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パーソルキャリア様 インタビュー後編~「MyLearning(※1)」の実行フェーズ~

パーソルキャリア様へのインタビュー前編では、「MyLearning(※1)」の事業責任者である工藤大助様に、サービスの立ち上げから現在に至るまでの道のりや、大企業において新規事業を立ち上げる難しさといった「MyLearning」の事業立ち上げフェーズのお話を中心に紹介しました。インタビュー後編は、「MyLearning」を実行フェーズに移すまでの流れや、現在の運用状況のほか、工藤様に"大企業で新規事業に携わることの面白さとは何か?”をうかがいました。
■“現場で活躍するビジネスパーソン”から学べるMyLearning」(※1)

(※1)インタビューは2023年時点のものです。今後「MyLearning」は「PERSOL MIRAIZ」に統合予定。(2024年2月現在)



インタビュイープロフィール

パーソルキャリア株式会社  工藤 大助様
MyLearning 責任者 兼 PERSOL MIRAIZ 担当者

DNPにて海外事業開発に従事後、パーソルホールディングス(旧テンプホールディングス)に入社。グループ経営企画部にて、同社APAC圏でのM&A支援、グループ中期経営計画策定、パーソルブランド立ち上げ、グループ広報・PRを担当。2023年2月、事業責任者として社会人向けリスキリングサービス「MyLearning」を立ち上げ後、7月より現職、はたらく未来図構想統括部「PERSOL MIRAIZ」担当を兼任。
■パーソルキャリア株式会社
https://www.persol-career.co.jp/

株式会社ISSUE 代表取締役社長 水野貴弘
野村証券に入社後、株式会社ファインズのグループCFOとして財務面での戦略立案/資金調達/M&A/他社とのアライアンス/上場準備等をリード。事業面では子会社を2社設立し、メディア事業及び人材事業を推進。YCP Solidianceではスタートアップ×ファインナンス(M&A/資金調達/ビジネスDD等)を軸としたプロジェクトに従事。2021年、株式会社ISSUEを創業し、代表取締役に就任。


パーソルキャリア様 インタビュー後編
~「MyLearning」の実行フェーズ~

「MyLearning」のβ版がスタート

水野:「MyLearning」をスタートすることが決定してから、実際にβ版を出すまでの期間はどのくらいだったのですか?
工藤:2021年は参入のための市場リサーチに費やし、22年から立ち上げを考え、実際には2023年の2月からβ版をスタートしました。7月には、吸収分割という形でパーソルイノベーションからパーソルキャリアに「MyLearning」を移管しました。サービスをスタートしてから、まだ10ヶ月程度ですね。
水野:では、「MyLearning」を立ち上げてみてどうでしたか。また、「PERSOL MIRAIZ」と一緒になったことで、今後どう「MyLearning」を展開していく予定ですか?
工藤:「MyLearning」のゼミは、水野さんが講師をした回を含めて、9月末までに合計6回実施しました。「MyLearning」は、現場で活躍するビジネスパーソンの投稿から、日々の業務につながる学びが得られるWebキュレーションサービスとしてもともと展開していましたが、やっぱり少人数で実施するゼミの方が、実践で活かせる学びの機会を提供するのには合っているなと思いました。今後はゼミをコミュニティ化していくことも考えています。オンラインで学べるキュレーションサービス・インタラクティブかつ期間を区切ったゼミ形式の場を両方兼ね備えて、その後はコミュニティで仲間づくりをしていく。この大きく三つの要素を「PERSOL MIRAIZ」にインストールしていき、そのインストールの供給源が「MyLearning」で構築されるといった仕組みにしていきたいですね。

大企業で新規事業に挑戦する面白さとは

水野:大企業で新規事業に挑戦することの面白さをお聴きしても良いですか?
工藤新しい事業を立ち上げる方法は、自分で起業する、既にあるスタートアップに参画する、そして大企業で新規事業を立ち上げるというおおよそ3方向がありますが、やはり自分がどういう生き方をしたいかによって、面白さって変わってくるのかなと思いますね。欧米の市場とは異なるかもしれませんが、日本市場においては、安定したアセットがあり、人材が既にそこにいる大企業の環境の方が、同じ時間と頭の使い方をするのであれば新規事業はやりやすいのかなとは思います。ただ、大企業は大企業で、意思決定のプロセスなどでやきもきする部分もあるとは思いますが。

水野:なるほど。ちなみにどんな人が、大企業で新規事業を立ち上げするのに向いていると思いますか?これも企業カルチャーによるところが大きいので、一般化しにくいと思いますが、共通項があれば伺いたいです。
工藤:例えば、経営層でマネジメント経験も豊富で、企業が「ぜひうちで働いて欲しい」と手を挙げるような人だとしても、実際に入社してみると上手くはまらないケースがあります。それは企業カルチャーが合わなかったからという理由もあると思いますが、結局は新しい環境や領域に、その人がそれまでの成功体験や慣習をいかにアンラーニングして取り組めるかだと思います。もちろん、マネジメント領域でステップアップするために、キャリアを積み重ねていくパターンもあると思います。一方で新規事業は、チームビルディングだったり、前任と自分はどう違うのかを自己開示することが必要だったりします。前職での実績や、成功体験を前提とすると、新しい会社ではバリューを発揮できなくて終わるパターンもあります。大企業という箱の中で何か新しいことをやろうとすると、基本的には想像以上の説明や責任を求められます。それに耐えうる覚悟を持った人でないと、大企業での新規事業は難しいのかなと思います。
水野:スタートアップで経営層だったから、大企業でも活躍できるかというと、全然違いますよね。


代表、水野との出会い

水野:ところで、今年の8月に「新規事業の効果的な調査の仕方」というテーマで「MyLearning」でゼミを持たせていただきました。(※3)改めて今回自分を講師に選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。
工藤:新規事業領域で起業されている方や、メガベンチャーやVCでマネジメントをされている方をターゲットに、ゼミの講師を依頼していました。今年パーソルキャリアはIVS(※2)のスポンサーでして、その関係で期間中イベントを開催しました。そこに水野さんが来てくださって、色々と情報交換をしたのが最初の出会いでしたね。
水野さんは、コンサルティングや市場リサーチ領域を専門とされているので、水野さんのゼミを通じて、それこそ新卒1年目で誰もが学んだ方が良い汎用性の高いポータブルスキルを学べると思ったので、講師の依頼をしました。

水野:「MyLearning」のゼミの受講生は、どんな方を対象としていたのですか?
工藤:例えばエンジニア職というよりは、大企業の新規事業部門やスタートアップで、プロダクトを作り、その成長をミッションとしている、というキャリアを志向する人を想定していました。本を読めばわかる体系的なものよりは、現場感があって、明日からでもすぐに実践できるような内容でスタートしています。ゼミのタイトルに超実践、と銘打っているくらいなので。その方が参加者も前のめりになりますしね。

水野:僕のゼミを受講した方々の反応はどうだったのでしょうか?
工藤:水野さんのゼミは、3回目の講義の中で実際に基礎インタビューの実践を行いましたが、それが受講者にとって、実際に現職で使うイメージにつながりやすかったと思います。定性的ですがアンケート結果では、受講者の満足度は90%後半と非常に高かったです。

水野:具現性が高いのが良かったんですかね。安心しました(笑)
工藤:今回はリサーチがテーマでしたが、別のテーマでもぜひお願いしたいです。
水野:ありがとうございます。ぜひお待ちしております。

(※2)スタートアップの経営幹部やベンチャーキャピタル(VC)関係者が一堂に会するカンファレンス。

(※3)水野が携わった「MyLearning」のゼミは、「PERSOL MIRAIZ」に統合され、パーソルグループとして注力するサービスとして進化、継続する予定。(2024年2月時点)

ISSUEに期待すること

工藤:あと、水野さんには2つ期待していることがあります。1つ目は「MyLearning」のゼミで、他の講師の方とも連携していただきながら、今後も仲間として関わってほしいです。2つ目は、水野さんのコンサルティング会社が、大企業の新規事業の立ち上げに関わる際に、担当者にスキルやノウハウをインストールできるような形で、サービスを提供していって欲しいですね。いわゆるコンサルティング事業とは違って、企業側の担当メンバーを将来的には自走で新規事業ができる状態にするっていう、「新規事業開発 Enablement(イネーブルメント)」みたいなイメージです。
水野:面白そうですね。ぜひ今後ともよろしくお願いします。本日は貴重なお話をお伺いできてとても勉強になりました。ありがとうございました。


インタビューは2023年時点のものです。今後「MyLearning」は「PERSOL MIRAIZ」に統合予定。(2024年2月現在)




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