヒーローたち【FC刈谷 3/26】
こんばんは。板近 代です。
今日(3/26)もFC刈谷の試合を見てきました。
今は家に帰ってきたばかり。
「今すぐ書きたい」と思い、パソコンに向かってキーボードを叩いております。
一つだけ宣言させていただきます。
私は今日、泣かないと。
実は今、涙が出そうなんです。試合を思い返すと涙が出そうなんです。きっとそれは、熱い涙であると思います。
でも今日は泣くわけにはいきません。
だって今日の試合の後、FC刈谷のゴールキーパーである兒島選手が子どたちに笑顔で手を振っていたから。
その姿は、本物のヒーローの姿でした。だから私は、泣きません。
泣かずに、今日の試合を戦ったヒーローたちのことを書きます。書きたいのです。
試合当日は、雨
試合当日は雨。
予報でわかっていたので、前日に準備しておいた雨装備で会場へと向かいました。
会場である「CSアセット港サッカー場」の中に入ると、試合に向けて準備する選手たちの姿が見えます。
フィールドはびしょ濡れ。
ここまで降った雨。今も振り続ける雨。ピッチにはかなりの量の水が溜まっていました。
キックオフ
冷たい春の雨の中で並んだ、11人。
彼らの放つ熱気に、胸が高鳴ります。
そして試合は始まり――――。
気になっていたピッチのコンディションは…………私が想像していたよりもずっとずっと厳しいものでした。
凄まじい水しぶき。
サッカーは、走り、跳び、ぶつかる、激しいスポーツ。動きの方向は一定ではなく「なに今の動き!?」と驚く場面も山ほどあります。
今日はその全てが、滑りやすい水浸しのピッチの上で行なわれる…………。
実際、選手が滑って転ぶ場面は何度かありました。
普段、なかなか転ばない選手たちが滑って転ぶ。激しいぶつかり合いの中でもそうそう倒れない選手たちが、滑って転ぶのです。
だからこそ、よくわかったことがありました。
走らなければ転ばない。
戦わなければ転ばない。
つまり、選手が転ぶのは走り、戦い、前へ出た結果なのだと。
その証拠に、FC刈谷の選手たちは転んでもすぐに立ち上がる。
あの姿が、本当にかっこいいのです。
1点を追いかける!
試合開始から15分。先制点を決めたのはFC刈谷ではなく、対戦相手である中京大学FCでした。
私はFC刈谷が勝つと信じてその場にいました。でも、勝負に絶対はないことも知っていました。
一瞬、心の片隅に現れた不安。
でも私は負けません。
正確には“FC刈谷を見ている時の私の心”は負けません。
私の目には、点を取り返すために前を向いた選手たちの姿が見えるからです。
点を取り返すために、ピッチの中央へと立った選手の姿が見えるからです。
勝敗は、試合が終わるまでわからない。
ならば私も、終わるまでFC刈谷の勝利を信じ続ける。願い続ける。応援し続ける。
中京大学FCにそれ以上点を取られることはなく、しかし、FC刈谷の得点もなく前半終了。
1点リードされたままハーフタイムへと入りました。
ハーフタイムのリザーブメンバーたち
ハーフタイム、ピッチに現れるのはリザーブメンバーです。
サッカーのリザーブメンバーは、全員が出場できるわけではありません。
でも彼らは、いつでも出れるように準備をしています。その姿はとてもたのもしくかっこいい。
サッカーについて書いていると「かっこいい」という言葉が何度も私の中から出てきます。
「また、かっこいいという言葉を使ってしまった」
そう思ったことは、一度や二度ではありません。
でも、素直に、心のままに繰り返したいんです。かっこいいと思ったら、かっこいいと言いたい。まっすぐに、思ったままに。
雨なんて、気にならない
後半戦開始――――。
前半に引き続き、激しい戦いが続きます。
今日は「第46回愛知県社会人サッカー選手権大会 兼 第59回全国社会人サッカー選手権愛知県大会」の決勝戦。
FC刈谷と中京大学FC、勝ったほうが優勝です。
どちらのチームからも、優勝を狙う気迫と集中力が伝わってきます。
観戦する私は、身体も冷えているようだし、足もなんかちょっと震えている。
でも……どうでもいい! 多分今、けっこう寒いけど…………その寒さが熱いのです!
そして、その熱の在処はFC刈谷!
そんな、熱い寒さの中での観戦を続け……………………
キャプテンマークを巻いた背番号10!
尾﨑僚選手のゴールが決まります!
ゴールの瞬間ははっきりと見ていました。でも、シャッターは切れませんでした。一瞬時間が止まったような感覚があり、指が動かせなかったのです。
直後、喉の奥から出た歓喜の声。嬉しすぎて嬉しすぎて、なんて声を出したか覚えておりません。
それからハッと思い出したかのようにカメラを構え、急いでファインダーを覗いた先には、仲間のゴールを喜ぶ最高の笑顔がありました。
さあ次は逆転ゴールだ!
試合を再開する選手たち。
しかし、後半戦ではそれ以上点が入らず同点のまま終了、延長戦へと進みます。
延長戦も雨の中。
選手たちは、賢明に体を張って戦い続けます。
それでも、それでも決着はつかず。勝敗はPK戦で決めることとなったのです。
生まれて初めて肉眼で見た、PK戦
私は現地で、肉眼で、PK戦を見るのは初めてでした。
ものすごいプレッシャー。
私がボールを蹴るわけでもないのに、私がゴールを守るわけでもないのにすごいプレッシャーです。
始まる前から、息が苦しくなり胸がギュウッとなりました。
そんなとき、兒島選手が観客席に向かって両手を上げたのです。
そして円陣。大きな、円陣です。
私の目は、再び選手たちに釘付けでした。
緊張の中、始まったPK戦。
結果は、FC刈谷の負け。
中京大学FCの勝利です。
勝ってほしかったです。勝ってほしかったです。
喜んでいる選手たちの姿が見たかった。勝利の歌を一緒に歌いたかった。
でも、FC刈谷のことを、選手たちのことをもっと好きになりました。
あんなにもかっこいい姿を見せてくれたのですから!
水しぶきと雨の中で戦い抜いて、びしょ濡れになった選手たち。
彼らこそ、ヒーローです。
ヒーローは勝つからヒーローなわけではない。
勝つために全力を尽くすからヒーローなのだと。
私もがんばろう。くじけずがんばろう。
またサッカーに勇気をもらいに来よう。
FC刈谷の選手たちに会いに来よう。
ありがとう、FC刈谷。また絶対応援に行きます。
帰宅して、記事を書き始めて、何時間経ったのか。
いつの間にか日付は変わり朝になっていました。写真を眺めていた時間も長かったと思います。
今日はこれからこの記事を公開して、それからご飯を食べて、食べ終わったらFC刈谷公式応援ソング「MY HERO!!」を聞こうかと。
聞いてから布団に入って…………FC刈谷の夢が見れたらいいな。
それでは、読んでいただきありがとうございました。
撮影情報
⚽撮影日等
撮影日:2023年3月26日
第46回愛知県社会人サッカー選手権大会 兼 第59回全国社会人サッカー選手権愛知県大会 決勝
vs 中京大学FC
会場:CSアセット港サッカー場
⚽撮影機材等
PENTAX KP J limited
HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE
Lightroom Classic(RAW現像)
Photoshop 2023(トリミング)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?