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【化粧品を100個】で生産!? 実際いくらかかる?原価のハナシ。

化粧品OEMプランニング&デザイナーを生業としているコスメクリエーターの渡辺一生です。今回は、「個人で100個からの化粧品は作れるのか?」そして、実際に作った場合「いくらかかるのか!?」をお話をしていきたいと思います。

個人で化粧品をつくるなんて、大変そうだし、何から始めていったらわからないし、資金力がないとむずかしんじゃないの…?と色々、思うところがあると思います!どうでしょう?SNSや化粧品関連の記事を見渡してみると、そこそこのインフルエンサーさんがオリジナルの化粧品ブランド!を作ったり、地方の方で、捨てられてしまう野菜を化粧品原料として抽出し、その成分を配合した化粧品を作り、地域おこしの一環として活動していたり。小さいながらもスモールスタートを切って、実際に化粧品ビジネスを始めている例は意外とあるのかなぁと、思います。

そこで、今回は実際に化粧品をつくるにあたって、何から始めるか、どんなことを考えないといけないか。資金はどのくらい必要か、そもそもOEMとは何か?など気になる色々を書いていこうと思います!



1.そもそも化粧品OEM会社って?

■ 化粧品OEM会社とは?

化粧品OEM会社化粧品受託製造会社とも呼ばれ、発売元=ブランドメーカーに代わって化粧品の製造を代行して行います

化粧品の製造に関する設備やライセンス、知識と経験・ノウハウが揃っているため、化粧品OEM会社に委託すれば、異業種からの企業様や個人様、どんな方でも化粧品業界に参入し、商品を生産することができるんです。

私の体感値的に店頭で売られている商品のだいたい7〜8割は実際に、化粧品OEM会社を活用しながら、化粧品ブランドを立ち上げているメーカーという印象です。

■ OEM・ODMは何の略?

そもそもOEMとは「Original Equipment Manufacturer」の頭文字をとった略語です。日本語訳としては「他社の商品製造する」といった意味合いで使われています。一方、ODMとは提案型の受託製造会社です。「Original Design Manufacturer」の頭文字です。OEMは一般的に完全受託製造ですが、ODM会社は企画提案・デザインまで行います。そういうチームを社内で内包している場合が多いです。

OEM会社は化粧品に限らず、食品電子機器、自動車など様々な業界に存在します。スーパーやコンビニなどで見かけるPBと言われる「プライベートブランド」もほとんどが化粧品OEMメーカーが作っているんです。

このように、OEM会社に依頼すれば、知識や工場を持たない企業や一般人でも簡単に自社ブランドを立ち上げられます。


■ OEMメーカーってどこに表示されるの?

化粧品の裏面表示に目を向けてください。製造販売元に記載されている会社が製造会社になります。一般的には名の知られていない企業がほとんどですが、化粧品業界の中でもOEMは大きな割合を占めています。そして、化粧品作りに関して、わからないことがあれば、ひとつひとつに説明してくれる心強い存在です。実際に活用した場合、依頼側の知識がゼロでもわからないことを一つ一つ教えてくれ、商品化を実現できます。※ただし、製造販売元に記載されている会社が作っているとは限らない場合もあるので、注意が必要です。その先の協力会社に依頼している場合も往々にあります。それをファブレスのOEMと呼びます。


さて、それでは本題です!

2.「いくつ作るか?」と「予算」の設定

いくつ作るか?これはもちろん小さい方が良いと思いますが、数量が少なくなればなるほど自ずと単価は上がります。ご自身の資金力と、どのくらいの利益を見込んでいるかの折衷案が最適解だと思います。

次にいくらかかるか?実際に化粧品を作るのに必要な予算・必要資金のお話をお伝えします。これは誰もが一番気になる点ですよね!皆目見当もつかないという方も多いはず。ズバリお答えしたいところですが、これも内容によって変わるので、あくまで目安ということで頭に入れておいてください。実際に1商品作るのに、大体いくらぐらいかかるかの相場・実情を知って、そこから自分のレベルに合わせて、慎重にご検討ください。



それでは、具体的な価格を見ていきましょう!

具体例)スキンケア 30mLの美容液を100個作った場合です。
※あくまで参考としてご覧ください※

3.「100個生産、美容液を作った場合」のコスト


かかるものの内訳徹底解説!

1. 中身 2. 容器 3. 容器ラベル 4. 化粧箱 5. 外箱(段ボール)


さらに解説!

4. 「どこでどうやって、100個で作れるの?」のハナシ

上記のように実際に作った場合の値段を記載しました。それでは次にどこで手配をかける?のお話です。

◉ 中身(バルク)製造 700〜1,000円
→ 中身は企業秘密=直接問い合わせでお願いします。大ロットに向いているOEMメーカー様もあれば、小さいロットの方が望ましいというOEM様があったりと、OEMメーカーも色々な個性があります。

◉ 容器 300〜600円
→ 「武内容器」
は国内の容器メーカーで、100〜仕入れることができる業界では有名な小ロット対応の容器メーカーさんです。カタログをより寄せることで全ての容器の値段が書かれています。(私の場合は独自ルートで印刷・加飾ありで100個から仕入れるコネクションがあります。こちらは企業秘密=直接問い合わせください。)

◉ 容器ラベル 250円〜500円
表裏一体型の同巻きラベル or 表裏別で値段が変わります。
「ラクスル」「グラフィック」
という会社でさまざまな容器・箱ラベルを少ない数で仕入れることが可能です。現に私も多用させていただいております!

◉ 化粧箱 350円〜800円
箱の設計・印刷の相談等必要になりますので、化粧品に特化した印刷メーカーなどで500〜1000枚で仕入れることになります。初期費用も数万円かかります。小ロット対応の化粧箱メーカーは企業秘密=直接問い合わせでお願いいたします。

■ 小ロット100個生産のメリット・デメリット

メリット:在庫リスクが低い / 次の商品に切り替えやすい / 初期費用がかからない
デメリット:単価が割高になる / 選べる容器が限られる・少ない / ラベル仕様が一般的

\ 結論 /

100個生産は合計は20〜30万円ぐらいで作ることができます。なんなら、小ロットの製造会社様と資材の仕入れをうまく直接やりとりができれば、20万円前後で作ることも可能です。ただし、化粧品開発にはやることがたくさんありますので、化粧品OEMメーカーに任せた方が色々とスムーズです。

\100個生産のクオリティ最新情報はこちらから/


5. 1000個 / 3000個生産の価格は?

製造生産ロットが大きくなればなるほど1個あたりの費用は下がります

・LOT 1000個:総額80万円前後 単価は800円前後
・LOT 3000個:総額200万円前後 単価は600〜700円前後

※含まれるもの:容器や資材手配/販売名届出/薬事確認/製造・生産/輸送費等々全て込みの値段です。
※もちろん、アイテムによって単価のばらつきがあります。又、OEMメーカーによっても価格の違いがありますので、その都度、見積が必要です。あくまで参考としてください!

化粧品の原価は定価の20%と言われています。化粧品の研究開発費や安全性のテストなどの費用、生産者側の労務管理費、営業所・工場の固定費などのランニングコストなど様々な費用が含まれます。一方で、その価格以外に研究開発という日々の弛まぬ努力、業務効率性を突き詰めた原価努力があっての製品化ですので、原価ばかり見るのもナンセンスですのでご注意くださいね!


結論、「100個から化粧品は総額30万円でつくれます!」と言うことで、
今回は価格まで切り込んでみましたが、いかがだったでしょうか?
1000個、3000個と数量が増えていった場合にいくらぐらいになるかも参考にしていただき、化粧品開発を目指してみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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profile

2011年武蔵野美術大学卒業。関西某化粧品OEMメーカーの商品開発部に入社。その後、化粧品メーカー、フリーランスを経て、現在は関西の化粧品メーカーのクリエイティブディレクターを務める。今まで、累計数百以上の化粧品開発に携わった経験と商品企画・原料・資材購買・薬事法など、業界専門知識を有するデザイナー兼OEMディレクターとして活動中。化粧品業界の面白さやギモン?を発信していきます。化粧品検定1級
・株式会社プルソワン|取締役
・IWD |フリーランス/ポートフォリオサイト
・株式会社クリエイティブ・ラボ|家業

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