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『@cosmeベストコスメアワード』のロゴをリニューアルしました!

こんにちは。
アイスタイルでデザイナー兼ディレクションをやっています、細江です。

突然ですが、みなさんは『@cosmeベストコスメアワード』をご存知でしょうか?

毎年12月に発表している、@cosmeメンバーさんの1年間のクチコミ(今年はおよそ72万件!)を元に、その年に支持された商品を表彰する賞です。

受賞商品には、受賞したことを表す『ロゴ』がついていることも多く、化粧品売場や薬局等で目にしたこともあるのではないでしょうか。

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弊社では略してベスコスロゴと呼んでいるこのロゴですが、@cosmeロゴのリニューアルと共に、こちらのベスコスロゴも先日リニューアルとなりました!

このブログでは、ベスコスロゴが完成するまでの舞台裏や、ロゴを変更するにあたって注意した点などをご紹介したいと思います。

制作チーム

弊社のCCO(Chief Creative Officer)を筆頭に、クリエイティブ室とデザイン部で意見を出し合い進めていきました。
クリエイティブ室は全体のブランディング、デザイン部はロゴのクリエイティブを担当します。

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コンセプトと課題の深堀り

ベスコスロゴをリニューアルするにあたり、まずは大事にしたいことや変更するべき課題点などを上げました。
そこからベスコスロゴがどうあるべきかを検討し、デザインに落とし込んでいきます。

大事にすること・必ず叶えなければいけないこと

・@cosmeの新ロゴのコンセプトが踏襲されていること
・@cosmeの賞であると認識できること
・ロゴ変更によって使われなくなった!ということが無いこと

特に今回がよくあるロゴリニューアルと少し違うのは、このロゴは@cosmeのサービス内だけで使われるものではなく、ベストコスメを受賞した商品に貼っていただくものという点です。

今までお店でこのロゴを見ることが出来たのも、その商品を作り上げたメーカーさん・ブランドさんにロゴをご利用いただけていたからこそ。
ブランドさんにとっても当然、自信を持って世に出されている商品です。
そんな商品の上に「貼りたい!」と思っていただけるようなロゴにすることも、とても大切なことでした。

課題

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前回まで使用していたロゴには、いくつか課題がありました。
例えば、カテゴリ名がメダルの中に入っていたので長いカテゴリが入ると文字が読みづらかったり、スペースが足りず多言語での展開が難しかったり…などなど。また他社さんとの差別化も課題でした。

ベスコスロゴはすでに広く認知されているため、大きく変えることによって何のロゴだか分からなくなった…という事があってはなりません。単に目立つものを作ればいいだけではなく、@cosmeらしさをどれだけ表現できるかがポイントでした。

受賞ロゴのクリエイティブ検討

ロゴの初期案は代理店の方にご助力いただきました。
そのデザインをベースに、課題で上がったポイントをどう解決するか考えながら@cosmeらしくなるようブラッシュアップしていきます。

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まずは方向性を定めるために、元のデザインに囚われすぎず沢山の案を出していきました(画像に表示されていないものも含め、200案程度作成しました)。

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王冠とリボンの組み合わせ

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他社さんとの差別化を検討する中で、王冠とリボンをセットで使用するロゴが少ないことに気づきます。
そこから「王冠は@cosmeが使っているから使いづらいと思ってくれている場合もあるかもしれない。王冠とリボンの組み合わせをもって@cosmeのベスコスだというイメージがあるならば堂々と使っていこう」という方向性に。
また王冠をシンボル化し、『王冠』と『@cosmeのロゴ』があれば認知してもらえるという状況になるよう制作を進めました。

@cosmeグリーンの使い方

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@cosmeにはアイデンティティとなる緑色(通称『@cosmeグリーン』)があるのですが、メダル自体にもその色を使った方が@cosmeらしさが出るのでは?と模索するも、イマイチ目立たず…。
更にメダル感も薄れてしまうので、ゴールドメダルの案をブラッシュアップしていくことに。

文字の読みやすさ・視認性

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webやAppでの視認性も考え、メダルの中の要素は必要なものだけ残してシンプルにしていきました。
同じ観点から、緑のリボンは@cosmeらしさは出るけれど画面のUIに落とし込んだ時にパッと見て賞ごとの違いが分からないことが懸念されたため、色での差別化は残すことになりました。

ニコちゃんマークの有無

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ベスコスロゴの中には今までずっと、ニコちゃんのマークが入っていました。ですがニコちゃんマークはとてもカジュアルな印象になるので、デザインに組み込むかどうか最後の最後まで答えが出ず難航しました。

・@cosmeロゴとコンセプトを合わせてスッキリとした現代風に変えるには、ニコちゃんは無い方が良いのではないか
・ハイブランドさんがこのロゴを使用する時の弊害にならないか

ニコちゃんとこれからも共に歩み続けるのか、それともお別れするのか…。
最終判断は経営会議に委ねることになり、結果「@cosmeのユーザーさんを象徴するニコちゃんは、@cosmeらしさを表現しているポイントなのではないか?」という意見にまとまり、残すこととなりました。

王冠のクリエイティブ

検討を進める中、経営陣より王冠に初期の思想を取り込みたいとのオーダーがありました。
初期の思想というのは、2011年頃に使用されていた一筆書きの王冠に込められていた思想のことです。

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このロゴは「クチコミでつながり情報を伝えていく」ことを表す一筆書きになっており、ユーザーさんの象徴である3つの顔も含め「クチコミをしてくださったみんなからできた賞である」という意味が込められています。

この思想をどのように取り入れるかが中々難しく、一筆書きにしてしまうと遠くから見た時にインパクトがない事や、王冠に見えないなどの課題があるので、コンセプトを活かしつつ塗りの王冠を作成することに。
塗りにしてしまうと今度は一筆書き感が薄れるので、丁度いい所を目指して微調整を続けました。

また「クチコミから選ばれた」という概念を入れたい!と、星を7つ入れることを提案。最終案にも残されています。

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細かい箇所ですが、併せて顔も現代風に整形しました。

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賞ごとの重み付け

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今までは、殿堂入りと総合大賞と下半期の新人賞は色違いの同じデザインを使用していました。
ですが、実際は賞によって集計方法が違います。

殿堂入り:3年連続、部門賞で1位を獲得した商品
総合大賞:全商品を対象に、1年間のクチコミを集計して選ばれた商品
新人賞:半年間で新発売された商品

にも関わらず、同じようなデザインをしているのは価値の重さが同じに見えるという課題があったため、今回は賞によって形を変え、差別化を図りました。

アワードロゴのクリエイティブ検討

ここまでは『@cosmeベストコスメアワード』の『受賞ロゴ』についてお話してきましたが、ここからは『アワードロゴ』というアワードを象徴するロゴの制作についてご紹介します。

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アワードロゴは、主にベスコスを象徴する場面で使用されます。そのため、単体で見映えのよいクリエイティブを目指して作成しました。

【使用箇所】
・@cosmeサイト内のベストコスメアワード ページ
・ストア等、店頭で『ベスコスコーナー』を作るときのタイトル
・受賞連絡、授賞式の招待状
・授賞式の内装

こちらは『@cosmeベストコスメアワード』の顔となるため、受賞ロゴの方とも考え方をリンクさせながら進めました。

オリジナルフォントの使用有無

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@cosmeの新ロゴにも使われているオリジナルフォント『@cosme font』で組んでみたものの、もともと『@cosme』という5文字に最適化されたフォントということもあり『THE BEST COSMETICS AWARDS』という文字列に当てはめるとちょっとポップで安っぽい印象になったため、別の規定フォントで組むことに。

エンブレム

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「単体で見映えする」が主要要件となったとき、今までの『ロゴ』というより『エンブレム』(=紋章・記章)のつもりでデザインした方がよさそうだ、と考え方をシフト。
エンブレムではより『王冠』や『全体のフォルム』が重要になってくるので、装飾や形状について試作を重ねていきます。

横型で年号を目立たせる

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エンブレムは受賞年度が含まれるパターンと含まれないパターンがあるため「受賞年度を目立たせつつ」「なくても成立する」ようにする必要がありました。
メインのエンブレムはバランスを調整すれば目立つようにはできるのですが、横組みタイプは文字に埋もれてしまうため中々目立たず…。
結果、今までの案のようにタイトル末尾に置くよりも、王冠の下に置くことで双方を叶えることになりました。

英語版の考慮

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エンブレムの形状がほぼ決定し、英語版を見ていたところ、同じクリエイティブ内でタイトルを3回言っているというしつこさが気になってしまいました。
外周にデザイン性をもたせて模様のようにすることで意識をそらせるのでは?と枠をつけてみたりと試行錯誤しますがどうしてもクリエイティブが強くなりすぎてしまいます。結果、外周下側のテキストを内向きに変更することで文字としての存在感を薄れさせることを叶えました。

ロゴの完成!

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そして完成したのが、この新しいベストコスメのアワードロゴと受賞ロゴです。
最初に挙げた『課題』や『気をつけたい箇所』がちゃんと反映された、良いロゴになったのではと思います!

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下の写真は、今年のベストコスメアワードでロゴが利用された様子です。
実際に使われているのを見るのはデザイナーとしてとても嬉しい瞬間です。

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また、ロゴに込めた思いが広まるよう社内向けの企画展示も行いました。
感想を伝えてくれるなどのロゴに対するコミュニケーションが増えたため、社内に伝えていくことも大事だなと感じました。

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最後に

新しい@cosmeのロゴと共にこのベスコスロゴも、ブランドさんやメーカーさん、そしてユーザーさんと、全ての方に愛されることを願っています。
街で見かけた際には「あのロゴだな」と密かに思い出していただけると幸いです。

また明日の10日からは@cosme TOKYOもOPENするので、是非店舗で探してみてください!

新しくなった『@cosmeベストコスメアワード』のロゴを、これからもどうぞよろしくお願いします!

筆者について
入社4年目の中途デザイナー。
前職では制作会社でクリエイティブ作成をメインに、今職ではブランドオフィシャルのディレクション&UIデザインをメインにお仕事しています。
趣味は、散歩と写真と甘いものを食べることです。

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