以前、「簡単なプロンプトで質の高い長編小説を量産する方法の紹介」という記事を書いて、生成AIで長編SF小説を自動生成するプロンプトを紹介しましたが、今回は、それを少しアレンジして、異世界転生小説(なろう小説)を自動生成するプロンプトを紹介します。
生成AIモデルは、Claude 3.5 Sonnetを使用します。
1.プロンプト作成プロンプト
AIで高品質な小説を生成するには、ある程度複雑なプロンプトが必要ですが、いきなり複雑なプロンプトを作成するのは難しいため、前回同様にプロンプトを作成するためのプロンプトを用意します。
最初に、異世界転生小説(なろう小説)を書くための注意点をClaudeに教えてもらいます。
Claudeの回答は以下の通りです。
なろう小説を書くための注意点をいくつか挙げてみましょう:
キャッチーな導入部: 最初の数行で読者の興味を引くことが重要です。
魅力的な主人公: 読者が共感できる、あるいは憧れる主人公を創造しましょう。
明確な目標設定: 主人公が達成しようとする目標を早めに提示します。
ワクワクする展開: 予想外の展開や驚きの要素を盛り込みます。
適度な伏線: 後の展開につながる伏線を上手く配置しましょう。
魅力的な脇役: 主人公を引き立てる個性的な脇役も大切です。
世界観の構築: 独自の設定や法則がある世界を作り上げます。
テンポの良い文章: 読みやすく、スムーズな文章を心がけましょう。
クリフハンガー: 各章の終わりに次が気になる展開を用意します。
オリジナリティ: 既存の作品と差別化できる独自の要素を入れましょう。
これらの点に注意しながら執筆することで、より多くの読者を惹きつける可能性が高まります。さらに詳しい説明や具体例が必要でしたら、お知らせください。
(Claudeの回答はここまで)
👇「続けて」と入力するだけで無限になろう小説を書き続けるGPTs
上記の注意点を踏まえて、前回、SF小説を作成する際に使用したプロンプト作成プロンプトをなろう小説用に書き直してもらいます。
以下が、この修正によって作成したなろう小説を自動生成するプロンプトを作成するプロンプトです。
○ なろう小説を自動生成するプロンプトを作成するプロンプト
Claudeの回答を筆者が少し修正(4番目と5番目の条件を追加)しています。
前回同様、アウトラインの作成と章ごとの原稿の執筆の2段階で小説を作成する手法を採用しています。
2.2種類のプロンプト
上記のプロンプトをClaudeで実行すると、以下のような2種類のプロンプトが生成されます。
第1段階:アウトライン作成プロンプト
👇番号を選択するだけで簡単に好みの小説を作成するGPTs
第2段階:章ごとの原稿執筆プロンプト
3.アウトライン作成プロンプトの実行例
Claudeで上記のアウトライン作成プロンプトを実行した結果は以下の通りです。
どこかで聞いたようなタイトルですが、おそらく同じようなストーリーにはならないだろうと考えて、このまま進めます。
4.章ごとの原稿執筆プロンプトの実行例
Claudeで章ごとの原稿執筆プロンプトを実行した結果は以下の通りです。
第2章以降は、「なろう小説アウトラインに従って、第2章の原稿を書いて」のような簡単な指示で続きの原稿を生成してくれます。
第8章まで完成した内容は、以下の記事をご覧ください。スキル鑑定士の主人公が仲間と共に成長していく約1万4000字の異世界転生小説です。
5.テーマなどのアレンジ
(1) 「素手の格闘が強すぎる女性が武器屋になる」がテーマの異世界転生小説
① アウトラインの作成
○ 「鍛冶屋は拳で語る」アウトライン
② 章ごとの原稿の執筆
○ 第1章の原稿
○ 第2章の原稿
(2) 美しい薬屋の娘が主人公の異世界転生小説
① アウトラインの作成
○ 美しい薬屋の娘のアウトライン
② 章ごとの原稿の執筆
○ 第1章の原稿
○ 第2章の原稿
(3) ゴミ拾い師が主人公の異世界転生小説
① 職業の決定
Claudeの回答は以下の通りです。
なるほど、面白いテーマですね。「最弱の職業が実は最強」というコンセプトに合う、珍しくて一見弱そうだが実は可能性を秘めた職業をいくつか考えてみました:
ゴミ拾い師
虫の語り部
雲彫刻家
影縫い職人
夢収集家
風味音楽家
霧織り師
石ころ占い師
木の葉文字書き
空気清掃人
幽霊の友達
思い出修繕屋
感情調香師
時間の糸紡ぎ人
色彩味覚翻訳者
これらの職業について、少し掘り下げて説明しましょうか?それとも、これらの中から特に興味を持った職業があれば、その可能性や使い道についてさらに詳しく考えてみましょうか?
Claudeの回答は以下の通りです。
「ゴミ拾い師」という職業について、詳しく掘り下げてみましょう。一見すると最弱に思えるこの職業が、実は強力な可能性を秘めている理由を考えてみます:
情報収集能力:
リサイクルの魔術師:
浄化の力:
存在の薄さを活かしたスパイ活動:
因果応報の力:
環境との共鳴:
見えない世界とのつながり:
捨てられたものに宿る想いや記憶を読み取れる
幽霊や精霊など、通常は見えない存在と交流できる
このように、一見すると取るに足らない「ゴミ拾い師」という職業が、実は世界の秩序や隠された力と深くつながっている可能性があります。主人公がこれらの能力を徐々に発見し、成長していく過程を描くことで、読者を引き込む物語が作れるでしょう。
さらに詳しく掘り下げたい部分や、物語の展開についてアイデアが欲しければ、お聞かせください。
(Claudeの回答はここまで)
この回答結果を踏まえて、主人公の職業は「ゴミ拾い師」に決定しました。
② アウトラインの作成
○ なろう小説のアウトライン
③ 章ごとの原稿の執筆
○ 第1章の原稿
○ 第2章の原稿
○ 第3章の原稿
テーマを工夫すれば、小説のバリエーションはどんどん広がっていきます。色々なテーマを与えて、基本的なプロンプトをアレンジしてみてください。テーマを考えるときに、AIの助けを借りることもできます。面白いテーマを発見できれば、それを基にして、思いがけない傑作が誕生する可能性もあります。