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【投資】企業と投資家 ともに変化を - JPX日本経済新聞広告記事

基本的に日本経済新聞はWEB版を利用していますが、それでも毎日、朝刊・夕刊はビューアーを利用してWEB上で閲覧しています。そのメリットの1つが広告。時々面白い広告ってあるんですよね。

今日(2024年4月8日)の朝刊の日本取引所グループ(JPX)の広告記事。日本取引所グループの山道裕己CEO、アサヒグループHDの勝木敦志CEO、東京大学名誉教授の神田秀樹氏、そしてみさき投資の中神康議氏の4名による座談会の内容がまとめられてました。

2024年4月8日 - 日本経済新聞広告より

みさき投資の中神氏は、当方直接の面識はないですが、運用業界では有名な方です。現在のみさき投資自体は2013年設立のようですが、私の記憶が正しければ、中神氏ご自身はかれこれ20年以上前から、投資先企業とのエンゲージメントを通してバリューアップを狙う投資を行なっておられました。自分にとっても参考になると思い、備忘録としてメモしておきます。

企業は社会で唯一の経済価値の創造主体なので、誰のものかという不毛な議論ではなく、大切な価値創造主体である企業のポテンシャルを最大限引き出すために、どのように皆で応援していくかという議論をするべきです。松下幸之助が「株主は、自ら会社の主人公であることを正しく自覚・認識しなければならない」と言ったとおり、投資家は企業を盛り上げるプレーヤーであるという姿勢で臨まなければならないと思います。経営者にもそう受け入れていただければいいなと思います。

経営者の仕事は企業価値向上だといわれますが、私は超過利潤をつくり出す主体とも言い換えられると思います。ヒト・モノ・カネといった経営に必要な要素すべてにおいて超過利潤を出すというのが経営者の役割で、カネの面、特に資本コストとの関係では、資本コストを軽々と超える資本収益性を出してくださいというのが投資家のお願いです。

企業はリスクをとってはじめて成長するわけですが、ガバナンスというのは、集団合議の中で、洗練されたリスクテイクを進めていくための仕組みだと思っています。そのために優れたリスクテイカーの指名、あるいは、社外から引っ張ってくるための報酬設計が重要です。ただ、下手をすると暴走するので、しっかりと監査・監督を行う必要もあります。企業には、こうした理論をもっと意識して、自社のガバナンスを検討してほしいと思っています。

投資家は、価値に対して価格が低いところに投資して、エンゲージメント(対話)によってそのギャップを埋めていくわけですが、私は、ギャップを埋めるだけでなく、価値そのものを上げていきたいと思っています。そのために憎まれ口も叩き、経営者の目線を引き上げることもします。高い目線で合意できれば、対立という形の対話ではなく、それを達成するために一体何を変えなければならないのか、どこまでリスクを取れるのかという建設的な対話になっていくと思います。

個人的には、対立型のアクティビスト的な運用よりも、この中神氏や、また先日このnoteで紹介した竹田和平氏のような、応援型、伴走型のエンゲージメント投資がよりしっくりきますね。

引き続き、こうした先人達を参考にしながら、自身の超小型株投資に活かしていきたいと思います。

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