マンボウが農業に与える影響
マンボウ、始まりましたね。
政府の政策については、多方面から疑問が呈されていますが、もうコレはコレです。やるというのだから、仕方ありません。
毎度、言われることではありますが、この措置を実施すると、飲食店の営業に大きな影響が出ます。
これについては、いろいろな方が、さまざまな視点から問題指摘をされているので、ここではあまり踏み込みません。
ただひとつ、今回のマンボウの報に触れて、あることを思い出しました。それは今年、私が借りることになった農地についてです。
元々、そこはご高齢の地元の方が、コメを作っていたそうです。そして、そのコメは、近くのホテルに納めていたといいます。
しかし、度重なる緊急事態宣言や自粛の呼びかけなどにより、ホテルでの需要が減ってしまい、コメ作りをやめてしまったというのです。
人が生きるうえで、ホテルで食べようが、自宅で食べようが、消費する食べ物の総量は、そんなに大きく変わるものではないと思います。しかし、それを生産している人たちからすると、売り先が変わってしまうとなると、なかなかに大変なことになります。そのことによって、農業の継続が難しくなるということがあるのです。
さらに踏み込んでいえば、ここ最近、飲食店が直接、生産活動にまで乗り出す「6次産業化」も進んでいました。
この動きにより、外食産業(飲食店)が、直接、農業(第1次産業)との結びつきを強くしていったのです。場合によっては、第1次~第3次産業までが一体化するというところまで出てきています。
当然、飲食店への締め付けは、より一層、農業を含む第1次産業への締め付けとなってきます。
問題は、農業を継続できなくなる人たちが増えてくると、どういうことが起こるのか?ということです。
このように、これまで農業と関係がなかった企業が、入ってくるようになるでしょう。当然、農業を諦める人々が増えれば増えるほど、こういう企業に大きなビジネスチャンスが転がり込むことになります。
市場主義・資本主義的な考え方からすれば、それは歓迎すべきことなのかもしれません。しかし、私たちにとっては、必ずしもそうではない点、考慮しておかなければなりません。
いやいや・・・それでも、大企業が農業に進出してくれれば、新しく雇用を創出してくれるんだから、それはそれでいいじゃないか?
例えば、農業の新規参入を狙っているオリックスでは、一度雇用してしまったら、それを「既得権益」と考えるようです。もちろん、考え方はさまざまですが、労働力を安く調達し、要らなくなったら簡単に解雇できるように求めるような企業が為す雇用創出に期待しろというのは、ちょっと無理があるのではないでしょうか。
また、農業の継続を難しくするのは、これだけではありません。
肥料の調達が難しくなれば、これもまた農業従事者を締め付けることになります。
中国という国がどういう国かを知っていれば、今の農業が非常に危険な状況にあることが理解できるはずです。
一方で、同国が行っているのは、食糧の歴史的備蓄だといいます。
私たちは、これから先の時代を生きていくうえで、真剣に食べ物のことを考えた方がいいと思います。
今年、インフレがくると言われています。
インフレが起これば、物価は高騰します。一番、困るのが、私たちが生きるうえで必要なもの・・・食べ物です。
これから考えられる食糧危機に備えて、備蓄をすべきという人たちもいます。私も、その一人ではあります。しかし、備蓄などというものは、一時的な解決策であり、緊急避難的な手段でしかありません。
今、構造的な変化が起こっている以上、そうした危機に備えるには、自分たちの生活スタイルや構造自体を変えていく必要があると思います。
毎度のことですが、農業、考えましょう。
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