吐き出せない
吐き出せるものなら吐き出せた方がいいものがあると思う。
自分の身体を蝕むもの。
自分の心を蝕むもの。
例えば、弱音。
この記事では苦手に感じる人もいるであろう表現を用います。感情と自分の身体感覚がリンクしているという実感に基づいて、思ったまま書いているためです。
吐き出そうとしても吐き出せなかった時期がある。
繋がっていたはずのものがぼやけていく、そばにいるのに一人みたい、眠れない、上手く食べ物を食べられない、辛い、また離れていく、自分はそんなにできない、他の人はちゃんとしているのに、自分だけ助けてもらえない、辛い、自分だけ醜いみたい、必要とされていない、邪魔者みたい、生まれてきてごめんなさい、あいつが許せない、自分が死んであいつを人殺しにしたい、これが終わったら終わらせたい
これだけ、胸から胃のあたりにあった。
多いのか少ないのかわからないけど、私にとってはこれ以上増やしてはいけないものだった。
だから、吐き出そうとした。
仲が良いはずの人たちに弱音を吐く形で。
でも、ちゃんと吐き出せなかった。
話し始めた途端、迷惑がられた。
受け止められなかった。
喉元まで出かかった弱音を抑え込むことになった。
他の人に話してみた。
「誰でも辛い時はあるよ」
「そんなこと思っちゃダメだよ」
喉から出たものを身体の中に押し戻されるみたいだった。
Twitterのフォロワーがいないアカウントでツイートした。
ただびくびくしながら口から空気を吐くだけみたいだった。
私が話そうとした相手はきっと誰も悪くない。むしろ私が相手を間違えた。
「弱音を吐けない人が危ない」
これはあっている気がする。
「弱音を吐けるうちはまだ大丈夫」
これは、違う気がする。
「弱音を吐けない」つまりマイナスな感情を口にしないことは危険だ。
でも、マイナスな感情を口に出しても危険な場合がある。
「弱音を吐いている」のに「吐き出せてはいない」状態。言葉にしても結局感情は身体の中に残る。
相手を「弱音を吐いているから大丈夫」と判断する前に、自分が相手の感情を押し戻していないかを私はちゃんと考えたい。
大切な人ならすぐそばで受け止めて抱きしめたいし、そこまでできなくても洗面器を用意するくらいのことはしたい。
書いていて私はやっぱりおかしいし汚いなって思ったので、受け止めて抱きしめてなんてわがままは言えないですね。
できる人だけすればいいことなんです。
【募金箱】病人ですが演劇も被写体もこれからやっていきたいです。サポートしてくれたらもっと色々できちゃうかもしれないので、興味があれば是非。