『コンビニ人間』
とても無機質な話なのに、どうにも面白くて、audibleで一気に聴いてしまった。
「普通」とは何か。
ポジティブな意味では、皆がそれぞれの個性を持っているこの世界に「普通」なんてものは存在しない。だけど、やはりネガティブな意味での「普通」は存在していて、それはつまり「異常ではないこと」と言い換えられるだろう。
主人公の古倉は、そういう意味で世界において「異常」であった。だけど、古倉の視点からすると、世界の「普通」は、コンビニ店員という絶対的なものさしを与えられなければ達成できないほどに難しいものであった。
ここまで顕著ではなくとも、こういった生きづらさは誰もが、何かしらの形で感じるものだろう。
と、書いてはみたが、とにかく無機質で、なにか重いものを心に残して過ぎ去っていくような作品だった。正直言うと、よく分からない。でもとても面白い小説だった。
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