大丈夫だった頃は
私の精神の不健康さが顕著に現れるようになったのは、大学に入ってからだ。
高校の時だって自称進学校で勉強のプレッシャーに追われていたのに。学年が変わっても仲良くしてくれる友達は学校にはいなかったのに。失恋をクソほど引きずって大雪で電車に閉じ込められてから大学受験を迎えたのに。
きっと一人で義務を抱えて生きなきゃいけないからだ。
毎日のように母と二人でテレビを観ながら話していたひとときはなくなった。
高校生になってもたまに一緒に遊んでいた中学の友達とは大学に入って疎遠になった。どこで何をしているかさえわからない子もいる。
サークルの仲間とは上手くやってきたつもりだけど、他愛もないLINEとか休日に遊ぶとか、私からはどうしたらいいかわからない。
私が話せば場が凍りつく。感情を出すことすら許されないときもあった。
そんなときでも単位はとらなきゃいけないし、講座の勉強も、サークルもより良い人生のためにはやめられない。
文系の大学時代は「人生の夏休み」なんて言うけど、義務感と孤独感に閉じ込められた夏では心は休まらない。
人生の休学くらいはしてみたくなる。
せめて孤独感さえなくなれば。
【募金箱】病人ですが演劇も被写体もこれからやっていきたいです。サポートしてくれたらもっと色々できちゃうかもしれないので、興味があれば是非。