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原材料の考え方(ホワイトチョコレート編)

ホワイトチョコレートは業務用で流通しているものに関しては、かなりの種類を試しました。一般的に最高級といわれるものから非常にリーズナブルなものまで幅広く試しました。値段が高いとかブランドがどうとかではなく、そのまま食べるのか、何かと合わせるのか、表現したいものは何か、それぞれの用途で使い分けるべきだと思います。リーズナブルでもなかなかクオリティの高いものもあります。

ホワイトチョコレートと香料

ISSENKAはとにかく抹茶第一主義なので、試作を重ねていくうちに香料が邪魔になってくることに気がつきます。風味の向上のために、ホワイトチョコレートにはかなりの割合でバニラ系の香料が入っていたりします。ただ本当に邪魔になるのか、それともたまたま香料の種類が合わないのか様々な種類を検証していきます。種類だけでなく割合も試すのでこれだけでも相当の時間を費やします。これが楽しい瞬間でもあるのですが・・・大変でもあります。結果的にはやはり抹茶の風味には邪魔になってしまいますね。
ただその中でもしばらく使っていたものはスイスのメーカーのカルマ社ヌイブラン、フェルクリン社のオーパスホワイトです。この2つは価格は高めの部類ですが、どちらも後味がすっきりしていて、日本人向きのチョコレートかなと思います。オーパスホワイトは原料のミルクやカカオバターなどにも強いこだわりを持って製造されています。
ここから香料なしのチョコレートを探すとかなり絞られてきます。調べていて1番に目についたのがカカオバリーのゼフィールという種類です。
ゼフィールは香料が使われていないので、シンプルな乳感、すこし練乳に近いような風味があります。
さっそく試してみるとやはり抹茶の香りが良く感じられるようになり、完成度はかなり上がっていきました。そしてまた配合の調整と試作を繰り返します。ようやく納得の出来になってくる頃に思い浮かぶことがひとつ、、、本当にこれでいいのだろうか。完成が近くなると自問自答が多くなるので必ずこの状態になります。
今の製品が出来る1年くらい前でしょうか、完全無添加で作り上げることは出来ないだろうかと考え始めます。しかし、ここでネックになるのは大手メーカーのものは必ず乳化剤が入っています。大量生産にあたっての安定性や製造時間の短縮かなり重要なものになっています。なので、業務用で業者さんが扱っているものにはありませんでした。
なんとかならないものかと考える日々が続きます。

オリジナルホワイトチョコレート

突破口を見出すために、とにかく無添加のチョコレートを作っている会社を調べまくり、オーガニックチョコレート専門店SOCOLAに出会いました。をこんな一個人のパティシエを相手にしてくれるのか、小ロッドで作ってもらえるのか不安はありましたがすぐに電話してみると、職場の近くですぐに会ってもらえることに。社長の柴田さんは自らベトナムにあるカカオ農園まで購入しにいくような、情熱を持って仕事をしているかたでした。そこでやりたいことを伝えてみると、「やってみましょう」と。自分のこだわったものを作りたいと言ってくれる人と仕事がしたいとありがたいお言葉もいただきました。さらに無添加ということではなく、配合もオリジナルで考えてもらって良いということでした。思ってもみなかった提案にワクワクが止まりません。

奥が深いホワイトチョコレートづくり

そもそもチョコレートの配合割合を考えたことがなかったので、一から勉強し直しになります。ただこういった経験を出来ることで、既存のものを使っているだけでは得ることの出来なかった知識が備わるのです。乳化剤もただ添加物だから使わないということだけでなく、口溶け感、のどの通りかた、後味の感じ方といろいろなところに関連してきます。一般的なホワイトチョコの原材料表を見ていただけるとわかると思いますが、砂糖が一番初めになっているものが多いと思います(原材料表記は使用量の多い順に表記されます)。砂糖の割合が非常に多いので、食べているとのどがイガイガするようにも感じます。
柴田社長のつくるホワイトチョコはカカオバターが一番にきます。これはカカオにこだわりがあるからこそです。そしておのずと砂糖の量も少なくなるので非常にさっぱりとした味わいのチョコになります。カカオバターも自然の風味が残してあるので、粉乳の風味だけではない香りも楽しめます。

ISSENKAのホワイトチョコレート

何度も試作していただきました。相当大変だったと思います、、、笑。
カカオバターの割合、粉乳の種類、砂糖の種類、さまざま試していただきました。粉乳や砂糖の成分によってうまく混ざってくれないこともあります。
途中から原材料産地もなるべく特定していきたいと考えたので、グラニュー糖をつかっていたところを北海道産のてんさい糖に変えました(成分の都合上、和三盆糖は使えませんでした)。粉乳も全粉乳とバターミルクパウダーは北海道産、練乳パウダーは国産生乳を使用したものを使っています。
難題となったのはホワイトチョコで食べると非常に美味しいカカオバターの風味も、抹茶と合わせると上手くいかないこともあるということです。それはカカオバターに自然な香りが残っているためにおきる難しさでした。抹茶の風味にまさってしまうのです。しかし、ほうじ茶はどうでしょうか。相性抜群です。ここのバランスをとらないといけないのです。
またカカオも自然のものなので、その年によって香りが多少異なることもあります。そういったこともありテリーヌの製造時に脱臭されているカカオバターも加えてバランスの微調整を行っています。抹茶やほうじ茶の香りが出はじめるところの見極めや、香りの変化があったときに対応できるようにしています。
原材料表示のカカオバターがベトナム産とガーナ産と表記しているのはそのためです。ガーナ産のカカオバターは国内メーカーの大東カカオのものを使用しています。最初はまさかホワイトチョコからつくるなんて考えてもいませんでしたが、この経験で得た知識は間違いなくテリーヌづくりにも生きていますし、なにより最高のISSENKAオリジナルチョコレートが出来たと自負しています。

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