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【投資】【新NISA】投資もキャリアも複利効果〜自然体だと格差は拡大

経済の発展とともに、富めるものは益々富み、貧富の差・所得格差が拡大していく問題。投資においても、スタート地点の金額の違いにより、同じリターンを享受しても自然と格差は拡大してく。これは"複利効果"という自然の摂理。そして"複利効果"によって格差が拡大していくのは、資産運用だけに限らずキャリア形成にも当てはまるかも?という議論です。


複利効果とは?

投資・資産運用の話でよく聞かれる複利効果。複利効果とは、運用で得た収益を再び投資することで、いわば利息が利息をうんで資産が膨らんでいく効果のこと。あのアインシュタインが「人類最大の発明」と言ったとされているほど、投資資産を増やすためには大切な概念です。

例えば100万円の資金を、毎年10%のリターンで運用した場合。1年後に得られる10万円の利益を再度投資元本に組み込んでいく(再投資)ケース(複利)と、10万円はキャッシュで受け取ったままにするケース(単利)で、10年後どれくらい資産に差が出るでしょうか?

100万円を年率10%で運用

毎年の10万円を受け取ったらそのままにする単利では、10年後単純に10万円✖️10年の100万円が利益として上乗せされ、総資産は200万円となります。一方で、複利の方は、1年後の10万円のリターンを元本に加え、翌年は110万円として運用。その1年後には110万円の10%、11万円のリターンが得られます。それを繰り返すと、上図のオレンジの線、2次曲線的に資産が増加、10年後には200万円を上回る259万円になっています。この2次曲線的な効果を複利効果といいます。

持てる者と持たざる者の格差

その複利効果によって、最初は微々たる差だと思っていたものが、時が経ってみたら大きな格差になっていた…なんていうのも説明できます。例えば現在400万円の運用資産を保有しているAさん、500万円の運用資産を保有しているBさん、2人とも同じ金融商品に投資をし、毎年5%のリターンを複利で得るものとすると、20年後どうなっているでしょうか?

AさんとBさんの運用資産残高の推移

最初は100万円の差だった運用資産残高も、20年後には約300万円ほどの開きになっています。スタート地点から差が約3倍に拡大していることになりますね。

早く始めた者と出遅れた者の格差

次に何事にも早めに準備にとりかかるAさん、一方で怠惰な性格が災いして何事にも取り組みが遅いBさんを想定。Aさんは今から100万円を10%で運用、Bさんはその5年後に同じ運用をしたとして、Aさんが運用開始してから20年後にどうなっているか見てみましょう。

AさんとBさんの運用資産残高の推移

こちらも、年を追うごとにその差が開いていっていることがわかります。運用は早く始めるに越したことはないということですね。

しかし逆転も可能

スタート地点の残高からすでに差をつけられていたBさん、あるいは完全に出遅れてしまったBさん。スタートの段階で差がついたというだけでその後挽回する機会が全くないとすれば、投資人生、全然楽しくありませんね。ではどうすればいいのか?

話は簡単。Aさんよりも高いリターンで運用すればいいのです。下の図は、Aさんよりも5年遅いスタートを切ったBさん。しかもスタート地点もAさんの半分。Aさんは「自分はスタート地点も高いし、早めのスタートを切った」ということで、安定の年5%運用。Bさんは「ここから努力をして追い上げるぞ!」と相当頑張って年15%で運用。すると14年目くらいに追いつき、その後は逆にAさんをぐんぐん引き離す結果となりました。

AさんとBさんの運用資産残高推移

マイペースな亀さんが、あとから一気にがんばったウサギさんに追い越された感じですね。「サボらないウサギ」、最強です(笑)

まとめ〜複利効果を最大限活かすには?

上記で見てきた通り、投資において複利効果を最大限発揮するには次の3点が重要であることを確認しました。

  • できるだけ高いところからスタートする

  • できるだけ早くスタートする

  • たとえ出遅れたとしても、先を行く人よりも高いリターンを継続的に得られれば逆転可能→先を行く人と同じことをしていたら格差は自然と拡大

来年2024年からは新NISAもスタートします。これから投資を始めてみようという方も多いと思います。まずは投資可能な残高をできるだけ投資してみる、そしてまずは始めてみる、それが重要ですね。

複利効果は投資・資産運用だけに限らない

こうやって書いていて、複利効果って投資・資産運用だけに限らず、キャリア形成にも当てはまるなと感じます。

20代、30代の知識の積み重ね、経験・失敗・成功の積み重ね、人的ネットワークの拡大、それによって40代、50代、仕事の質・幅が格段に広がっていく。また20代、30代は自身がプレイヤーとしてやってきたものが、40代、50代になり、チームを持ち、部下を持ち、自分1人でやってきたことよりも何倍もの大きな仕事ができるようになる。

私自身は割とプレイヤーとしてサラリーマン人生を終了した感がありますが、世で成功している人たちはキャリアにおいても複利効果を十分活用してきた人たちって感じがしますね。

「投資もキャリア形成も"複利効果"」がキーワードかなってことで。

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