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各自がリーダーの三次元組織
組織というものについて考えます。組織図というと、大体、一番上に「社長」のような最高責任者がいて、その下に重役がいて、部長がいて・・・と上から下に広がるようなかたちをしています。
私はこれを1次元組織と呼びたいと思います。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61338914/picture_pc_48a2ea6bf85e091a5215dba82385ef9e.png)
人や部署が点だとしたら、それらが線によって結ばれることで組織を表現することができます。おそらく、これが最も一般的な組織の考え方ではないかと思います。
これに対して、2次元組織というものは、例えばそこにプロジェクト制のようなものがあるイメージです。人の所属は「部署」と「プロジェクト」の2つの軸で表されます。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61339259/picture_pc_3da619b1982e4623c30a0420d3aeab36.png?width=800)
なかには、複数のプロジェクトに参画する人などもいるでしょうが、人の配置を表す軸としては「部署」と「プロジェクト」の2つであり、2次元的組織と言えるのではないかと思います。
これとは若干異なりますが、アメーバー経営というのもあります。これは京セラの稲盛和夫氏が提唱したものです。京セラのHPによると、以下の通り記述されています。
アメーバ経営は、稲盛和夫の「会社経営とは一部の経営トップのみで行うものではなく、全社員が関わって行うものだ」という考えが貫かれています。
組織をアメーバと呼ばれる独立採算で運営する小集団に分け、その小さな小集団にリーダーを任命し、共同経営のような形で会社を経営していきます。
各アメーバの活動の成果を分かりやすく示すことで、リーダーを中心に全社員が自分たちの収支を意識するようになり、それぞれの持ち場・立場で持てる能力を発揮し、利益確保に取り組むようになります。こうしてアメーバ経営は経営者意識を持ったリーダーを社内に育成すると同時に、全従業員が経営に参画する「全員参加経営」を実現します。
※京セラコミュニケーションシステム株式会社HPより引用
これを私なりの解釈で整理すると、以下のような図になるのではないかと思います。一般的な組織が社長を中心とする「①」のようなかたちだとしたら、それ以外のところにリーダーが生まれて「②」のようなかたちとなり、そこを中心にしてさらなる小集団が形成されることで「③」になるようなイメージです。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61350563/picture_pc_dcd7d4df804e08ab1b768c532043c912.png?width=800)
このアメーバ経営的な組織も、そういう意味ではこのようにして2次元的に捉えることができるのではないかと思います。
しかし私は、これからの時代において、3次元組織が必要ではないかと思っています。何故ならば、上記のような2次元組織では、以下のような問題があるからです。
1.自由に繋がれない
2.誰もがリーダーになることが難しい
まず「1.自由に繋がれない」という点です。
例えば、ある農業プロジェクトを進めているのですが、新しく農薬を作らないといけないとします。農薬を作る達人の「ばなな」さんが、別のプロジェクトにいることは知っています。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61355389/picture_pc_2e786395e44fe60599fecad526f9a72b.png?width=800)
しかし、「ばなな」さんは既に2つの別のプロジェクトに参画しているので、それぞれのプロジェクトリーダーの許可をもらわないといけません。「ばなな」さんを動かすのは、結構大変なのです。
仮にその調整ができたとしても、さらにそれを2次元組織として管理し、表現するのも大変です。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61352765/picture_pc_b34ee8083c5516c4b0b30df310339ed1.png)
組織図として管理、表現するのが大変ということは、そういう考え方で組織運営をすることは難しいということです。
このように人一人動かすのですら大変なわけですから、誰か新しい人がリーダーになって、そこにいろんな人を集めてくるなんていうのは、ものすごく難しいのは自明です。
したがって、「2.誰もがリーダーになることが難しい」ということになります。
こうした問題を解決するためには、組織は3次元的に捉える必要があると考えます。イメージとしては、このようなものになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1643316619212-fZM6bj18nU.png?width=800)
こうした3次元モデルで組織を捉えると、そこに中心を作る必要はありません。
否、どこの点をとっても、その点を中心にして組織図を展開できるわけです。つまり、誰もがリーダーになることができるということになります。
先日、投稿した「自分なりにチームを作ろう」というのは、すべての人・ひとりひとりが、それぞれリーダーになって、こうした3次元組織の一部となって、活躍していけばいいという思いで書きました。
人生の全部でなくてもいいのです。ほんの一部でもいいから、「同じ方向を向いていそうな人」、「一緒にいて楽しいと思える人」、「話が合う人」。自分なりにそういう人たちと繋がって、「チーム」を作ってみるのがいいと思います。
いずれそれが、世の中を動かす大きな力の源泉になっていくように考えます。
自分の役割を考えて、特定の少人数とだけ繋がれていればいいという人は、大人数のチームにする必要はありません。コンパクトにしていていいわけです。
逆にたくさんの人と繋がって、いろいろな人たちの力を借りて進めたいという人は、たくさんの人に「線」を繋げて、にぎやかなチームにすることができます。2次元組織図ではできないことです。
このモデルをどのように組織に適用し、管理していくのかという問題は、機会をあらためたいと思います。ただ例えば、これから作ろうと思う新しいコミュニティーのかたちには、こういう考え方が根底にあるといいのではないかと思うのです。
みんなができることをして、それぞれが責任感をもち、リーダーシップを発揮する社会・・・私は、実現できると思います。
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