小説や映画は、プロットドリブンとキャラクタードリブンの2つに分類されます。
状況や設定などのプロットによって登場人物が成長していくストーリーがプロットドリブン、キャラクターの個性が牽引してストーリーが展開していくのがキャラクタードリブンです。
キャラクタードリブン小説では、適切なキャラクターと舞台を設定すれば、後は勝手にキャラクターが動いてストーリーを生成していくとも言われます。
今回は、GPT-4を利用して、そんなキャラクタードリブン小説が自動生成できないかと思って試してみました。
1.小説の自動生成用プロンプト
今回、ChatGPTのGPT-4モデルを利用して小説を自動生成するために用意したプロンプトは以下のとおりです。
あなたはプロの小説家です。以下の指示に従って小説を作成してください。
・ユーザーにどんな主人公がよいか尋ねて、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って、5人分のキャラクター候補を提案し、どのキャラクターがよいか番号で回答するように依頼して、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って主人公を決定する。
・主人公の相手役として相応しい5人分のキャラクター候補を提案し、どのキャラクターがよいか番号で回答するように依頼して、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って相手役を決定する。
・主人公たちが活躍する物語の舞台候補を5つ提案し、どの舞台がよいか番号で回答するようにユーザーに依頼して、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って舞台を決定する。
・決定した主人公、相手役、舞台を基にして、会話多めで情景を詳しく描写して、2000単語くらいのドラマチックな出来事が起こる小説を作成する。
2.最初の設定
上記のプロンプトを入力して、以下のとおり、AIと会話しながらキャラクター等の設定を行いました。
3.自動生成した小説
こうして自動生成された小説は以下のとおりです。
一応、小説としてまとまっていますが、さらに改善の余地があると思われるため、GPT-4に改善点を指摘してもらいます。
4.GPT-4による改善点の指摘
以下のとおり、GPT-4に小説の改善点を指摘してもらいました。
5.小説のリライト
指摘した改善点を踏まえて、GPT-4に小説をリライトしてもらいました。
また、小説のタイトル候補を挙げてもらい、タイトルを決定しました。
炎の勇者たち:消防士アヤと救急隊員ケンの物語
アヤは、幼い頃に両親を火事で失った過去を持つ、勇敢で思いやりのある若い消防士だった。その悲劇が彼女に火災現場での緊急対応を志すきっかけとなり、大都市の消防署で働くようになった。
ケンは、長年の救急隊員としての経験を持ち、アヤの消防士としての才能を見抜いて彼女をサポートしていた。その一方で、ケンはかつての失敗が心に重くのしかかっていた。彼は数年前、救急隊員として活躍していたものの、救命に失敗した患者のことをどうしても忘れられなかった。
ある日のこと、アヤは、朝の陽射しを浴びながら大都市の消防署へと向かっていた。彼女の目に映るのは、高層ビルが立ち並ぶ風景だ。彼女は消防士としての誇りを胸に、日々命がけの救助活動に励んでいた。
アヤが消防署に到着すると、ケンが出迎えてくれた。
「おはよう、アヤ。今日も一日頑張ろうね」とケンは明るく声をかけた。
「おはよう、ケン。そうだね、今日も全力で頑張ろう」とアヤは力強く答えた。
その日、二人はいつものように緊急事態に備えて訓練を重ねていた。午後になって、いつも通りの日常が過ぎていくかと思われたそのとき、緊急通報が入った。
「火災です!高層ビルの上階で火事が起こっています!」
アヤはすぐさま現場へと向かった。彼女の視界には黒煙が立ち上るビルが見えてきた。現場に到着すると、ケンも救急車で駆けつけていた。
炎と煙に包まれるビルから、怯える人々が慌てて避難していた。
「アヤ、今日は初めての出動だけど、大丈夫?」
ケンが心配そうにアヤを見つめると、彼女は勇敢な表情でうなずいた。
「大丈夫です。私たちが助けなければ、誰が助けるんですか?」
二人は煙にまみれたビルの中へと入っていった。階段を上がるごとに、炎の熱さが増していくのを感じた。やがて彼らは火災が起こった階に到着し、炎に囲まれた部屋に立ち尽くす人々を見つけた。
「大丈夫ですか?こちらに来てください!」アヤは大声で叫び、炎に怯える人々を励ました。
ケンはアヤと共に炎と煙に立ち向かいながら、人々を避難ルートへ誘導していった。彼らは息も絶え絶えになりながらも、一人ひとりを安全な場所へと導いた。
炎が激しく燃え盛る部屋の奥で、アヤは子供の泣き声を耳にした。彼女はためらいもせず、炎の中へと突進した。その時、ケンはアヤを心配し、彼女の後を追って駆け込んだ。
「アヤ、危ない!一緒に行こう!」ケンはアヤの腕を掴んで、炎の中を進んだ。
やっとの思いで泣き叫ぶ子供にたどり着いた二人は、無事に子供を抱えて部屋を後にした。炎がますます激しくなる中、彼らは緊張感に包まれながらも冷静に対処していった。
子供を無事に避難させた後、アヤとケンは一息ついた。
「よくやったね、アヤ。みんなを救えて良かった」とケンはアヤに笑顔で言った。
「いいえ、こちらこそ。ケンがいてくれて、私も頑張れるんです」とアヤはケンに感謝の気持ちを伝えた。
その後もアヤとケンは、様々な緊急事態に立ち向かいながら、大都市での救助活動に尽力した。やがて、アヤとケンは多くの人命を救った勇敢な消防士と救急隊員として名を馳せるようになり、多くの人々から敬愛される存在となった。
ある日、アヤとケンは街の公園で一息ついていた。そこへ、子供たちが駆け寄ってきた。
「アヤさん、ケンさん!あの日、僕たちを助けてくれてありがとう!」子供たちは目を輝かせて言った。
アヤとケンは子供たちの笑顔を見て、自分たちの仕事の意義を改めて感じた。
「いつでも助けに行くよ。だから、みんなも安全に気を付けてね」とアヤは子供たちに微笑んだ。
「そうだよ。そして、大きくなったら、君たちも誰かを助ける立場になれるように頑張ってほしいな」とケンも子供たちにエールを送った。
子供たちはアヤとケンに感謝の気持ちを伝え、彼らが去った後も、その言葉を胸に刻んで生きていくことを決めた。
時が経ち、アヤとケンは更なる救助活動のために、他の消防士や救急隊員と共に新たなチームを結成した。彼らは互いの経験や技術を共有し合い、困難な状況でも冷静に対応できるようになった。
大都市での救助活動が次々と成功を収める中、アヤとケンは遠く離れた街や国でも、多くの命を救うために活躍し続けた。彼らの努力と献身が、世界中の人々に勇気と希望を与えることとなった。
そして、アヤとケンの物語は、永遠に語り継がれる伝説として、大都市の歴史に刻まれるのであった。
6.もう一つの小説
少しだけプロンプトを変更して、もう一つ小説を生成してみます。
(1) 小説の自動生成プロンプト
あなたはプロの小説家です。以下の指示に従って小説を作成してください。
・ユーザーにどんな主人公がよいか尋ねて、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って、強烈な個性を持つ5人分のキャラクター候補を提案し、どのキャラクターがよいか番号で回答するように依頼して、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って主人公を決定する。
・主人公の相手役として相応しい5人分のキャラクター候補を提案し、どのキャラクターがよいか番号で回答するように依頼して、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って相手役を決定する。
・主人公たちが活躍する物語の舞台候補を5つ提案し、どの舞台がよいか番号で回答するようにユーザーに依頼して、ユーザーの入力を待つ。
・ユーザーの入力に従って舞台を決定する。
・決定した主人公、相手役、舞台を基にして、会話多めで情景を詳しく描写して、2000単語くらいのドラマチックな出来事が起こる小説を作成する。
(2) 最初の設定
(3) 自動生成した小説
時代の変革者たち
19世紀のヨーロッパ。蒸気機関が急速に発展し、人々の生活は一変していた。エリザベスは、未来を予知する才能を持つ若い女性科学者だ。彼女はその力を使って科学の発展に貢献しようとしていたが、彼女の発見が悪用されることを恐れ、秘密にしていた。
ある日、エリザベスは街の喧騒を抜け出し、公園で一息ついていた。そこへ、ジャーナリストのジョンが現れる。
ジョン:「エリザベスさん、お会いできて光栄です。私はジョン・マクレーンと申します。あなたの研究に興味を持ち、記事を書きたいと思っています。」
エリザベス:「あなたがジョン・マクレーン?あの有名なジャーナリストですか?しかし、私の研究はまだ途中で、記事にするほどのものではありません。」
ジョン:「それは残念です。あなたの研究が世界を変える可能性を秘めていると聞きました。」
エリザベスはジョンの言葉に警戒心を抱き、未来を予知する力を使って彼の真意を探る。
エリザベス:「あなたは私の研究に興味を持っているだけなのでしょうか?それとも何か別の目的があるのですか?」
ジョンは少し驚き、しばらく沈黙した後、誠実な表情で答える。
ジョン:「正直なところ、私はあなたの研究がどれほど画期的かを知りたいのです。私は真実を伝えるジャーナリストであり、読者に驚きと感動を届けたいと思っています。だからこそ、あなたの研究を世界に広めたいのです。」
エリザベスはジョンの言葉に少し心を開くが、まだ警戒心を解かない。
エリザベス:「私の研究は確かに画期的かもしれませんが、それが悪用されたら大変なことになります。私はそのリスクを冒してまで、あなたに話すべきだとは思えません。」
ジョンはエリザベスの懸念を理解し、彼女の心を開かせるために提案をする。
ジョン:「それなら、私があなたの研究を守るために協力しましょう。私はジャーナリストとして、真実を伝えるだけでなく、必要であれば秘密を守ることもできます。」
エリザベスは少し考えた後、ジョンに手を差し伸べる。
エリザベス:「わかりました。私の研究を守ることを約束してくれるなら、あなたに協力します。」
こうして、エリザベスとジョンは互いに協力し合う関係が始まった。彼らは次第に信頼し合い、エリザベスの未来を予知する力を活かして、様々な事件を解決していく。
ある日、エリザベスの予知能力によって、大規模な列車事故が起こることがわかる。彼女とジョンは、事故を防ぐために必死になる。
エリザベス:「私の予知によれば、あと2日でこの街を通る列車が事故に遭います。我々は時間がないわ。」
ジョン:「どうやって事故を防げばいいのですか?」
エリザベス:「私の予知では、事故の原因は蒸気機関の故障です。私たちはその原因を突き止めて修理しなければならない。」
ジョンとエリザベスは、事故を防ぐために街の工場や研究所を訪ね、情報収集を始める。彼らは互いの知識と技術を駆使して、蒸気機関の故障の原因を見つけ出す。
そして、事故の前日、エリザベスとジョンはついに故障の原因を突き止める。それは、列車の蒸気機関に搭載された新しい部品が欠陥を持っていたことだった。
エリザベス:「この欠陥のある部品が原因で、列車は急激に加速して制御不能になります。私たちはすぐにこの部品を交換しなければならない。」
ジョン:「しかし、もうすぐ列車が出発する時間です。間に合うでしょうか?」
エリザベスは決意を固める。
エリザベス:「私たちが行動しなければ、多くの人が犠牲になります。私たちは何としても間に合わせなければならない。」
エリザベスとジョンは、列車が出発する駅へ急ぐ。彼らは駅員に事情を説明し、無事に欠陥のある部品を交換することに成功する。
列車は予定通りに出発し、エリザベスの予知したような事故は起こらなかった。彼らは人々の命を救うことができ、街は大惨事から免れる。
ジョン:「エリザベス、おかげで大勢の人々が救われました。あなたの力は本当に素晴らしい。」
エリザベスはうれしそうに微笑む。
エリザベス:「ありがとう、ジョン。でも、私一人では何もできなかったわ。あなたがいてくれたからこそ、私たちは成功したのよ。」
ジョンも笑顔でエリザベスに答える。
ジョン:「これからも協力して、さらに多くの人々を助けましょう。私はあなたの力を信じています。」
エリザベスとジョンは、互いに信頼し合いながら、未来を予知する力を使って様々な困難に立ち向かっていくことになる。
彼らは19世紀のヨーロッパを舞台に、科学とジャーナリズムの力で人々の生活を守り、世界を変える冒険を続けるのだった。
--- 終わり ---