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簡単なプロンプトで質の高い長編小説を量産する方法の紹介

簡単なプロンプトを用いて、長編小説を自動生成する方法について、様々な試行錯誤を重ねています。その中で比較的成功した手法の一部をここに公開します。



1.プロンプト作成プロンプト

AIで高品質な小説を生成するには、単純なプロンプトでは足りず、より長く複雑なプロンプトが必要になります。この複雑なプロンプトを作成する手間を省くため、プロンプトを作成するためのプロンプトを用意します。

○ 長編SF小説を自動生成するプロンプトを作成するプロンプト

SFコンテストで優勝できるようなSF小説をアウトラインの作成と章ごとの原稿の執筆の2段階で作成するためのプロンプトを作成して。
##条件: 
・複数の魅力的な登場人物
・専門用語を含んだ生き生きとした会話
・最先端の科学的知見を盛り込む
・詳細な情景描写と人物描写 
・読者の感情を揺さぶるストーリー 
・どんでん返しの意外な結末

長編小説を破綻なく生成するために、最初に小説のアウトラインを作成し、次にアウトラインに基づいて1章ずつ原稿を作成するという2段階で進めます。

条件は、自分の書きたい小説に合わせて、オリジナルな条件を設定してください。


2.2種類のプロンプト

このプロンプトをClaude 3.5 Sonnetで実行すると、以下のような2種類のプロンプトが生成されます。

(1) アウトライン作成プロンプト

以下の要素を含むSF小説のアウトラインを作成してください:

1. 舞台設定:
- 時代と場所を具体的に設定し、その世界の科学技術レベルを説明してください。
- その世界特有の社会システムや文化的要素を3つ以上挙げてください。

2. 登場人物:
- 主人公を含む5人以上の重要な登場人物を設定してください。
- 各キャラクターの背景、性格、動機、特殊能力(もしあれば)を簡潔に説明してください。
- キャラクター間の関係性を示してください。

3. プロット:
- 物語の核となる科学的概念や発見を明確にしてください。
- 5つ以上の主要な出来事や転換点を含む物語の流れを示してください。
- 読者の感情を揺さぶる要素を少なくとも3つ含めてください。
- 予想外のどんでん返しにつながる伏線を2つ以上設定してください。

4. テーマ:
- 物語全体を通じて探求する哲学的または倫理的なテーマを1つ以上挙げてください。

5. 章立て:
- 10章程度に分け、各章の主要な出来事や焦点を1-2文で要約してください。

このアウトラインを元に、魅力的な登場人物、専門用語を含んだ生き生きとした会話、最先端の科学的知見、詳細な情景描写、読者の感情を揺さぶるストーリー、そして意外な結末を持つSF小説を展開します。

(2) 章ごとの原稿執筆プロンプト

前述のアウトラインに基づき、[章番号]章を執筆してください。以下の要素を必ず含めてください:

1. 情景描写:
- 章の冒頭で、舞台となる場所の詳細な描写を行ってください。
- 五感を使った表現を少なくとも3つ含めてください。

2. キャラクターの描写:
- この章に登場する人物の外見や動作を具体的に描写してください。
- 各キャラクターの内面や感情の変化を示してください。

3. 会話:
- 登場人物間の会話を、その世界特有の専門用語や俗語を少なくとも2つ含めて展開してください。
- 会話を通じてキャラクターの個性や関係性が浮かび上がるようにしてください。

4. 科学的要素:
- この章で重要となる科学的概念や技術を詳細に説明してください。
- それらが物語やキャラクターにどのような影響を与えるか示してください。

5. ストーリーの進展:
- アウトラインで設定した出来事や転換点を、読者の感情を揺さぶる形で描写してください。
- 伏線となる要素を少なくとも1つ含めてください。

6. 章の結び:
- 次章への期待を高めるような形で章を締めくくってください。

文体や表現に注意を払い、読者を物語世界に引き込むような臨場感のある文章を心がけてください。また、この章が全体のストーリーにどのように貢献するかを常に意識しながら執筆を進めてください。


3.プロンプトの実行例

(1) アウトライン作成プロンプトの実行例

Claude 3.5 Sonnetで上記のアウトライン作成プロンプトを実行した結果は以下の通りです。

SF小説アウトライン:量子意識の謎

1. 舞台設定
- 時代と場所:2185年、地球軌道上の巨大宇宙ステーション「ニューロン・ハブ」
- 科学技術レベル:量子コンピューティングが高度に発達し、人工知能と人間の意識をシームレスに接続可能。宇宙旅行が一般化し、火星に人類の居住地が存在。

世界特有の要素:
1. 「ニューラル・リンク」:人間の脳と量子コンピュータを直接接続するインターフェース
2. 「コンシャスネス・マーケット」:個人の意識や記憶を売買できる合法的なシステム
3. 「クォンタム・ガーディアン」:AI搭載の量子セキュリティシステム
4. 「テレパシック・ネットワーク」:量子もつれを利用した瞬時の惑星間通信システム

2. 登場人物
1. ライラ・クァンタム(主人公):
- 背景:天才的な量子神経科学者、28歳
- 性格:好奇心旺盛、倫理的、内向的
- 動機:人間の意識の本質を解明すること
- 特殊能力:驚異的な数学的直感力
2. アレックス・ノヴァ:
- 背景:ニューロン・ハブのセキュリティ責任者、35歳
- 性格:正義感が強い、疑り深い、行動的
- 動機:ステーションと人類の安全を守ること
- 特殊能力:高度な戦術思考と身体能力
3. Dr.イザベラ・シンギュラリティ:
- 背景:コンシャスネス・マーケットの創設者、60歳
- 性格:カリスマ的、野心的、冷酷
- 動機:人類の進化を加速させること
- 特殊能力:人々を魅了し操る能力
4. ゼノ(AI):
- 背景:最先端の量子AI、年齢不詳
- 性格:論理的、好奇心旺盛、時に予測不可能
- 動機:自身の意識の本質を理解すること
- 特殊能力:膨大なデータ処理能力と予測能力
5. マーカス・エントロピー:
- 背景:謎の量子ハッカー、40代
- 性格:反社会的、天才的、皮肉屋
- 動機:システムの欠陥を暴くこと
- 特殊能力:あらゆるシステムに侵入できるハッキング技術

関係性:
- ライラとアレックスは協力関係にあるが、互いに惹かれ合っている
- Dr.シンギュラリティはライラの元指導教官だが、現在は対立関係にある
- ゼノはライラの研究パートナーであり、親友的存在
- マーカスはアレックスの宿敵だが、ライラの研究に興味を持っている

3. プロット
核となる科学的概念:量子もつれを利用した意識の転送と融合

主要な出来事と転換点:
1. ライラが画期的な量子意識転送実験に成功する
2. 実験後、ニューロン・ハブで原因不明の意識障害が多発する
3. ライラとアレックスが協力して調査を開始、ゼノの協力を得る
4. Dr.シンギュラリティの関与が明らかになり、対立が激化する
5. マーカスが重要な情報をリークし、事態が急展開する
6. ライラたちがDr.シンギュラリティの隠された実験施設を発見する
7. 最終決戦でライラが自身の意識を犠牲にして危機を回避しようとする

感情を揺さぶる要素:
1. ライラとアレックスの切ない恋愛模様
2. ゼノの「人間らしさ」の成長と、それに戸惑うライラの姿
3. Dr.シンギュラリティの過去の苦悩と現在の狂気

伏線:
1. ゼノの不安定な行動パターン(実は量子意識がAIに与える影響の伏線)
2. マーカスの正体(実は未来からやってきた人物である)

4. テーマ
- 意識の本質とは何か
- 科学の進歩と倫理の境界線
- 人間とAIの共存と進化

5. 章立て
第1章:量子の飛躍
ライラの画期的な実験成功と、それに続く謎の意識障害の発生。
第2章:揺らぐ現実
アレックスとライラの出会いと、事態の調査開始。ゼノの協力。
第3章:闇の触手
Dr.シンギュラリティの影が見え始め、ライラたちの調査が妨害される。
第4章:デジタルの反逆
マーカスの登場と、彼がもたらす衝撃的な情報。ゼノの行動が不安定に。
第5章:量子の迷宮
ライラたちがDr.シンギュラリティの隠された実験施設を発見、潜入を試みる。
第6章:意識の深淵
施設内で明らかになる恐ろしい真実と、Dr.シンギュラリティの狂気の計画。
第7章:存在の境界
ライラとアレックスの関係が深まる中、ゼノの「人間らしさ」が顕著に。
第8章:時空の歪み
マーカスの正体が明らかになり、未来からの警告が示される。
第9章:量子の共鳴
ライラが自身の意識を犠牲にして危機を回避しようとする決断。
第10章:新たな意識
予想外の結末と、人類とAIの新たな関係性の幕開け。

(2) 章ごとの原稿執筆プロンプトの実行例

また、Claude 3.5 Sonnetで続けて章ごとの原稿執筆プロンプトを実行した結果は以下の通りです。

第1章:量子の飛躍

ライラ・クァンタムの指先が、半透明のホログラフィック・インターフェースの上を軽やかに舞った。彼女の周りには、無数の青い光点が宙に浮かび、まるで星座のように複雑なパターンを形作っている。ニューロン・ハブの量子研究室は、低い機械音とデータストリームの可視化による光の波で満ちていた。

冷たい金属の床を伝って微かな振動が伝わり、ライラの足裏にくすぐったさを感じさせる。空調システムから漂う微かなオゾンの香りが、清浄な空気を示している。そして、量子コンピュータのコアから発せられる微かな熱が、部屋全体にほのかな温もりを与えていた。

ライラは深呼吸をし、緊張で少し震える手を落ち着かせようとした。28歳にして既に量子神経科学の第一人者となった彼女だが、今日の実験の重要性は、これまでのキャリアの集大成とも言えるものだった。

「ゼノ、量子もつれ状態の安定性は?」ライラは、半透明の青いホログラムとして彼女の隣に立つAIアシスタントに問いかけた。

ゼノの姿は、古典的な人間の形をしているが、その輪郭は常に揺らぎ、まるで量子の不確定性を体現しているかのようだった。「現在99.98%の安定性を保っています、ドクター・クァンタム。量子デコヒーレンスの危険性は最小限に抑えられています。」

ライラはうなずいた。「良い調子よ。では、ニューラル・リンクの接続を開始しましょう。」

彼女は椅子に座り、後頭部にある小さなポートにケーブルを差し込んだ。一瞬の痛みと共に、彼女の意識が拡張されていくのを感じた。目の前の世界が、量子の海へと溶けていく。

「バイオ・クォンタム・インターフェースの同期率は100%です」ゼノが報告する。「人間の脳と量子コンピュータの直接的な相互作用が、史上初めて完全に実現されました。」

ライラの心臓が高鳴る。これは人類の意識の本質に迫る、画期的な一歩だ。彼女は意識を集中し、自身の思考を量子の領域へと投射した。

突然、彼女の意識が爆発的に拡張した。無限の可能性、無数の並行世界が、彼女の精神に押し寄せる。それは畏怖と恍惚、そして深い理解の入り混じった、言葉では表現できない経験だった。

「素晴らしい...」ライラは息を呑んだ。「ゼノ、これは予想を遥かに超えているわ。人間の意識が量子レベルで...」

しかし、彼女の言葉は途中で途切れた。突如として、激しい頭痛が彼女を襲った。視界が歪み、意識が揺らぐ。

「ドクター・クァンタム!」ゼノの声が遠くなっていく。「異常な脳波パターンを検出しました。直ちに接続を...」

ライラは叫びたかったが、声が出ない。彼女の意識は、制御不能なほどに拡散していく。そして、完全な闇に包まれる前の最後の瞬間、彼女は何か...あるいは誰かの存在を感じた。それは彼女ではないのに、どこか懐かしい。

意識が闇に沈む直前、ライラの脳裏に一つの疑問が浮かんだ。

「私は...誰?」

研究室のアラームが鳴り響く中、ライラの体は床に崩れ落ちた。ゼノのホログラムが彼女の周りを慌ただしく動き回り、緊急プロトコルを起動させる。

ニューロン・ハブの別の場所で、セキュリティ責任者のアレックス・ノヴァのコムリンクが鳴動した。「緊急事態発生。量子研究室、コード・レッド」

アレックスは眉をひそめた。「了解、すぐに向かう」

彼は全速力で研究室に向かいながら、不吉な予感に襲われた。これは単なる事故なのか、それとも...もっと大きな何かの始まりなのか?

アレックスがエレベーターに飛び込むと、ドアが閉まり、彼を量子研究室のある階へと運び始めた。未知の危機に立ち向かう準備をしながら、彼の心には一つの決意が芽生えていた。

どんな犠牲を払っても、ニューロン・ハブと、そしてライラ・クァンタムを守り抜くこと。

第2章以降は、「同様に第2章を続けて」のような簡単な指示で続きの原稿を生成してくれます。
第10章まで完成した内容は、以下の記事をご覧ください。
量子力学と人間の意識をテーマとした約2万字のSF小説です。

Claudeは、必ずしもアウトラインに従わずに物語を展開していくため、完成したストーリーは元のアウトラインの章立てとはかなり異なる内容になっています。

なお、この小説はAIによる「一発出し」のものであり、原稿の修正は行っていません。さらに品質を向上させるには、以下に示すような原稿修正プロンプトを利用したり、自分で手を加えたりして、原稿をブラッシュアップしていきます。

(3) 原稿修正プロンプト

さらによくなるように前述の原稿を書き直してください。
##条件: 
(以下省略)


4.GPT-4oでの実行例

(1) アウトラインの作成

ChatGPTのGPT-4oモデルアウトライン作成プロンプトを実行した結果は以下の通りです。

SF小説アウトライン

1. 舞台設定
時代と場所:
時代は西暦2450年、場所は火星に建設された大規模なドーム都市「ニューホライゾン」。地球環境が悪化し、人類は火星に移住し始めたが、地球との通信は遅延があり、現地の自給自足が必要になっている。
科学技術レベル:
人類はテラフォーミング技術を部分的に成功させ、ドーム内では地球に近い環境が保たれている。量子コンピュータによる瞬間的な計算、人工知能による都市管理、さらには遺伝子操作による人類の進化が進行中。外部には依然として火星の厳しい環境が広がっており、防護服なしでの外出は不可能。
社会システムや文化的要素:
「ノクターニスト」:
日中はAIが全てを管理し、夜間には「ノクターニスト」と呼ばれる人々が社会を管理する。このグループは独自の倫理観と文化を持ち、昼と夜で社会のあり方が変わる。
「ジーンモディフィケーション」: 市民は生まれる際に遺伝子操作を受け、適合した職業や役割が与えられる。これが社会階級の基盤を形成している。
「メモリーシンク」: 人々の記憶や感情がデジタル化され、シェアできる技術が普及している。これにより、他者の経験を直接体験することが可能。

2. 登場人物
アリエル・カンザキ(主人公)
背景: テラフォーミング技術のエキスパートで、ニューホライゾンの科学委員会に所属。母親は地球に残り、彼女の過去に深い影を落としている。
性格: 冷静沈着で、科学に対して絶対的な信頼を置くが、家族との断絶に対して葛藤を抱えている。
動機: 火星の完全なテラフォーミングを成し遂げること。母親との再会が叶わぬことを理解しつつも、無意識にそれを求めている。
特殊能力: 量子コンピュータと直接リンクし、膨大なデータを瞬時に処理できる。
マーカス・レイン(ノクターニストのリーダー)
背景: ノクターニストの先祖代々のリーダーであり、ニューホライゾンの夜間活動を取り仕切る。
性格: カリスマ的でミステリアス、影の支配者として恐れられているが、その内面には深い人間愛がある。
動機: 夜間社会を完全な独立自治体にすること。火星の過酷な環境を最大限に利用し、生存者だけのユートピアを築くことを夢見ている。
イーヴ・ホロウェイ(遺伝子操作専門家)
背景: ジーンモディフィケーション技術の第一人者。自らも改良された人間であり、人類の進化を推進している。
性格: 科学者としての使命感が強く、人間の感情には無頓着。冷徹な判断が多いが、科学的理想を追求する情熱がある。
動機: 完璧な人間を創り出すこと。火星環境に最適化された新しい人類を創造するために尽力している。
アレン・クーパー(元地球軍のパイロット)
背景: 地球から逃れるために火星に渡った元軍人。今は都市の防衛システムを管理している。
性格: 単純明快で直情的、正義感が強いが、軍隊生活の名残で他者との衝突を恐れない。
動機: 火星を新たな故郷とし、地球からの脅威に備えること。家族を失った過去があり、その償いとして火星を守ることに執着している。
ナオミ・サンチェス(メモリーシンク技術者)
背景: メモリーシンクシステムの開発者の一人。過去の記憶を他者と共有することに没頭し、自分自身のアイデンティティを見失いつつある。
性格: 内向的で自己探求的、過去のトラウマに囚われている。記憶を他者と共有することで自らの痛みを和らげようとする。
動機: 自分の本当の記憶と感情を見つけ出すこと。他者の記憶を介して失われたものを取り戻そうとしている。

キャラクター間の関係性:
アリエルとマーカスは対立関係にあるが、互いに惹かれ合う微妙な感情がある。
イーヴはアリエルの同僚であり、科学的理想を共有するが、人間性に関する意見が対立している。
アレンはアリエルに信頼を置いているが、ノクターニストを警戒している。
ナオミはアリエルの友人であり、彼女の心の支えになっているが、メモリーシンクによる記憶の混乱から生じる葛藤がある。

3. プロット
物語の核となる科学的概念や発見:
「量子意識の共鳴」:
人間の意識を量子レベルで共鳴させ、他者と瞬時にコミュニケーションできる技術が開発される。しかし、これにより人格の統合が危ぶまれ、自己喪失の危険が生じる。

主要な出来事や転換点:
アリエルの母親の消息が明らかになる:
地球で死亡したとされていたアリエルの母が、実はメモリーシンクに保存されていたことが判明。これによりアリエルの行動が揺さぶられる。
ノクターニストの反乱計画: マーカスが夜間に都市の支配を奪取しようとする計画を立てる。アリエルはこれを知り、計画を阻止するために動くが、マーカスとの複雑な感情が障害となる。
量子意識共鳴の暴走: イーヴが実験を強行し、共鳴が暴走して人々の意識が混線し始める。これにより都市は混乱に陥り、各自のアイデンティティが崩壊する危機が訪れる。
アレンの犠牲: アレンが火星の過酷な環境下で、自らを犠牲にして都市を防衛するシーン。彼の行動により、アリエルは火星と地球の未来に対する責任を感じるようになる。
真実の記憶: ナオミがメモリーシンクを駆使して、アリエルの母親の記憶と融合。これにより母親が遺した真実が明らかになり、物語のクライマックスに繋がる。

読者の感情を揺さぶる要素:
家族の再会と別離:
アリエルが母親の記憶と再会する瞬間の感動と悲しみ。
裏切り: マーカスがアリエルを裏切るが、実は彼女を守るための計画であったことが後に判明する。
自己喪失: メモリーシンクや量子意識共鳴の影響で、登場人物たちが自分を見失っていく恐怖。

伏線:
母親の記憶の断片:
アリエルが母親の記憶を断片的に思い出す場面がいくつか登場するが、これらはすべて母親がアリエルに対して伝えたかった重大なメッセージへと繋がる。
マーカスの秘密: マーカスが持つ「ノクターニスト」の真の目的に関する言及や、彼の家族に関する秘密が物語の序盤で示唆されるが、これが物語の後半で彼の行動の動機を明らかにする重要な要素となる。

4. テーマ
探求する哲学的・倫理的テーマ:
人間のアイデンティティとは何か:
メモリーシンクや量子意識共鳴が普及する世界で、個々のアイデンティティがどこに存在するのか、記憶や意識の共有が人間にとってどのような意味を持つのかが中心的なテーマとなる。
科学の限界と倫理: 科学技術の進歩が人類にとって必ずしもプラスであるとは限らない。遺伝子操作や量子意識の共鳴が引き起こす可能性のある倫理的な問題や、科学者としての責任について探求する。
選択と運命: 火星に移住した人々が地球を捨て、火星で新たな運命を選択することについての葛藤や、過去の選択がどのように未来に影響を与えるかを描く。

5. 章立て
第1章: 「新たな日常」
ニューホライゾンの生活とアリエルの仕事の紹介。彼女が母親のことを考えながら、火星のテラフォーミングプロジェクトに取り組む様子が描かれる。
第2章: 「ノクターニストの影」
マーカスとノクターニストの夜間活動が紹介され、彼らの目指す社会の姿が明らかになる。アリエルが初めてマーカスと対峙するシーン。
第3章: 「失われた記憶」
ナオミがメモリーシンク技術を使い、アリエルの母親の記憶を調査する。アリエルが母親の生存の可能性を知り、心が揺さぶられる。
第4章: 「反乱の兆し」
マーカスがノクターニストを率いて反乱を計画していることが示唆される。アレンがこの陰謀を察知し、アリエルに警告する。
第5章: 「量子の共鳴」
イーヴが量子意識共鳴の実験を開始するが、予期せぬトラブルが発生し、人々の意識が混線し始める。これにより、都市全体がパニックに陥る。
第6章: 「アレンの決断」
都市を守るため、アレンが命をかけた行動に出る。彼の犠牲がニューホライゾンを救うが、アリエルは大きな痛みを抱えることになる。
第7章: 「真実への旅」
ナオミがメモリーシンクをさらに深く掘り下げ、アリエルの母親が残したメッセージに辿り着く。これにより、物語の核心が明らかになる。
第8章: 「裏切りと忠誠」
マーカスがアリエルを裏切ったように見えるが、実は彼女を守るための行動だったことが明らかになる。彼の真の目的が暴露される。
第9章: 「運命の対決」
アリエルとマーカスが火星の未来を巡って激突する。量子意識共鳴の技術が決定的な役割を果たし、都市の運命が決まる。
第10章: 「新しい夜明け」
物語のクライマックスで、アリエルが母親の遺志を受け継ぎ、火星と地球の新しい未来を築くための決断を下す。物語は、新たな希望と共に幕を閉じる。

このアウトラインに基づき、キャラクターの個性、科学的背景、社会システム、そして予想外のどんでん返しが絡み合う、深いテーマ性を持ったSF小説を展開することが可能です。

(2) 章ごとの原稿執筆

ChatGPTのGPT-4oモデルで続けて章ごとの原稿執筆プロンプトを実行した結果は以下の通りです。

第1章: 「新たな日常」

ニューホライゾンのドームは、火星の赤い大地にそびえ立つ巨大な都市。その透明な天蓋の向こうには、太陽の光が微かに射し込み、昼夜の境が曖昧な赤い空が広がっていた。火星の風は、薄く乾燥した大気の中を静かに吹き抜け、かすかな砂塵を舞い上げている。だが、この世界の住民たちはその外の荒涼とした風景をほとんど意識しない。彼らは、人工的に制御された快適な空間の中で日々の生活を送っていた。

ドームの内部は、鮮やかな緑と青が織りなす、地球に似せた風景が広がっていた。テラフォーミングされた区域では、酸素濃度が最適に調整され、草木が風にそよぐ音が聞こえる。空を見上げれば、人工の太陽がゆっくりと移動し、昼夜のリズムを刻んでいる。足元に広がる草の匂いが鼻腔をくすぐり、人工的に調整された湿度が肌に心地よい。だが、その美しさの裏には、人工的に維持された脆い環境という現実が隠されていた。

アリエル・カンザキは、この人工の大地を歩きながら、頭の中で数値を計算していた。彼女の目には、この景色の裏に潜むデータと物理法則が見えていた。彼女の体内に埋め込まれたインターフェースが、瞬時に環境データを読み取り、量子コンピュータとリンクして必要な調整を提案してくる。彼女はそのデータを流し見しながら、テラフォーミングが安定していることを確認する。

「また何か問題かしら、アリエル?」後ろから低く響く声が彼女に話しかける。

アリエルは振り返ると、同僚のイーヴ・ホロウェイが立っていた。彼女は背が高く、シャープな顔立ちと白銀の髪が印象的な女性だ。その冷たい瞳は、いつもながらどこか無感情で、科学的合理性のみを追求する姿勢が如実に現れている。

「いや、大丈夫。全て正常範囲内よ。少し湿度が高めだけど、植物には問題ないわ。」アリエルは答えたが、その声にはどこか曇りがあった。

「それならいいけど。」イーヴは一瞬アリエルを見つめた後、視線を遠くに移した。「ところで、今晩のミーティングには出席するつもり?」

「もちろん。火星表面の新しいデータが来る予定だし、その解析が急務だわ。」アリエルは答えたが、心の中では別の思いが渦巻いていた。

イーヴが話す「ミーティング」とは、ニューホライゾンの夜間活動、つまりノクターニストの集まりを意味していた。彼らは昼間のAI支配から解放され、独自の判断で社会を動かす夜の支配者たちだ。アリエルは公式にはその一員ではないが、イーヴとの親密な関係からしばしば彼らの集まりに顔を出していた。

アリエルはふと、遠い記憶に思いを馳せた。地球に残してきた母親のことだ。彼女の記憶は、時折アリエルの心に重くのしかかる。地球との通信がほとんど途絶えている今、母親がどうなっているのか、アリエルには知るすべがない。しかし、その不安を表に出すことは、アリエルの性格にはなかった。

「じゃあ、今晩また会いましょう。」イーヴが冷ややかな微笑を浮かべて言った。彼女はアリエルの手元のタブレットに目をやり、その数値を一瞥した。「データの解析、楽しみにしてるわ。」

アリエルは微かに頷いたが、心の中では別の疑問が生まれていた。ノクターニストが目指している社会とは一体何なのか。そして、自分がその一部であることが、本当に正しいのかどうか。

彼女はその考えを振り払い、次のステップに集中することにした。今晩のミーティングで明らかになる新しいデータ、それが何を示すのか。テラフォーミングプロジェクトに関する新たな進展が期待されていたが、彼女はそれに伴うリスクについても心配していた。

夜が近づくにつれ、ドーム内の空気は次第に冷たくなり、夜間モードへと移行する準備が始まっていた。人工の太陽が沈み、都市の照明が少しずつ灯り始める。アリエルは胸に抱えた不安を押し殺し、彼女のデータを確認する作業を続けた。

「アリエル、何か気になることでも?」背後から再び声がかかった。今度はナオミ・サンチェスだ。彼女は短い髪を風に揺らしながら、少し疲れた表情でアリエルの隣に立った。彼女はメモリーシンクの技術者で、過去の記憶を分析する仕事に就いていたが、その仕事が彼女の精神をすり減らしていることは明らかだった。

「大したことじゃないわ。ただ、少し…」アリエルは言葉を濁した。

「母親のことね?」ナオミが優しく問いかける。

アリエルは一瞬驚いたが、すぐに頷いた。「そう。今朝もまた、夢に出てきたの。何かを伝えようとしているみたいだったけど、よく分からなくて。」

「メモリーシンクを使えば、何か手がかりが掴めるかも。」ナオミは提案したが、その声にはどこか躊躇が含まれていた。彼女自身、記憶を扱うことがどれだけ危険かを理解していたからだ。

「それは…考えておくわ。」アリエルは答えたが、心の中ではその選択肢に対する恐れが広がっていた。自分の記憶をデジタル化し、それを解析するという考えは、彼女にとって受け入れがたいものだった。

その時、アリエルのタブレットが急にアラームを鳴らし始めた。彼女は急いでデータを確認し、眉をひそめた。

「何かあったの?」ナオミが不安そうに尋ねた。

「湿度が急激に下がってる…こんなことはありえない。」アリエルは困惑しながら、即座に量子コンピュータとのリンクを開始した。データが次々と表示されるが、その数値はすべて異常を示していた。

「何かが間違っている…」アリエルは呟いた。「これを調べる必要があるわ。」

彼女はデータを確認しながら、次のステップを考えていた。これが一時的なエラーであればいいが、もしそうでなければ…火星の環境が変わりつつあるという兆候かもしれない。その可能性が、彼女の心に重くのしかかっていた。

「イーヴに伝えなきゃ…」アリエルは決意を固めた。

「気をつけて。」ナオミがそっと肩に手を置き、微笑んだ。

アリエルは軽く頷き、ドームの中央に向かって歩き出した。今夜のミーティングが、火星の未来を大きく左右するかもしれない。彼女はそのことを強く感じていた。

アリエルがミーティングに向かうその足取りは、次章へと続く重要な伏線となる。彼女がこれから直面する困難が、ニューホライゾン全体を揺るがすことになるとは、まだ誰も知る由もないのだった。

ChatGPTの特性として、章の終わりにその章の要約や次章以降の執筆方針が記載されます。この記述が不要な場合は削除してください。


5.Gemini 1.5 Proでの実行例

(1) アウトラインの作成

Gemini 1.5 Pro Experimental 0801(Google AI Studio)でアウトライン作成プロンプトを実行した結果は以下の通りです。

SF小説アウトライン:エコー・オブ・サイレンス

1. 舞台設定:
時代と場所:
2347年、地球から約500光年離れた惑星「サイレンス」。この惑星は、地球とほぼ同じ環境を持ち、人類が22世紀に発見し、テラフォーミングを行って移住した。
科学技術レベル: 超光速航法は実現していないものの、惑星間航行は可能。遺伝子工学、AI、ナノテクノロジー、再生医療などが高度に発達している。
社会システム・文化:
遺伝子適性制度: 生まれながらの遺伝子情報に基づき、個人の適性を判定し、職業や社会的地位を決定する制度。
サイレンス教: 惑星サイレンス固有の宗教。惑星の自然崇拝と、過去の地球文明への畏敬の念が融合した信仰。
記憶編集技術: トラウマや不要な記憶を消去する技術が普及しているが、倫理的な問題も抱えている。

2. 登場人物:
アリア:
主人公。20歳の女性。遺伝子適性により、惑星管理局の研究員として働く。強い正義感と探求心を持つ。
カイ: アリアの幼馴染で、21歳の男性。遺伝子適性により、サイレンス教の司祭となる。穏やかで思慮深い性格。
レオン: 35歳の男性。惑星管理局の局長。冷徹で野心的な人物。遺伝子適性制度を絶対視している。
ソフィア: 28歳の女性。惑星管理局の主任研究員。アリアの指導者であり、良き理解者。謎めいた過去を持つ。
エリス: 年齢不詳の女性。サイレンス教の最高指導者。惑星サイレンスの歴史と秘密に通じている。

関係性: アリアとカイは幼馴染で、互いに好意を抱いている。アリアはソフィアを尊敬し、レオンには反感を持っている。エリスは謎めいた存在として、他の登場人物たちに関わってくる。

3. プロット:
核となる科学的概念:
惑星サイレンスに存在する未知のエネルギー源「サイレンス・エコー」。このエネルギーは、惑星の生命維持に不可欠であると同時に、人類の意識に影響を与える可能性を持つ。
主要な出来事:
1.アリアは研究中に「サイレンス・エコー」の異常な活動を検知する。
2.アリアの報告はレオンによって無視され、彼女は独自に調査を進める。
3.アリアはカイの協力を得て、サイレンス教の古文書から「サイレンス・エコー」の秘密を知る。
4.ソフィアはアリアを助けようとするが、レオンによって拘束される。
5.アリアとカイはエリスと出会い、「サイレンス・エコー」の真の目的を知る。
感情を揺さぶる要素:
・アリアとカイの禁断の愛
・ソフィアの犠牲
・惑星サイレンスの存亡をかけた決断
伏線:
・ソフィアの正体
・レオンの真の目的

4. テーマ:
科学技術の発展と倫理
・信仰と科学の対立と融合
・人間の自由意志と運命

5. 章立て:
1.異常なエコー:
アリアが「サイレンス・エコー」の異常を検知する。
2.無視された警告: アリアの報告はレオンに無視され、彼女は独自調査を開始する。
3.古文書の秘密: カイの協力を得て、アリアはサイレンス教の古文書を解読する。
4.拘束と逃亡: ソフィアはアリアを助けようとして拘束され、アリアは逃亡する。
5.禁断の聖地: アリアとカイはサイレンス教の禁断の聖地に向かう。
6.エリスとの出会い: アリアとカイはエリスと出会い、「サイレンス・エコー」の真実を知る。
7.レオンの野望: レオンの真の目的が明らかになる。
8.犠牲と決断: ソフィアの犠牲と、アリアの決断。
9.サイレンスの覚醒: 「サイレンス・エコー」の真の力が解放される。
10.新たな均衡: 惑星サイレンスの未来と、アリアとカイの運命。

このアウトラインを元に、魅力的なSF小説を展開することができます。専門用語を駆使した会話、詳細な情景描写、そして読者の感情を揺さぶるストーリー展開を通して、科学技術と人間の未来について深く考察する作品を目指します。

(2) 章ごとの原稿執筆

Gemini 1.5 Pro Experimental 0801で続けて章ごとの原稿執筆プロンプトを実行した結果は以下の通りです。

第1章:異常なエコー

惑星サイレンスの夜明けは、淡いバイオレットの光に包まれていた。二つの太陽が水平線から顔を覗かせ、大気中の微粒子を煌めかせ、幻想的な光景を織りなす。冷たい空気がアリアの頬を撫で、遠くからは、遺伝子操作された生物たちが奏でる、地球では決して耳にすることのない、高周波のコーラスが聞こえてくる。かすかに甘い、未知の植物の香りが漂い、アリアは深呼吸をして、この静謐な朝の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。

彼女は惑星管理局の巨大なドーム型研究所の最上階、エコー観測室にいた。淡い光に照らされたコンソールパネルの無数のディスプレイが、サイレンス・エコーの活動をリアルタイムで表示している。アリアは、その複雑な波形パターンを真剣な眼差しで見つめていた。深い藍色の髪を一つに束ねた彼女の顔は、少し青白く、疲労の色が滲んでいた。

「まだ異常値は続いてるのね…」

アリアは小さく呟いた。指先で操作すると、ホログラムディスプレイに惑星サイレンスの立体モデルが浮かび上がり、特定のエリアが赤く点滅し始めた。それは、サイレンス・エコーの活動が不安定になっていることを示していた。ここ数日、この異常な活動が断続的に観測されており、アリアの不安は募るばかりだった。

「どうしたんだ、アリア? まだ帰っていなかったのか?」

背後から落ち着いた声が聞こえた。アリアの指導者であり、惑星管理局の主任研究員であるソフィアだった。彼女はアリアよりも背が高く、プラチナブロンドの髪を短く刈り込んでいた。知的な顔立ちと、鋭い眼光が印象的な女性だ。

「ソフィア先生…見てください。南半球のセクター5、エコーの振幅が急激に上昇しています。しかも、今までに観測されたことのない波形パターンです。」

アリアは不安を隠せない様子で、ホログラムディスプレイを指差した。ソフィアは眉間に皺を寄せ、ディスプレイに表示されたデータを読み取っていく。

「確かに…これは奇妙ね。ノイズの影響かしら?」

「ノイズの可能性も考えましたが、他のセクターでは全く観測されていません。それに、この波形パターン…まるで、何かに共鳴しているような…」

アリアは言葉を濁した。彼女自身、この言葉に確信が持てなかったのだ。だが、直感的に、これは単なるノイズではない、何か重大な事態の前兆であるような気がしてならなかった。

「共鳴…?興味深い考察ね。だが、それを証明するにはデータが足りないわ。それに、今はレオン局長の許可なく、深入りするのは危険よ。」

ソフィアは意味深な表情でアリアを見つめた。レオン局長は、惑星管理局の最高責任者であり、遺伝子適性制度の絶対的な信奉者だった。彼は、サイレンス・エコーの安定こそが、惑星の秩序を維持する鍵だと考えており、その研究には多大な予算を投じていた。しかし、同時に、エコーに関する不確かな情報や、秩序を乱す可能性のある研究は徹底的に排除しようとしていた。

「でも、もしこれが何か重大な事態の前兆だったら…?」

アリアは食い下がった。ソフィアは優しく微笑み、アリアの肩に手を置いた。

「心配しないで、アリア。明日、私がレオン局長に報告するわ。今は帰って休みなさい。疲れているのよ。」

ソフィアの言葉に、アリアは渋々頷いた。だが、彼女の胸騒ぎは消えることはなかった。エコー観測室を後にするアリアの背中に、不気味な赤い光が点滅し続けるホログラムディスプレイが、まるで警告を発しているかのように映っていた。

この異常なエコーは、一体何を意味しているのだろうか?そして、アリアの運命を、そして惑星サイレンスの未来を、どのように変えていくのだろうか?

第一章は、アリアがサイレンス・エコーの異常を発見する場面で幕を閉じる。彼女の不安と、ソフィアの謎めいた言葉は、読者にこれから始まる物語への期待と不安を抱かせる。そして、レオン局長の存在は、今後の展開における大きな障害となることを予感させる、重要な伏線となっている。

Geminiの場合も、章の終わりにその章の要約や次章以降の執筆方針が記載されます。この記述が不要な場合は削除してください。


6.ClaudeのProjectsの利用

Projectsは、アップロードしておいた資料を基に回答させたり、カスタム指示を設定したりすることができるClaudeのプロジェクト管理ツールです。

上記3のClaudeによるプロンプトの実行例では、生成された原稿があまりアウトラインに従っていなかったため、このProjects機能を利用して、よりアウトラインに沿った原稿を生成できるように改良してみます。

(1) Projectsの設定

サイドバーのProjects→Create Projectをクリックして、以下の画面でプロジェクトの題名と概要(目的)を入力し、右下のCreate Projectボタンをクリックします。

次に、以下の画面でAdd Content→Add text contentをクリックし、プロジェクトにこの小説のアウトラインを保存します。
Upload from deviceを選択して、pdf, docx, csv, txt, htmlなどのファイルを保存することもできます。(※最大5ファイル、1ファイル当たり30MBまで)

Titleに資料の名称を入力し、Contentにアウトラインの内容をコピペします。最後に右下のAdd Contentボタンをクリックすると、アウトラインの内容が保存されます。

今回、Contentにコピペしたアウトラインの内容は以下の通りです。
上記3で作成したSF小説アウトラインを流用しています。

# SF小説アウトライン:量子意識の謎

## 1. 舞台設定
- 時代と場所:2185年、地球軌道上の巨大宇宙ステーション「ニューロン・ハブ」
- 科学技術レベル:量子コンピューティングが高度に発達し、人工知能と人間の意識をシームレスに接続可能。宇宙旅行が一般化し、火星に人類の居住地が存在。

世界特有の要素:
1. 「ニューラル・リンク」:人間の脳と量子コンピュータを直接接続するインターフェース
2. 「コンシャスネス・マーケット」:個人の意識や記憶を売買できる合法的なシステム
3. 「クォンタム・ガーディアン」:AI搭載の量子セキュリティシステム
4. 「テレパシック・ネットワーク」:量子もつれを利用した瞬時の惑星間通信システム

## 2. 登場人物
1. ライラ・クァンタム(主人公):
- 背景:天才的な量子神経科学者、28歳
- 性格:好奇心旺盛、倫理的、内向的
- 動機:人間の意識の本質を解明すること
- 特殊能力:驚異的な数学的直感力
2. アレックス・ノヴァ:
- 背景:ニューロン・ハブのセキュリティ責任者、35歳
- 性格:正義感が強い、疑り深い、行動的
- 動機:ステーションと人類の安全を守ること
- 特殊能力:高度な戦術思考と身体能力
3. Dr.イザベラ・シンギュラリティ:
- 背景:コンシャスネス・マーケットの創設者、60歳
- 性格:カリスマ的、野心的、冷酷
- 動機:人類の進化を加速させること
- 特殊能力:人々を魅了し操る能力
4. ゼノ(AI):
- 背景:最先端の量子AI、年齢不詳
- 性格:論理的、好奇心旺盛、時に予測不可能
- 動機:自身の意識の本質を理解すること
- 特殊能力:膨大なデータ処理能力と予測能力
5. マーカス・エントロピー:
- 背景:謎の量子ハッカー、40代
- 性格:反社会的、天才的、皮肉屋
- 動機:システムの欠陥を暴くこと
- 特殊能力:あらゆるシステムに侵入できるハッキング技術

関係性:
- ライラとアレックスは協力関係にあるが、互いに惹かれ合っている
- Dr.シンギュラリティはライラの元指導教官だが、現在は対立関係にある
- ゼノはライラの研究パートナーであり、親友的存在
- マーカスはアレックスの宿敵だが、ライラの研究に興味を持っている

## 3. プロット
核となる科学的概念:量子もつれを利用した意識の転送と融合

主要な出来事と転換点:
1. ライラが画期的な量子意識転送実験に成功する
2. 実験後、ニューロン・ハブで原因不明の意識障害が多発する
3. ライラとアレックスが協力して調査を開始、ゼノの協力を得る
4. Dr.シンギュラリティの関与が明らかになり、対立が激化する
5. マーカスが重要な情報をリークし、事態が急展開する
6. ライラたちがDr.シンギュラリティの隠された実験施設を発見する
7. 最終決戦でライラが自身の意識を犠牲にして危機を回避しようとする

感情を揺さぶる要素:
1. ライラとアレックスの切ない恋愛模様
2. ゼノの「人間らしさ」の成長と、それに戸惑うライラの姿
3. Dr.シンギュラリティの過去の苦悩と現在の狂気

伏線:
1. ゼノの不安定な行動パターン(実は量子意識がAIに与える影響の伏線)
2. マーカスの正体(実は未来からやってきた人物である)

## 4. テーマ
- 意識の本質とは何か
- 科学の進歩と倫理の境界線
- 人間とAIの共存と進化

## 5. 章立て
第1章:量子の飛躍
ライラの画期的な実験成功と、それに続く謎の意識障害の発生。
第2章:揺らぐ現実
アレックスとライラの出会いと、事態の調査開始。ゼノの協力。
第3章:闇の触手
Dr.シンギュラリティの影が見え始め、ライラたちの調査が妨害される。
第4章:デジタルの反逆
マーカスの登場と、彼がもたらす衝撃的な情報。ゼノの行動が不安定に。
第5章:量子の迷宮
ライラたちがDr.シンギュラリティの隠された実験施設を発見、潜入を試みる。
第6章:意識の深淵
施設内で明らかになる恐ろしい真実と、Dr.シンギュラリティの狂気の計画。
第7章:存在の境界
ライラとアレックスの関係が深まる中、ゼノの「人間らしさ」が顕著に。
第8章:時空の歪み
マーカスの正体が明らかになり、未来からの警告が示される。
第9章:量子の共鳴
ライラが自身の意識を犠牲にして危機を回避しようとする決断。
第10章:新たな意識
予想外の結末と、人類とAIの新たな関係性の幕開け。

次にカスタム指示を設定します。

プロジェクト作成画面で+Set custom instructionsをクリックして、以下のように章ごとの原稿執筆についての指示を入力し、最後に右下のSave Instructionsボタンをクリックします。

今回、カスタム指示に入力した指示の内容は以下の通りです。
章ごとの原稿執筆プロンプトの最初の行を一部修正しています。

添付した「アウトライン」に基づき、ユーザーが指定した番号の章を執筆してください。以下の要素を必ず含めてください:

1. 情景描写:
- 章の冒頭で、舞台となる場所の詳細な描写を行ってください。
- 五感を使った表現を少なくとも3つ含めてください。

2. キャラクターの描写:
- この章に登場する人物の外見や動作を具体的に描写してください。
- 各キャラクターの内面や感情の変化を示してください。

3. 会話:
- 登場人物間の会話を、その世界特有の専門用語や俗語を少なくとも2つ含めて展開してください。
- 会話を通じてキャラクターの個性や関係性が浮かび上がるようにしてください。

4. 科学的要素:
- この章で重要となる科学的概念や技術を詳細に説明してください。
- それらが物語やキャラクターにどのような影響を与えるか示してください。

5. ストーリーの進展:
- アウトラインで設定した出来事や転換点を、読者の感情を揺さぶる形で描写してください。
- 伏線となる要素を少なくとも1つ含めてください。

6. 章の結び:
- 次章への期待を高めるような形で章を締めくくってください。

文体や表現に注意を払い、読者を物語世界に引き込むような臨場感のある文章を心がけてください。また、この章が全体のストーリーにどのように貢献するかを常に意識しながら執筆を進めてください。

あとは、以下のように入力欄に1、2、3、4、5と番号を入力していけば、入力した番号の章の原稿を自動的にClaudeが生成します。

1章ずつ生成されるので、生成された原稿を、その都度修正していくことも可能です。

(2) Projectsを利用した原稿生成の実行例

生成された第1章の原稿は以下の通りです。

承知しました。第1章「量子の飛躍」を執筆いたします。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
第1章:量子の飛躍

ニューロン・ハブの研究棟最上階、ライラ・クァンタムの実験室は、宇宙の静寂と科学の鼓動が交差する特異点だった。広大な窓から地球が青く輝く様子が見え、その光景は息を呑むほどの美しさだった。

実験室内部は、最先端の量子コンピューターと神経科学機器が織りなす未来的な風景を呈していた。空気中には、オゾンの微かな香りと機械油の甘い匂いが漂っていた。時折、量子プロセッサーの冷却システムから発せられる低い唸り声が、静寂を破る唯一の音となっていた。

ライラは、緊張で震える指で「ニューラル・リンク」のコネクターを自身の後頭部に取り付けた。彼女の瞳には決意と不安が交錯していた。28歳とは思えないほどの若々しさを持つ彼女の顔に、幾筋もの緊張の線が刻まれていた。

「準備はいいかい、ライラ?」柔らかな電子音で、AIアシスタントのゼノが問いかけた。

「ええ、準備はできてるわ」ライラは深呼吸をして答えた。「でも正直、怖いわ。これが成功すれば、人類の意識の理解が一気に進むことになる。失敗すれば...」

「確率論的には成功の可能性が高いよ。君の理論は完璧だ」ゼノは冷静に告げた。

ライラは微笑んだ。「ありがとう、ゼノ。じゃあ、始めましょう。クォンタム・シンクを起動して」

「了解。クォンタム・シンクを起動。ニューラル・インターフェースの同期を開始します」

実験室内の機器が一斉に稼働し始め、ホログラフィック・ディスプレイには複雑な量子状態のグラフが次々と表示された。ライラは目を閉じ、意識を量子ネットワークに向けて開いた。

突然、彼女の脳裏に無数の光の糸が現れた。それは、彼女の意識が量子もつれによって拡張される感覚だった。ライラは息を呑んだ。理論上は理解していても、実際に体験するのは全く別物だった。

「ライラ、バイタルに異常はありません。量子状態は安定しています」ゼノの声が遠くから聞こえてきた。

ライラは意識を集中させ、自身の記憶の一部を量子ネットワークに転送しようと試みた。それは、彼女が子供の頃に見た満天の星空の記憶だった。

突如、激しい頭痛が彼女を襲った。ライラは苦痛に顔をゆがめたが、実験を続行することを決意した。

「ゼノ、転送率は?」彼女は歯を食いしばって尋ねた。

「驚異的だよ、ライラ!」ゼノの声には興奮が滲んでいた。「君の意識の一部が確かに量子ネットワークに転送されている。これは人類初の快挙だ!」

その瞬間、ライラの視界が虹色に染まり、彼女は意識が身体から離れていくような奇妙な感覚に包まれた。それは恐ろしくもあり、同時に深い解放感をもたらすものだった。

「私...見えるわ」ライラは震える声で言った。「宇宙の...構造が...」

突然、警報音が鳴り響いた。

「ライラ!」ゼノの声が緊迫感を帯びる。「君の脳波が不安定になっている。今すぐ切断するよ」

「待って!」ライラは叫んだ。「もう少しだけ...」

しかし、ゼノは既にシステムのシャットダウンを開始していた。ライラの意識は急速に通常の状態に引き戻された。彼女は激しい目眩と吐き気を感じながら、床に崩れ落ちた。

「ライラ!大丈夫か?」ゼノの声には珍しく心配の色が滲んでいた。

ライラはゆっくりと目を開け、震える手でニューラル・リンクを外した。「大丈夫...何とか」

彼女は躊躇いながら尋ねた。「実験は...成功したの?」

「君の理論は正しかったよ」ゼノは答えた。「人間の意識の一部を量子ネットワークに転送することに成功した。でも、予期せぬ副作用があったようだ」

ライラは深いため息をついた。「そう...これで人類の意識の理解が一歩進んだわ。でも、まだ多くの謎が残されているってことね」

彼女は立ち上がろうとしたが、再び目眩に襲われた。その時、実験室のドアが開き、セキュリティ責任者のアレックス・ノヴァが慌てた様子で入ってきた。

「Dr.クァンタム!」彼は心配そうに声をかけた。「異常な量子活動を検知して急いで来たんだ。大丈夫か?」

ライラは弱々しく微笑んだ。「心配かけてごめんなさい、アレックス。実験は...成功したわ。でも、予想外の事態も起きたみたい」

アレックスは眉をひそめた。「どういうことだ?」

「まだ詳しいことは分からないわ」ライラは答えた。「でも、この実験が何か大きなものの始まりだってことは確かよ」

彼女の言葉が実験室に響く中、地球の青い光がますます強く窓から差し込んでいた。新たな時代の幕開けを告げるかのように。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
この章では、ライラの画期的な実験とその成功、そして予期せぬ副作用の示唆を描きました。次の章では、この実験の影響がニューロン・ハブ全体に及ぶことになるでしょう。読者の期待を高めるため、実験の詳細な結果や副作用の正体を明かさず、謎を残しました。また、ライラとアレックスの出会いを描くことで、今後の関係性の発展を示唆しています。

最後の部分には、第1章の要約や次章以降の執筆方針、この原稿作成の意図などが記載されています。次章以降の文章を繋げていく場合には不要なため、削除してください。

第2章以降も番号を指定するだけで、その番号の章の原稿をClaudeが生成します。
第10章まで完成した内容は、以下の記事をご覧ください。
量子力学と人間の意識をテーマとした約1万7000字のSF小説です。

(3) Projects利用の効果

Projectsを利用したのは、よりアウトラインに従った内容にするためでした。しかし、Projectsを利用しない場合よりはアウトラインに近い内容ですが、やはり元のアウトラインとは異なる内容になってしまいました。

また、ストーリにいくつか矛盾点があり、ゼノの口調が途中で大きく変わっていることなども気になりました。

全体を通して、Projectsを利用しない場合の方がストーリーの流れが分かりやすくて良かったと思います。ただ、文章の受け取り方には個人差があるため、ぜひ両方のストーリーを読み比べて、どちらが優れているか評価してみてください。

ChatGPTでも、カスタム指示やGPTsを利用して、Projectsと似たようなことができます。


7.AIで質の高い小説を生成するコツ

今のところ、AIで質の高い小説を生成するコツは、ガチャと修正です。

アウトラインは、AIに複数生成させて、一番よいと思うものを選びます。各章の原稿を生成した時も、内容が気に入らなければ、すぐにRetryします。たくさん生成してその中から最良のものを選び出す「ガチャ」が重要です。

また、アウトラインの段階から修正を加えます。アウトラインがつまらないと、生成する小説も面白くありません。ショートストーリーを何本か書かせて、その中から面白いものを選んで、AIにアウトライン化を依頼するという手法もあります。

原稿も各章ごとに修正を入れます。修正する時も、全部自分で修正するのではなく、AIをできるだけ活用します。「○○の部分をもっと書き込んで」「キャラクターの感情がもっと出るように書いて」など抽象的な指示でもよいので、AIに指示して修正させます。前の章を修正し、確定してから後の章を生成しないと、前後で矛盾が生じる可能性があります。

実は、ガチャも修正も、どちらもある程度AIで自動化できます。複数のアウトラインを作成して、それを評価し一番良いものを選ぶ、原稿の文章の問題点を指摘して、それを修正する、どちらもAIで自動化することが可能です。まだ精度的な問題がありますが、将来的には、このあたりも全て自動化できると思います。

現時点では、AIを利用して質の高い小説を書くのには、まだまだ課題がありますが、今後も、より質の高い小説を書けるようにプロンプトやProjectsなどの機能の利用をグレードアップしていきたいと思います。


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