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中国製EVの脅威

日本の代表的な産業といえば製造業であり、その代表的なひとつが自動車産業です。自動車は、CO2規制などもあり、EV(電気自動車)化の流れが加速化しています。

そんななか、中国製のEVが躍進を遂げているようです・・・が、これを単に「中国凄いね」で見過ごすことはできません。何故なら、このことが私たちの生活に良い影響を及ぼすとは思えないからです。

中国のEVついて、日経ビジネスによくまとまっている記事があったので、まずはこれからご紹介したいと思います。

この記事全体を読めば分かることですが、ものすごくザックリいうとこの二つです。

①中国のEVは、中国共産党が世界中から抜いた技術で作られている
②中国政府が大規模な助成金を出すからトンデモない安さで販売される

本来、自由経済というのは、何でも許されるというものではありません。自由競争をするためのルールがあり、それに則ってより良い製品やサービスが消費者に届けられるようになっています。そのことで、消費者は高い便益を得られるわけです。しかし、中国はそのルールを守りません。中国という国は、中国共産党が独裁政治を行っているので、普通の民主国家ではできないようなことが可能なのです。

最も分かりやすい例でいえば、強制労働です。強制労働には、正当な対価が支払われません。当然、その分安く作ることができます。もっと踏み込んだ言い方をすれば、臓器売買もあります。健康な人から臓器を抜き取って売れば、それだけで大金が入ってきます。通常の民主国家では、絶対にありません。しかし、中国共産党という組織は、そのようにありとあらゆる手段で得た資金を、例えばEVのような戦略産業に補助金として注入していくわけです。そのような補助金をもらった企業は、利益度外視で製品を売っていくことができます。

米国は中国に対し、関連産業への補助金といった政府支援の中止など計画の抜本的見直しを要求した。中国は応じない姿勢を続けている。
※日本経済新聞「中国製造2025とは 重点10分野と23品目に力」2018年12月7日より引用

日本のような民主主義国家の枠組みの中で作られた製品が、こうした一党独裁のルール無用の社会で生み出された製品に勝てるはずがありません。こうした競争が続けられてしまったら、日本の産業はいずれ崩壊してしまいます。

日経ビジネスの記事の中で、中国製EVの価格設定については、以下の通り書かれています。

ファーウェイの例を背景に置いて、42万円の「宏光MINI EV」を判断するなら、おそらくは42万円どころか4万2000円だって構わないのだと思われる。もっともらしい価格を付けているだけで、原価と利益の関係はもともと健全なものではないのだ。
※日経ビジネス「中国製EVをうかつに評価すると何が起こるか?」2021年2月21日より引用

中国製EVの価格は、あってないようなものだということです。中国がEVを重点産業に指定して、そこに資金を注入している以上、その価格をいくらにしようが、中国の自動車メーカーが困ることはないというのです。日本の自動車メーカーが、こんな環境の中で、まともな競争ができるわけがありません。今後の日本の製造業の行く末が、大変危惧される状況なわけです。

問題は、日本の製造業に留まる話ではありません。EVは電子機器の塊です。カメラ、マイク、センサー、GPS・・・今後、それらがネットワークで繋がっていくでしょう。EVというのは巨大な情報収集装置でもあるのです。当然、EVから収集された情報は、中国共産党に筒抜けになっているくらいのことは、考えておかなければなりません。中国というのは、監視社会であることでも有名です。その中国製EVなわけですから、これに乗っている日本人の日常の会話や位置情報などは、常に監視されていると思っておいて、ちょうどいいかもしれません。

このように考えると、中国製EVが日本に入ってくるということは、単に日本の産業にダメージを与えるというだけでなく、一般の日本の消費者にとっても、大変深刻な問題なわけです。私たちは、こうした中国製EVの脅威をきちんと知っておく必要があります。

しかし、日本のマスコミは一体なにをやっているのでしょうか。

中国で人気の小型EV。最大の売りは、日本円でおよそ48万円~という超低価格です。安さの秘けつは、ぎりぎりまで機能を抑えたこと
※NHK「中国“超低価格”EV人気の秘密」2021年4月15日より引用

日本の産業にとっても、消費者にとっても脅威である中国製EVを褒めちぎり、国民の購買意欲を誘うような報道をしています。「安さの秘けつ」は、「ぎりぎりまで機能を抑えたこと」などという小綺麗な紹介ではなく、「中国共産党の重点産業」だからです。その本質を報じないのは、国民にその脅威を隠しているからなのではないでしょうか。

NHKについては、国益に反した放送がたびたび問題になっています。この放送局が、国営放送のような顔をしていることには、本当に困ったものです。この話をするとまた長くなるので、今日はこれくらいにしておきます。

とにかく・・・中国製EVには気をつけてください

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