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ITプロジェクトの失敗はエンジニアのせいではない

ITプロジェクトに参画するには色んな立場があると思います。ざっと上げるだけでもこんな感じで、失敗する要因はだいたい決まっています。プランニング不足です。

・受託開発を請けた開発会社として
・プロジェクト支援依頼を請けたコンサルタント・PMOとして
・事業会社のプロジェクト運営側として

私はSIer→事業会社→独立してコンサルタントというキャリアを歩んできましたので、全ての立場でITプロジェクトに参画させて頂きました。上手く行った案件もあれば、そうではなかった案件もありました。

SIあるあるだと思いますが、案件が火を吹いてしまうと優秀なエンジニアが矢継早に放り込まれる傾向があります。未熟な人では火を消せませんから。当時SIerに在籍していた私は、結果的にやらかしたPMと優秀なエンジニア、給料変わらないのに優秀な人が貧乏くじを引いてしまうの意味がわからないなぁと思った記憶があります。

その後私も、ある小売業さんの店頭で使うシステムの構築案件にアサインされて、サーバサイド(Java)の実装を担当したのですが、膨れ上がる管理画面・障害検知の仕様にぐぇーとなって、相当な残業をしました。今となっては、いい経験と言えます・・・。

その時の原体験が根底にあるのも多少ありますが、私が上記の3つの立場を経験した中では、エンジニアがITプロジェクトの失敗を引き起こすケースはありませんでした。システムニーズを整理しきれていない、どういう整理をすればITプロジェクトを推進できるかわからない状況に陥ったクライアントの準備不足が主因であるケースが、どの立場でも感じられました。

開発会社の立場にいた時は、中途半端に要件定義だけ準委任でやっても開発を請負にしたらそこで煮え湯飲まされることもあるから、全部準委任に切り替えるとか、継続的にメンテナンスして使っていくならエンジニアを雇って内製するほうが適切なシステム作れるんじゃないかと思い、はてなのブログではそういう記事をたくさん書きました。

で、事業会社に行きました。

事業会社の立場になってみると、身も蓋もないですが、そもそもプログラムを作ってもらう時の頼み方がわからないのが圧倒的でした。転職先が、誰もエンジニアがいない会社だったのもあります。頼まれて作ったことがないからそりゃそうか・・・と。何をどう伝えたら欲しいものを作ってくれるか、ホームページとは違ってデータの動きがメインなので、わからない。

そんな中で会社の人達と「その伝え方では何がしたいかわからん」とか「こんなのが欲しいっていうけど、言うほど使わないだろ」とか「そこを変更するにはこっちも変更せなあかんので、こういうのじゃだめ?」等の議論を重ねていく中で、システムの作りのイメージが湧いてきて、社内のIT企画力が上がってきて「こんなことできないの?」というアイデアが出てくるようになりました。

その経験から、IT企画力はエンジニアが適切な情報を提供すれば上がっていくものなのだと感じました。これは出来る・これは難しいがこれならやれるという情報を上げてコミュニケーションを取ると、ビジネス側に判断基準が出来るようになりました。

そういう現場が増えればITプロジェクトの失敗も少なからず減っていくのではなかろうか・・・という思いから、IT企画を行うITプランナーの必要性を感じて、今に至ります。

エンジニアを活用するには、まずはプランニングです。どんな価値が欲しくて、それはどういう手段で実現できるのかを、定義しないと始まらない。

プロダクト開発を行うにあたって有名な参考図書に「Inspired: 顧客の心を捉える製品の創り方」という本があります。その中にある一節です。

覚えておいてほしい。価値のある、使いやすい、実現可能な製品として作られるべき何かをプロダクトマネージャーから与えられなければ、どんなにエンジニアリング部門が優秀でも意味はない、ということ

システム企画の正しい立て方や、ITプロジェクトの立ち上げ(特に目的の明確化やゴール設定、ゴールからシステム化までのアプローチなど)を知りたい方は、以下の当社発表資料を御覧ください。


もしくは、私が運営している会社の以下のWebページをご覧ください。

https://quality-start.in/it-project-workflow


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