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【育休体験談vol.02】「思い通りにならないことに耐える力が身についた」

株式会社Mama's Sachiは、「ひとりひとりの声や体験は、誰かの希望につながる」との考えから、パパママの声や体験談などを「LINEで1日1問育児クイズパパ力検定」でのアンケートなどを通して募集し社会へ発信しています。

育休取得体験談のコーナー第2回。
今回は、NPO法人勤務で、およそ3か月の育休を取得したパパさんのお話です。

「共育て社会」へのはじめの一歩
育休取得体験談

上原一紀さん
育休中の所属等 : 30代 NPO法人勤務  
家族構成 : 妻、長男(2021年3月生まれ)  
取得期間:2021年4月~2021年6月

ダイジェスト

●印象に残ったこと
産後ヘルパーさんに来てもらって安心した。夫婦会議を習慣にしていた。

●しんどかったこと
1日のスケジュールが立てられないこと。思い通りにならないこと。

●楽しかったこと
小さな変化に気づけたこと。

●価値観アップデート
思い通りにならないことに耐える力が身についた。夫婦の対話の大切さも実感しました。

育休準備編

【取得しようと思った理由】

安定期に入った頃、職場に「子どもができました」と伝えたときに、上司や同僚から「育休とりなよ」と言ってもらいました。育休を考えていなかったわけではありませんでしたが、上司や同僚のおかげで、「育休はみんな取るものなんだ」くらいの感覚で取得できました。

【配偶者の反応】

ぼくと同じぐらいのレベルの感覚で、妻も育児の大変さをイメージできていなかったと思います。取ってくれるなら嬉しいというぐらいの反応でした。

【取得にあたって準備したこと(仕事面)】

育休取得時期が年度末で、ちょうど事業を整理するタイミングでもあったので、タイミングがよかったと思います。年度が変わる時の人事異動をするような感覚でした。 

【取得にあたって準備したこと(家庭・子育て面)】

妻が得た情報はぼくも一緒に見せてもらっていました。情報が多すぎて何を信頼すれば良いんだろうと思いましたが、選びとるのは自分達なので、どれがいいのかということは、気になったらふたりで一緒に決めてきました
出産直前は「歩きなさい」と言われていたので、ふたりで歩きながらいろいろな話をしたのがよかったですね。
 

育休真っ只中編

【印象に残ったこと】

産まれたたばかりの頃は産後ヘルパーさんに来てもらったことが心強かったのを覚えています。
 
初めての育児で、夫婦共に同じスタートライン。産院から退院したあとは里帰りせず2人とも不安な状態だったので、産後ヘルパーさんに来てもらって本当に安心しました。産後の女性のダメージについて、情報は聞いていたのですが、産後ヘルパーさんから改めて、奥さんの体は交通事故に遭ったぐらいダメージが大きく、寝ていた方が良いんだよということをきちんと聞けたので、できるだけ寝かせておこうと思いました
 
育児に関しては、オムツがえ、沐浴、子どもの服の洗濯とか、一通りできるようになりました。夜の授乳も適宜交代しながら行いました。
 
育休中はよく2人で話をしました。
奥さんの体調のことは頻繁に聞くようにして、奥さんがやりたいこと、やらなきゃいけないことを共有し、すべきこと、感じていることなどを、こまめにふたりで話していました。
 
その日に感じたことや気づいたことを毎日夫婦の共有アプリに書いていました。さらに、2週間に一度は改まって話をする場「夫婦会議」を行うことを習慣にしていました。当時のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に2人ではまっていて、それを真似て家事の分担を考えたり、ドラマのBGMを流しながら、ドラマの気分を楽しみながら話したりしていました。

【しんどかったこと】

子どもが産まれるまでは1日のスケジュールを立てて過ごすほうだったのですが、子どもが産まれてからはスケジュールは意味をなしませんでした。
いつ泣くか、いつ寝るか、いつおなかがすくかわからないし、最初はそれに慣れるのに修行のような気持ちでのぞんでいました。
 
産まれてから2か月ほど経ったころ、「思い通りにならないことを受け入れる」ということに慣れてきましたが、思い通りにならないことを前提に、夫婦の家事や育児の分担について話さないといけませんでした。
分担は、奥さんに負担が偏りすぎないように意識していました。奥さんに先を越されないように先にやろうと思っていました。
奥さんには「こんなにやってくれるとは思ってなかった。愛情曲線の調査だと産後の愛情は低下するらしいけれど、うちはむしろ上がってるぐらい」と言われたのが嬉しかったですね。

【楽しかったこと】

ミルクを飲む量が増えたとか、小さな変化に気づけたことがよかったです。育休をとらなければ気づけなかったと思います。子どもの成長の変化を夫婦で一緒に追えたことが本当によかったです。
育休中には、NHKのEテレに出演することにもなり、色々とできて楽しかったですね。当時の写真が時々出てくるのですが、思い出して懐かしくなります。

【価値観がアップデートしたと思ったこと】

思い通りにならないことに耐える力が身につきました。育児は大変だなと思いましたし、育休をとっていなかったらどうなってたんだろうと思います。ワンオペ育児は不可能です。夫婦の対話が大事だなということは強く思いました。

育休を終えて

【取得期間について】

取得することは早めに決めていたのですが、どれぐらいの期間取るのかは悩みました。もう少し長くても良かったかなとも思いますが、3か月というのは自分にとっては必要十分だったと感じています。3か月で一通りはできたので、気持ちとしては「育休が終わるのが寂しいな」と思うぐらいでちょうど良かったと思います。

【取得した感想】

育休はとってよかったですし、欠かせなかったなと思います。
共働きで親も離れたところに住んでいるので、完全に私と妻とで育てているのですが、一緒のスタートラインから始めて、一緒にできるようになっていけたことが本当によかったと思います。
同時にスタートをきれなかったら育児に関して遅れをとってしまい、妻に気後れしてしまっていたかもしれません。自分が嫌になっていただろうなと思うので、同時にスタートを切れて本当によかったです。

【復帰してから大変だと感じたこと】

復帰してから新しいプロジェクトにアサインされたので、構築から同時に行うことになり大変さを感じました。ですが、妻が1年間の育休を取っていたのでなんとかやれました。自分が復帰する前に、1~2週間ぐらいは1日のスケジュールをシミュレーションして準備していたので、比較的うまく復帰することができたかなとは思っています。

【これから育休取得する男性へのメッセージ】

自分の経験を思うと、育休はとったほうが良いと思います。仕事に関わっていく人生も長くなる中で、数か月とか1年とかは、長い人生からみたらわずかな時間ですね。その時しかできないことなので、強くおすすめします。
育休を取りたくても取れない方もいると思いますが、職場が育児をしている人たちを尊重してくれると、働く人の満足度は変わります。
職場には、介護をしている人など様々な家庭の事情を持っている人がいますが、仕事以外のその人の側面も含めて受け入れてくれる環境だと、エンゲージメントも上がるように思います。
仕事をしている人ももちろん家庭の事情を抱えているので、職場の中で、その人の仕事の部分だけを見るというのはなんとなく世知辛いような気がします。ぼくの職場は、仕事以外のライフの部分も含めて、全体を受け入れてくれるような関わり方をしてくれる職場なので、本当にありがたいと思っています。


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この記事を書いた人


私たちは、こども家庭庁が推進している「こどもまんなかアクション」に取り組んでいます。

「こどもまんなかアクション」とは
こどもの意見を聴き、その意見を尊重し、こどもや若者にとってよいことは何かを考え、自分ができるアクションを実践していくことです。どんなこどものことも考えていきます。
こどもまんなかアクションの展開について
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こども家庭庁のHPよりhttps://www.cfa.go.jp/mannaka-mark/



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