我同盟國(英國)の少年義勇軍に送る文
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函館辨天町二十三番地
菊 池 義 夫(十五)
近頃は毎日の如に眞白い雪が降つてゐるが、
欧州では多分赤い雪が降つてゐるでしょう
ね。諸君は吾吾と同年輩でもはや祖國の爲に
戰塲に立つんだつてね。僕達も永年君達の國
と、親密にしてゐる好もあるし、又軍國の少
年として今君等の壯擧に大いに賛成するよ。
君等の爲に祝せざるを得ない。僕達は君等の
前途に成功の二字が亡靈の如く附纏ふてゐる
如く思はれてならんよ。然し如何なる獨逸で
も、非道の末は今に慚恚する時も來るであら
う。君達は僕等の如く將來有爲なる少年であ
る故命を捨つるのみが國家の爲ではない。む
しろ身體の攝養が大切だよ。そして一日なり
とも早く安泰に功なり、名遂げて、凱旋せられ
んことを蔭ながら祈るよ。(自作證明者 父、
菊池儀一郎)
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(「日本少年」大正四年(1915)三月五日 第10巻4号より)
※懸賞応募作品。
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