少しずつ自立を考えてみる
オミクロン株がどれだけ脅威かの議論をすっ飛ばし、よく分からない「感染者」という人の数で、煽りに煽っています。想定通り、これでワクチン接種に向かわせようということのようです。
「感染拡大→ワクチン接種!」、型通りの展開です。
オミクロン株の毒性については、合併症などの問題を論じるところがあるにせよ、大騒ぎするレベルとは思えません。
でも、そんなことは、一切関係ありません。イタリアやフィリピンでは、かなり過激な報道も出始めました。
ワクチン未接種者は給与ストップだの、逮捕だの、かなり物騒なワードが並びたてられています。
こうした動きが、日本でどれだけ広がるかは分かりません。しかし、ワクチンの問題に気づいて、これを避けようとしている人たちが、これから行き場を失ってしまうようなことは、十分に考えられます。
行き場を失うというのは、すなわち今の社会システムから、はじかれていくということです。それは社会の仕組みにどっぷりとはまってしまっている人こそ、大きなダメージを受けてしまうということを意味します。
これに関連するようなこととして、養老孟司さんが、興味深いことを話されています。
日本は昔に比べて、急激に自営業が減り、代わりにサラリーマンが増えたという問題です。
つまり、自営業のような個人の力ではなく、組織に依存したサラリーマンの比率が、急激に高まってしまったことに問題があったのではないかという指摘でしょう。
一概に、良い・悪いと言えるものではありません。
しかし、このような指摘から考えられるのは、サラリーマンという存在が、社会の仕組みにどっぷりはまっている人たちとみることができるのであり、国家による締めつけにより行き場を失いやすい、弱い立場かもしれないということです。
単純に自営で農業、しかも循環型農業を営んでいるとしたら、その生産に関わる要素は、それほど複雑ではありません。目の前の畑で、どれだけ作物をとれるか、それで収入が決まるわけです。
それに比べて、一般の多くのサラリーマンでは、その勤めている企業というのは、仕入先や販売先だけでなく、取り巻く市場や法律といった社会システムが複雑に絡みあうなかに存在しています。
社内においても、生産部門や営業部門だけでなく、経理や法務といった管理部門など、複雑な組織体系になっています。そうした複雑な仕組みの中で経済活動が達成されて、その結果として給料をいただけるわけです。
その仕組みがある以上、比較的安定した収入が望めるとは言えます。しかし、逆に言えば、そこから放り出されてしまうと、突然、無力になってしまうような存在ともいえるのです。
そのような組織に身を預けてしまう以上、社会の仕組みに合わせて生きていかざるをえません。つまり、その仕組みに対しての締めつけが強まれば、自由を求めていくことが難しくなるわけです。
そして今、労働人口の大多数が、そうしたサラリーマンだとしたら、社会全体としては、それだけ脆弱になっているとみることもできます。
これに対して、給料をもらわなければいけない立場ではなく、自分で稼ぐことができる立場の人は、少し違ってきます。
そういう人たちは、サラリーマンに比べたら、自分自身の力で、自分の生活を成り立たせています。その分、自立性が高いので、社会システムの変化にあわせて、小回りがきいた動きも可能です。比較的、自由を求めて行動することもできると言えるでしょう。つまり、それだけ強い立場とも言えるのです。
あ・・・いえ、でも自営業も大変です。給料がもらえない以上、サラリーマンに比べたら、断然、生活は不安定だし、めちゃめちゃ弱いとも言えます。
そう。結局、一概にどちらがいいというわけではないのです。
そこで考えるべきポイントは、いかに変化に強い生活スタイルを確立するかということになります。
このあたりの問題については、私がお世話になっている農園のグループの方に「今の仕事を続けつつ、できる範囲で農業をすればいい」というアドバイスをいただいています。
私は、その通りだと思っています。
先ほども述べましたが、自営業とサラリーマン、どちらが良い・悪いという話ではありません。そんなことは、一概には言えるわけがありません。
しかし今、大げさでなく、世界全体が激しく変化してきています。
笑い話の類ですが、こんなことが現実に起こる世界になっているのです。
ミニオンかよっ!?
わけ分かりません。冗談みたいにメチャメチャな世界です。しかし、これが現実です。
こんなメチャメチャ化している世界のなかで、どのように自立するか、どのように自由を確保するかというテーマは、これから真剣に考えていく必要があると思うのです。
サラリーマンでもいいと思います。でもこの先、少しずつそこだけに頼らない、また少し別のところに軸足を持った自立した生活について考えてみるのも、非常に大事なのではないでしょうか。
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