Jリーグ通訳はクビになる。 何をし、何ができ、何がゴールなのか。 通訳から見るキャリア形成。
クビになる選手がいるように、クビになるスタッフもいる。
通訳もその1人。
それが1年ごとに起きる。もしくはシーズン途中で仕事がなくなることもある、担当の外国人選手がいるからこそ、自分でなんとかできない部分も多い。
そんな通訳の仕事は見えない部分が多い。
だからこそ、Jリーグの通訳は
・どんな見える仕事、見えない仕事をしているのか
・何に苦しみ、何に喜びを感じるのか
・Jリーグ通訳のゴールとは何か
こんな感じのことについて書いていこうと思います。
今回のトピックで書いてみようと思ったのは、僕が去年と一昨年通訳としてサポートしていた選手が日本を離れて帰国することになったこと、
現在起業して英語コーチとして活動をしている中で、受講される方たちの中に「将来はアスリートなどの通訳になりたい!」って方も多くいるので改めてまとめてみようと思いました。
大前提として
僕はJリーグで2018年の途中から2021年まで英語通訳として約3年間働かせていただきました。
まず言えることとしては、
濃かった。きつかった。学びが多かった。幸せだった。
です。
辛いこともめちゃくちゃあって21歳の僕のメンタルぶっ壊れそうになったりもしながらも、幸せに思うこともめちゃくちゃありました。
その3年間で僕の役割も含めて多くの変化がありました。想像できないようなことも色々起きたりもした毎日を過ごしてたりもしたのでこれからどんどん書いていきます。
いろんな感情の変化も経験しました。
21歳でJリーグ通訳になるまでに18歳まで僕は本気で広島でサッカーをしていました。
それでもサッカー選手になるという大きな夢が叶わないことを自覚しサッカーを辞めて、学校の成績も全然良くなかったのでなんとか急いで勉強してギリギリ入れた東京の大学に進学しました。
そして大学2年の代にニューヨークへ約1年間の留学にいきました。
それから帰国して大学を辞めて21歳の時に通訳としてその時日本1だったチームで英語通訳として働き始めました。
通訳として働き始めて1年目からすぐにACL(アジアチャンピオンズリーグ)があり、そこでは記者会見の英語通訳としてファビオカンナバーロ監督や本田圭佑さん、ケビン監督の通訳もさせていただきました。
めちゃくちゃ緊張したのを今でも覚えています。
そしてそんな経験(ほとんどの通訳はその経験をすることが一生ないほど貴重な場での通訳)をさせていただいたことには感謝でいっぱいです。その成功体験は今の僕の背中を常に押してくれています。
同じクラブで2年くらい働いて、その後そのチームから選手と一緒に違うチームへ移籍しました。結果的にはそのクラブでJ1昇格を果たすこともでき、担当していた選手もリーグトップのアシスト数を記録するなど、新たな歴史を作ることができました。
そして今では通訳の仕事を自ら辞めて起業し、英語学習者をサポートする英語コーチングサービスをしています。国内外の選手、監督、コーチ、なども含めて、会社員、学生、アーティスト、経営者、人生模索中の方、子育て中・育休中のママやパパをサポートさせていただいてます。
‘‘英語で人生アップデート’’ が大きなテーマで、英語力を爆上げ、それだけじゃない部分もかなりレベルアップさせて個人の可能性を広げて人生をアップデートすることを大切にしています。
Jリーグでの仕事は一生続けたいと思うほど魅力的なもので、起業するために辞める決断をクラブに伝えるのにもかなりの覚悟が必要でした。
辞めることを伝えた時にはクラブのスタッフと一緒に僕も泣きました。
それくらい素敵なやりがいのある仕事です。
ここからそんなJリーグ通訳の仕事について書いていきます。
Jリーグ通訳ってそもそも何をしてるんだろう
ってことを考えた時に、意外と分からないことが多くあると思います。
それは見えない部分の仕事がいっぱいあるのと、チームや通訳個人の能力によって仕事の範囲が大きく変わってくるからだと思います。
試合中や試合前後のインタビューで通訳をする場面は見たことがある人も多いとは思いますが、まず担当する外国人選手またはスタッフが来日する前の仕事から、何をするのかってことについて、なかなか見ることのできない部分の仕事についても書いていこうと思います。
来日前
クラブから担当する外国人の連絡先をシェアされ、日本から連絡をしてコミュニケーションをとる。
日本に来る前の段階で担当の選手に連絡をしてお互いを知り、来日後のスケジュールについてシェアしたり、準備している家や車について説明したりする。
来日する前に特別な要望などがあればそれについてもクラブと相談して検討する。(例えば、子どもが一緒に来るからその子のための学校を手配することや、持病を持っているならその対応のできる病院についても把握しておくこと)
通訳としてはその外国人選手の情報についてできるだけ調べておくことがとても大切になってくる。どんな生い立ちで、どんな経歴を持ち、どんな性格で、どんな話し方をして、何を好んで何を嫌うのか、宗教などはどんな信仰を持っているのか。
クラブからシェアされる情報だけではなくできるだけ自分でも得られるだけの情報を得ることで、実際に訳す際にその人の言葉の意味や意図を汲み取って話すことができる。
特定の宗教や食事の嗜好で食べられない物がある場合については、それに対応してるレストランやスーパーなんかについても調べてリストアップしておくことができるとすごく大きなサポートにも繋がる。
来日後
来日後は空港に車で迎えにいき、その選手の家が決まるまで滞在するホテルに向かう。ここで実際に会うのは初めてになるから、ここでの第一印象はめちゃくちゃ大事で、会う前に何回も会うイメージトレーニングをしておくことでスムーズに信頼してもらうための第一歩につながる。
初めての時はほんまに緊張したなぁ。笑
この時に選手の代理人(日本人と外国人両方)も一緒にきてることが多いので食事を一緒にしたりしていろんなことをシェアしていく。
それからクラブに挨拶をしてメディカルチェックなどを特定の病院で行い、実際に契約書などにサインしたりする。
そしてチームと合流して挨拶をして選手がチームにできるだけ早く馴染めるようにコミュニケーションを円滑にしていく。
そしてメディア向けの記者会見を実施したり公式の写真撮影などもする。
だいたいこんな感じのことが一連の流れです。
なんとなくここまでは想像することもできると思います。
見えない仕事
そしてここからは実際には見えない部分の仕事について書いていきます。
海外の選手の場合は契約書を英語に翻訳したりします。
かなり大きな額が関係する契約であることが多いので最新の注意が必要ですです。こんな感じの事務作業もありますが、基本的に全部やります。
簡潔に説明すると、その選手が必要なこと全てをサポートすることが仕事です。
マネージャーのような働きをすることがいっぱいあります。
例えば、その選手の住んでいる地域のゴミ捨てについて説明してしっかり分別してゴミを捨てるようにしたり、生活必需品があればそれを買うことのできるお店に一緒に行って何がどこにあってサイズは合ってるのかなど全てチェックしてサポートします。
そして外食する場合にはそのお店に予約すること、出前をとること、その際に食べられない種類の食材などの有無をチェックすること、病院に一緒にいくこと、ジムを契約すること、おすすめの観光スポットについてシェアすること、その街の歴史や特徴について説明すること、おすすめのレストランを紹介すること、チームメイト達の選手としての特徴や性格について教えること、日本で生活していくために必要な知識を伝えること、メンタルケアをすること、モチベーション管理をすること、良い聞き手になること、友達のように楽しくできる相手になること、家族のように大切な存在になること、言いにくいことでも仕事仲間として必要なことを言うこと。
など。
とにかく情報量と情報の質、それをすぐに引き出すことができることが大切なのでめちゃくちゃ調べて知識を得ていました。
担当してた選手からは「Wikipediaやん!笑」って言われたりしてました。
そのくらい知識を持ってることは超大事だと思います。
自分の担当する選手が持ってる以上の知識を持ってないと、通訳をする時も言ってる意味が分からなかったりするのでどれだけ英語力があっても無理なことがあります。
とにかく学び続けることが大事です。いっぱい学んだり経験をすることで、サッカー以外の話をできることも大きな価値があって、オフの日までずっと仕事の話ばっかりになってしまうとストレスを感じる選手もいるからです。
その選手が車の運転をできない場合は送迎などもすることになるので、オフの日とかって概念があんまりないことが多いです。
オフの日に自分の時間がなくて辛いって言ってる通訳さんもいますが、担当する選手との関係性や環境、どこで線引きをするかにもよってそこは変わってきます。
オフの時は選手1人で単独で生活できるようにしておくことで良いバランスが保てることもあるし、オフまでサポートすることでより頑丈な信頼を得ることにつながることもあるので、そこはその通訳の方次第になります。
ただ、現場で働く通訳の他に、生活のサポートをしてくれる人を雇っているクラブもあるので、クラブによって仕事量は変わってくることもあります。
僕の場合は、常にオフの期間も準備万端にしておいたのでお酒もほとんど飲まなかったです。
その理由としては、選手がもし事故に遭ったり急に体調が悪くなって倒れてしまったりした時(最悪のケース)に備えていたからです。
ここはプロ意識というか、プロを支えるにはその人以上にプロである必要があると思うのでその意識は常に持って生活していました。
そんな時にApple Watchはめちゃくちゃ助かります。
基本的に連絡きたらすぐに気付けて1分以内には返してたのでそうゆう面でもかなり信頼を得るための行動をできてたと思います。
そんな感じで常にしっかり仕事してたら3年目に選手から新しいApple Watchをプレゼントしてもらいました。笑
そして毎日筋トレすることも習慣化できたし健康な体を得るための生活に持っていけてたのでラッキーって気持ちで楽しんで頑張りました。
今も週4~5は筋トレしまくってます。
今日もいきます。
筋トレ最高です。
コツコツが勝つコツ。ガオっ。
筋トレについて書きまくりたいですが、今回は我慢します!笑
通訳として日本人スタッフとどう関わるか
もちろん通訳なので担当してる選手をサポートすることがメインの仕事ですが、それと同様に日本人選手達やスタッフとの関係もとっても大切です。
その関係がしっかり構築できていないと外国人選手が伝えたいことを通訳が訳してもそれを日本人選手やスタッフに受け入れられないことにもつながってしまうこともあります。
これは最悪なケースです。
通訳の発言が受け入れられないことで、本来だったら外国人選手が伝えることのできることが伝わらない。そんなことは絶対に起きてはいけません。
もちろん全員がプロとして働いているのでお互い理解をしてはいますが、気持ちが荒ぶってる時とか言われたくないことを言われる時は日本人同士でも嫌なので、そこに通訳が入ると直接言われていない感じがしてもっと抵抗があったりします。
そしてその通訳が若い場合は余計に難しさがあるので、日頃のコミュニケーションが信じられないほど大事です。
担当する外国人選手の信頼を得るだけではなく、日本人選手やスタッフ達からの信頼を得ることがめっちゃ大事です。
そのために全身全霊をかけてプロとして働くことを常に意識してました。
そうするとお互いにリスペクトが生まれるのでコミュニケーションも円滑になり、全てがスムーズに進むようになり、チームへ良い影響が出ます。
年齢を重ねていることで働きやすかったりもする面が通訳にはあります。特にベテランの選手に対して何かを通訳して伝える時は、若い通訳としては結構エネルギーが必要ですが、そのベテランの選手と同年代や年上の通訳なら伝えやすかったりします。
僕がJリーグの通訳として働き始めたのは21歳になったばかりの時だったでJ1でも最年少だったし、もちろんスタッフの中では1番若かったですが、年齢に関係なく求められるパフォーマンスをしっかり発揮するために毎日試行錯誤をしていきました。
タイミング、言葉の選択、言葉のテンション、表情、緊急性の判断、敬語か命令系か、ピッチ外かピッチ内か。などにめちゃくちゃこだわりました。
ただ結局は通訳をする以前の人間性だったり、普段のコミュニケーションを通じての信頼関係が何よりも大切。結局ここが一番で、ここを飛ばしていては良い仕事はできません。
信頼を得るために良いパフォーマンスを常に発揮して貢献し続けることに従事して毎日を過ごすことができていたのは自分の仕事に対してのプロ意識を磨いていくことにとても活きました。
年齢を重ねてることで得られるメリットもすごくあるなって思いましたが、年齢を重ねてることだけで得られるメリットや尊敬では足りないと思います。
毎日、毎月、毎年、自分と向き合い続けて学び続けて貢献し続けて魅力的な人間として価値を提供し続けることができているのかってことにこだわることが必要です。
僕が実際にしていたこと
通訳として働いていているのでしっかりと通訳として最高のパフォーマンスを発揮することは第一前提ですが、僕は通訳としての自分の仕事についての定義を考えてみました。
’’自分がいなくてもチームは進み続ける''
僕がいなくなっても次の通訳がきて、チームは回り続ける。会社も同じ。
これが大前提の中で、通訳として雇ってもらってる感覚よりは、山崎壱成として雇ってもらっている。
こう定義してチームにとってプラスになることを惜しみなくやり続けることに全力を注ぎました。
例えば、対戦相手の選手の顔写真と身長やポジションなどが一目で分かるようにパネルを作って試合前のミーティングでホワイトボードに貼ることでそれを選手達がみてしっかり認識できるようにしたりもしました。
コーチングスタッフの皆さんは信じられないくらい忙しく働いています。
そんな中で、戦術のことについて口出しをしたりなどは意見や情報を求められた時以外はしない。それは僕の仕事ではないからです。何億倍も知識や経験の多いコーチングスタッフの皆さんが全力を尽くしているので常にそれがベストです。
だからこそ自分の強みを活かしてできることはどんなことがあるのかってことについて考えて行動し続けました。
その結果、日本人選手達に英語を教えることをスタートさせました。
それによって日本人選手達がどんどん英語を話せるようになっていって、外国人選手と直接コミュニケーションをとれるようになっていきました。
そうすることで、関係性が良くなりチームにも良い影響が出ました。
仕事がなくなるのは一瞬で、光と影が常に隣合わせの世界を生きてる日本人選手達からすれば、常に英語力が伸び続けることで得られる精神的な充実感もあります。
試合はどれだけ頑張っても負けることがあり、気持ちが落ち込むことがありますが、英語に関しては正しい方法で継続していけば必ず伸びるのでそういった面で生活に何か1つ常に成長を感じれられる仕事以外の軸を持っている人はかなり強いです。
それが楽しくなりすぎて、今の起業につながってます。
キャリア形成については、その一瞬一瞬で自分にできることを考えて周りに貢献して価値を与え続けることに全力を注いでいたら自然と良いものになっていくと信じてます。
他にも通訳として(だからこそ)できることは多くあります。
海外サッカーの英語でしか得られない情報を得て、それをコーチングスタッフのにシェアすることだったり、英語のインタビューを受けてる海外の選手や監督の言ってることを伝えたりもできます。
コーチ陣の中には英語を勉強している方もいるので、日本サッカー特有の表現などを英語でどう表現するのかってことを教えてあげたりもできます。
そうすることでコーチ達にも何か価値を与えることができるのでチームを良くしていくことに繋がります。
この時にコーチや監督からサッカーについて色々教えていただいたりすることでサッカーIQ(サッカーにおける知識や賢さ)が深まるので通訳するときに監督やコーチの言葉の意図をしっかり理解してすることができるのも大きな利点です。
通訳のゴール
こんな感じで通訳にはいろんな仕事があり、いろんなことができますが、
常にゴールは ''チームが勝つこと'' です。
そこから逆算して何をしなくてはならなくて何ができるのかってことを考えて行動していきます。
試合に出て点を取ることはできません。
だからこそどうしたらチームが勝つ可能性を1%でもあげられるかってことを意識して仕事をするのが一番大切だと思います。
そのゴールが明確である限り、自分がチームのためにできることはかなり明確です。
チームが勝つために何ができるのかってことを追求していけば、自然と行動が生まれ、知識もスキルも向上していき自己成長にも繋がり、その結果できることが増えるという好循環に持っていけると最&高。
これはどの環境でも同じだと思います。
Jリーグ通訳になるために必要なこと
この3つのどれか1つでも欠けてるとベストなパフォーマンスは発揮できません。そしてこの3つがしっかり備わっていると最高のパフォーマンスを発揮できる可能性が高まると思います。
Jリーグ通訳になるためにまず大切なのは''高い言語力''です。これはどうしても必要です。
一瞬のスピードで精度の高い通訳をしていくことはどんな時も求められます。常に準備ができてることが重要で、言語だけでなくて気持ちの部分でも、通訳する選手やスタッフの話すテンションでやっていくことが大切です。
特に単語に関しては終わりのない学習が続きます。
その学んだ単語や表現をその状況に応じて一瞬で引き出す能力も大切です。
いくら練習をしていてもその力を発揮する方法を知っていないとそれはまた別のトレーニングで補っていく必要があります。
知ってるだけではなくて、実際にできること。これが求められます。
そして次に大切なのは''高いプロ意識''です。
通訳としてサポートする選手やスタッフはプロです。
そしてその選手達を応援してくれるファン、サポーターの方たちはお金を払い、時間を使ってスタジアムで応援したり、その選手達を見にきてます。
クラブは通訳に対してお金を払い、ベストな パフォーマンスを発揮することを求めています。必要としています。
そのために必要な視点としては、
プロを支えるにはその人以上にプロである必要がある。
ということだと思います。
僕は常にそう意識して仕事をするようにしていました。
かなり極端ですが、選手より筋トレして体についての知識をしっかりつけたり、食事に関しても分子栄養学などを学び、健康管理の面も徹底しました。
そして脳の機能やコーチングについても学ぶことで選手の気持ちを理解することに少しでも役立てようとしました。
その学びがあったからこその今の英語コーチングができていると思います。
そして最後は人間性の部分がとっても大きいです。
結局は人と人が関わって最高の結果を生み出すために仕事をするので、目の前の人にどれだけ価値を与えられる人間であるのかってことが大切だと思います。
組織で働くので、クラブの社長は何を求めていて、監督やスタッフや選手は何を求めていて、スポンサーの方々は何を求めていて、ファンは何を求めていて、自分に何ができるのか。
そこを常に自問し続けて行動を選択していきました。
そうすると自然と自分のすべき行動が明確になるのと、自分のことだけではなくて、もっと大きな絵でクラブを見ることができるので客観的に自分の行動を見てクラブに貢献するために必要な行動をできるようになりました。
通訳として働き始めた当初は自分の仕事のことで精一杯で周りが見えてなくて本当に苦しかったです。
自分の不甲斐なさに帰りの車で泣きながら帰ったことも何度もあります。
帰りの車を運転しながら泣きまくってた最初の期間はあ〜辛かった!笑
あの時に車で聞いてた曲を聞くたびに思い出します。
でもその悔しさとか後悔とかが頑張る力にもなりました。
常にクラブハウスでは笑顔でチームの雰囲気を最高の状態にすることを意識していました。本当に最高のスタッフの方達と選手達と働くことができたのは幸せでした。
僕が起業してから、ありがたいことに当初一緒働いてた選手やスタッフの多くの皆さんがサービスを受けてくれたりもしていて、本当に固い信頼関係を築くことができたと思います。
昇格やアジアチャンピオンズリーグ進出など、いろんな結果を出していくクラブで働くことができて、本気と本気が合わさることで初めて最高の結果を出すことができることを改めて実感しました。
結局、
通訳1人1人、それぞれに求められること、したいこと、できることは決して同じではないからこそ、そのクラブのために何をすべきで何ができるのかを自分の個性と合わせて思考して最高のパフォーマンスを発揮することが通訳の仕事だと思います。
Jリーグ通訳から見るキャリア形成
なんだかんだで毎年クビになる可能性がしっかりある通訳としては大きく分けて2つのキャリア形成ができると思います。
生き残り大作戦と、通訳辞めちゃう大作戦の2つです。
ふざけてる感じで書いてみたけど、結構マジです。
僕のように若くて独身の通訳もいれば、家族がいるなどの責任がある通訳さんもいます。
ただ、冷酷なことにそういった背景は全くと言って良いほど関係しないし、なんなら安く雇うことのできる30歳以下の通訳は結構求められたりします。
お金のことを考えたときに、ビッグクラブで働くことで得られる金額はもちろん大きくなってくることが多いです。
収入の内訳を詳しくは書きませんが、チームや通訳の能力に応じて何百万円も年間の収入が変わってきます。
生き残るための戦略とは、、、
通訳として働く上で、まず大事なのはそのチームに自分の外国語でサポートできる外国人選手がいることです。
そうでないと、仕事は基本ありません。
そのために使える言語を増やすことはとても有効で、今でも僕の英語コーチングを受けてポルトガルの他に英語を身につけようとしてる通訳さんもいます。
そうやって能力を向上させることでができると、そのチームを離れたとしても違うチームで働くことが可能である可能性も上がってきます。
試合のベンチに入れるスタッフの人数には制限があるので、1人の通訳がベンチに入ることが多くて、その時は多言語を話すことのできる通訳はとても価値が高いです。
使える言語を増やすというのが1つの戦略です。
ただ、そのクラブに外国人選手がいなくなってしまって通訳が必要でなくなったクラブが、通訳をくびにする代わりにその通訳に対して違う形の仕事を任せてクラブで働かせてくれることもあります。
マネージャーとして働いたり、事務所で働いたりなど、現場から離れたりはしてもクラブ内で働かせてもらえて、また外国人選手をクラブが獲得したら改めて通訳として現場に戻ることもあります。
本当に素晴らしいことだと思います。
ただ、この形で働いていくとしたら、クラブとの信頼関係があることが必要になってくるので通訳としての仕事ができてるだけではなく、チーム(会社)のために何ができるのかってことを考えて働き続けてることが必要不可欠だと思います。
結局は通訳としてだけ働いてるという感覚ではなくて、自分個人に価値を感じてもらって働いているってことを常に意識して言語以外の面でも誰にでも価値を提供し続けることに尽きると思います。
僕がやっていたのは、早く出勤して選手のドリンクを作ったりボールの空気を調整したりなどマネージャーの仕事を手伝うことだったり、グランドの準備をしたり、トレーナールームに頻繁に行って選手のケアに使うマシンの使い方を教えてもらって簡単な作業を手伝わせてもらったりしてました。
生き残るためとかって感覚は全くなくて、プロとして働いてる人たちから吸収できることを全部吸収したいって思いが強かったのと、シンプルにできることが増えていく感覚が楽しかったから没頭してました。
通訳を辞めるなら、、、
通訳として生き残る選択以外に、通訳を辞めて別の形でキャリア形成をしていくことも可能です。
それを自ら選択することもあるし、契約がなくなって通訳として働くことができないから別の仕事をしなくてはいけないってケースもあります。
僕の場合は、起業するという形で今に至りますが、いろんな形があります。
Jリーグとは全く関係のない仕事をしてる人も多いです。別の仕事をしながらまたJリーグに戻ることのできる機会を待ってる人もいます。
Jリーグで働いてる時のような刺激が忘れられなくて戻ってくる人も多いです。
できることが多いことに越したことはないってことは間違いないと思います。通訳として働いている間に、他のことを学んでいると、通訳としての仕事ができなくなったとしても自分の強みを活かせる場が他にもあるので困ることはないです。
そして、通訳としての仕事がなくなる不安がないことで必要以上に気を遣って仕事をしてしまうことがなくなったりもするので、パフォーマンスが上がることもあると感じました。
つまり、、、
キャリア形成っていろんな方法があると思うし、何が良くて何がダメってことはないと思います。
最終的に、その一瞬一瞬で自分にできることを全力でやり続けて、自分と向き合い続け、自分のアップデートし続けることのできる人が生きたい人生を生きることができてる感じがしてます。
キャリア形成とかそんな言葉じゃなくて、''どう生きたい?''ってことをベースに自分の人生を作っていくことができるとワクワクで溢れた生き方をできるはず。
僕は今24歳でまだまだ足らないことばかりですが、だから面白いと思うし、これからもどんどんチャレンジしていこうと思います。
大好きなじいちゃんが去年亡くなっちゃって改めて感じたのは、今を全力で生きることです。
全力を尽くし続けると、それがいつか繋がる。
スティーブ・ジョブズもそんなこと言ってたしそんな感じだと思う。
コツコツが勝つコツで頑張りまっする。
最後に
この記事を通じてJリーグ通訳という仕事について理解が深まったり、結構おもろいやんって思ってもらえたり、Jリーグの楽しむための視点が少しでも増えたりしてたら嬉しいです。
そして僕自身も思考がまとめられてすごく良かったです。
ありがとうございます。
この記事を書いてるこの瞬間に通訳としての今年のオファーの電話をいただきました。笑
でも僕は今英語コーチとして英語を通じて人生をアップデートしていきたい方をサポートさせていただくことがとっても大好きなので、他の方を紹介させていただいたのでその方の幸運を祈ってます。
結局、Jリーグ通訳が何をやってるのかっていうことをまとめると、
''Jリーグ通訳はめっちゃくちゃ最高の仕事をしてます。''
では、筋トレしてきます!
Be optimistic.
山崎壱成
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