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“やりたいことが分からない”をHackする

2020年はすごい年でしたね。
中国で発見されたウィルスは、僕が楽しみにしていた東京オリンピックを延期にしてしまうほど、世界に大きな困惑と不安をもたらしました。

しかし、そのウィルスが世にもたらしたものは、ネガティブなものばかりではありません。
パソコンさえあれば、オンラインで接客やミーティングができることや、それにより家でほとんどの仕事ができてしまうこと、さらには毎日オフィスに出社する必要はないという事にも気づかせてくれましたし、誰かの隙間時間がいろんな飲食店の出前に代わるウーバーイーツなどの革新的サービスの急成長を促すなど、世の中に様々なLifehackをもたらしました。


「革命や、革新的なLifehackはいつだって、困惑や不安などのネガティブな感情から生まれるんだ。」

くだらないシャレだけではなく、時々まともなことをいう僕の父親が言いそうな小言です。

僕の2020年も、ちょっとだけすごい年でした。
シャレばかり言う父親の長男坊である僕も、
「自分のやりたいことが分からない、、、」
というありきたりともいえるネガティブな感情を抱いていました。

そして、2020年、僕はこのネガティブな感情との葛藤を通して、決して革新的とは言い難い、ちょっとしたLifehackを見いだしました。

「そんなの、ありきたりな話だ。」と軽く笑われてしまいそうなことなのですが、これから5年や10年が経って振り返ってみた時に、「2020年は大きな一歩目だった」と言えるような予感がしているので、2020年に経験したこと、そしてこの経験を通して考えたことを、noteに綴ることにしました。

①「自分のやりたいことが分からない、、、」
②人事Aさん「今の会社でもできると思った」
③僕の挑戦の舞台は会社ではなく、となりのコーヒー屋さん
④ Maku が ake て4時間で目標達成
⑤ちょっとしたLifehack
⑥Your Lifehack


①「自分のやりたいことが分からない、、、」


この問題と直面したのは、2020年の2月、僕がちょうど転職活動を始めたときでした。

皆さんはどのように今の職業を選択しましたか?

僕はまず、どんな職業があるのか、他の人がどうやって職業を選択しているのかを知りたかったため、情報が豊富な大手の転職サイトに登録してみました。自分の情報をほとんど記入していないにもかかわらず、しばらく鳴りやまないたくさんのオファーメール(笑)

その中でも、より早かった2名のエージェントと話をしてみることにしました。

最初の電話で「どんな業界、業種をお考えですか?」と聞かれたのですが、僕は何一つ答えられませんでした。かならず聞かれる項目だとわかっていたのですが、ざっくりと「今とは違う環境に行きたい」としか考えていなかったため「なんで?」とか、「具体的に?」とかって聞かれると、全然答えが出てこなかったんです。

そもそも、なんで転職したいと思ったかについては理由はとても単純でした。

「今の会社は考え方が古すぎる」

「もっと自分の能力を発揮できる環境があるはずだ」

「もっとワクワクしながら仕事をしたい」

と、今とはちがう環境で働くことに希望を抱いていたんだと思います。

しかし、エージェントの方に問われてハッとしました。

「そもそも自分が発揮できる能力とは?

「どんな仕事にワクワクするの?」

自問自答しても見つけることできず、「よし、身近な先人に頼ろう」と思い、大学の同級生で、すでに5回の転職をしているスーパージョブホッパーの“なかじ”にも相談に乗ってもらい、彼の経験からヒントをもらいながら、「自分がやりたいことはなんだろう」と考えたんですが、結局最後までしっくりこず。。。

その後は、エージェントにリードされるがまま、履歴書、職務経歴書を書きあげ、面接ではほぼエージェントが用意した回答を淡々と答えることになるのですが、
当然、受けたすべての企業から「ご縁が無かった」という不採用通知が、エージェント経由で送られてきました。

2名のエージェントそれぞれから最後の不採用通知が送られてきたときには、
僕は恥ずかしさと、情けなさと、申し訳なさを言葉にして2人に返信をすると、
既読無視。僕はいよいよ「不良品認定」を受けました。
この体験が今までの人生の中で5本の指に入る挫折となり、そこから1年付きまとう「自分のやりたいことが分からない、、、」の始まりとなりました。


②人事Aさん「今の会社でもできると思った」


「転職の失敗が人生の中で5本の指に入る挫折にランクインするほど、こいつには挫折が無かったのか。」
と思われる方もいらっしゃると思います。

そうなんです。
僕は、挫折ができるほどの大きな壁に向かっていったこともなく、特に人に語れるほどの挑戦もせず“ある程度のライン”で生きたきたことを、ある種、負い目に感じていました。

自分でいうのも気が引けますが、器用貧乏ってやつだったんです。
勉強も、運動も、音楽もその他の大抵のことは平均よりは少し上ぐらいで、さらに友だちも少なくは無かったので、つらかった経験もあまりなく、中くらいの壁はちょっと頑張れば乗り越えることができ、大きな壁にはぶつかることなく学生生活を終えてしまったんです。

楽しい学生生活ではあったのですが、いざ、あなたの強みは?あなたの得意なことは?あなたには何ができますか?と問われたときに、特段、語れるエピソードが僕にはありませんでした。

実は、転職活動中、親切な人事の方々は不採用通知だけでなく一言、フィードバックを添えてくれたのですが、その中にこんな言葉がありました。

人事Aさん「三浦さんがやりたいと言っていたことは、今の会社でもできると思った」

受信してすぐの僕は、
「今の会社じゃ理解がないから難しいし、理解を得るまでにとても時間がかかる。だから、転職をしようと思ったんじゃないか!」と心の中で、反抗していました。

でも、冷静に考えると「自分の会社の上司も説得できない奴が、B to Bの営業で企業を相手にするなんて無理だし、そもそも目立った実績がない人なんかを採用したくないよな」と、ちゃんと反省し、さらに、1つの気づきを得ました。

「とはいえ、今の会社はレガシーが強く納得させるにはかなりの時間がかかるので、もはや、今の会社とは別に、自分でなにかを始めて小さな実績創りをしてみてもいいのではないか」と。

僕はその気づきから、“なにかに挑戦し、小さくてもいいから実績をつくる”とジョブホッパーのなかじに誓いました。

③僕の挑戦の舞台は会社ではなく、となりのコーヒー屋さん


僕が誓いをたてたその頃、ジョブホッパーのなかじも同じような悩みを抱えていました。

日々、SNSやYouTubeを開くと、たくさんの同年代の人がいろんな場面で活躍している光景を目にする。それなのに、自分には実績がないこと、また、“自分が何者でもない”ことに劣等感を抱いたのです。僕もまったく同じでした。

人は“悪口”と“悩み”に共感が得られると勝手に仲間意識を感じてしまう優しくも、醜く弱い生き物です。
いままでは、ただサークルが同じでそれなりの関係だったなかじと、一緒に実績を創ろうと強く結託し、さあ何から始めようかと考え始めたのでした。

ちょうどその頃僕はひばりヶ丘の会社のとなりにあるコーヒー屋さんに通うようになります。
そこのオーナーのShowcoさんはとても優しく綺麗な方でした。

ある日、Showcoさんは僕に焙煎士としての想いを話してくれました。
“焙煎した豆をもっと多くの人に届けたい。”
“コロナに負けたくない。”
その想いを聞いた時、僕のなかには“俺にはできる”“俺がやりたいんだ”という全くの身の程知らずな使命感がふつふつと込み上げていました。気づいたら、自分ではやったこともないネットでの販売を提案し、それを僕にやらせてくださいと名乗りをあげていました。
全く身の程知らずで、勝手なやつです。

けれど、Showcoさんは苦笑いしながら、承諾してくれました。

こんなあまりにも自分勝手な出来事が、2021年1月より販売を開始した「sora coffee」というコーヒーブランド誕生のきっかけとなります。

ここで一番書き留めておきたい事は、自分の身の回りにあるどんなことでも、挑戦の種になるんだということ。

“自分もしくは、身近な人が困難に直面したとき、それを解決するためにはどうしたらいいかと自ら主体となって考え、行動におこすこと”
これはすでに挑戦の始まりであり、自分の Life を hack するための機会であるということです。


④ Maku が ake て4時間で目標達成


「sora coffee」で僕が担当したのは、どんな価値と体験をとどけるかというブランドづくりとサービス設計、そして、WEBページのデザインと作成を主に担当しました。
初めての取り組みで、「UX」や「レスポンシブ」と横文字だらけのコミュニケーションに食らいつきながら、なんとかサービス内容とWEBページが完成。

その時作ったWEBページがこれ → https://sora-coffee.studio.site/

準備は整い、あとは応援購入で有名なMakuakeでの販売開始を待つのみ。
2021年1月19日の20時から販売開始だったのですが、正直、かなり緊張しました。

もちろんブランドのコンセプトやサービス、デザインには、生意気にも自信があったのですが、右も左もわからないまま創り上げてきたので、誰にも共感されず、一人も買ってくれなかったらどうしようととても不安でした。

そして当日、僕の実家で20時を迎えました。
いざMakuがakeるとすぐに、Makuake運営から「あなたのプロジェクトが応援購入されました。」というメールが届き、飛び跳ねて喜んだと同時にとりあえずのひと安心。

前の日に直前まで準備していた疲れを思い出したので、実家にあった一番の母の味である「冷凍食品のシューマイ」をつまみ食いしてから家路につきました。

三鷹の家に着いたのが24時半ごろ。

スマホを開くと、「success」の文字が!?
え!?もう目標達成!?

本当にびっくりしました。
と同時に、購入してくださった皆様の足元で感謝の言葉を泣き叫びたいと思いました。

「sora cofffee」のメンバーとのスラックで喜びと驚きを共有したあと、

助言をくれた友だちの大手ガス会社に勤めるコヤマにラインでメッセージを送り、心からの喜びと感謝を伝えました。
僕はこの時の感動を忘れないようにするためにそのメッセージをスクショしました。


⑤ちょっとしたLifehack


「自分のやりたいことが分からない、、、」
と2020年頭から悩み続け、友だちや転職のエージェントに相談しながら探ってきたのですが、結局答えに辿り着くことはできませんでした。

何とかひねり出してみても、ほわっとしていて、結局わからずじまいだなと結論を出せずにいました。

けれど、今回「sora coffee」を立ち上げ、サービスを設計したり、戦略を考えたり、WEBページやドリップバッグなど自分たち創ったものを、実際に世の中の人に見てもらうまでやり抜いてみたことで新たに2つの気づきがありました。

1つ目は、僕自身の“好き・嫌い”です。
実際にやってみたことで、新しく体験したことで新しい好き嫌いに出会えたり、今していること、今までしたことがある事を改めて好きだ、嫌いだと判断することができたんです。

例えば僕の場合は、

[楽しいと感じ、好きだと思うこと]
・サービスの仕組みを考えること
・“どんな風に見られたいか”“何が他よりいいのか”について考え、それを商品やサービス、デザインなどに落とし込んでいくこと。
・ここをこのぐらいの割合や固定の数値やにしたら、ページのレイアウトがこんな風に見えるな、と設計していくこと
・自分が施した仕掛けによりコミュニケーションがうまれる事
・実際に自分の作ったサービスや商品を楽しみにしてもらえること


[苦手と感じ、嫌いだと思うこと]
・ページ上の説明や自分の伝えたいことなどの文章を考える事
・地道に言われた通りただデータを入力すること(誰も見ておらずあまり有効活用されていない)
・一日に電話した数を欠かさず毎日スプレッドシートに入力すること(そんなの発信履歴を記録できるのでカウントするシステムを作れるのではないか?)
・たくさんお金はもらえるけど自分が良いと思っていないものを売る事


この好き・嫌いに気づくことはきっと「自分のやりたいこと」に関わる、とても大切なことだと思っています。

この気づきから「自分のやりたいこと」の答えを見つけたわけではないのですが、少なからず以前よりも「自分」という人間の解像度が少しあがったと感じています。

2つ目は、今回の僕が偶然そうであったように、自身に主体的なモチベーションがある状態が重要であるということです。

「俺がやりたいんだ」という身の程知らずな使命感から始まったsora coffeeで、僕は主体的に考え、行動をする事ができ、また、こうして体験を振り返り、気づきを得ることができたのも“自身に主体的なモチベーションがある状態”であったからこそだと感じています。


この一連の体験をまとめると、

“何かを始めてみる”、“挑戦してみる”ことで、新しい自分の好き・嫌いに出会うことができ、また過去の体験と重ねたり、比べたりすることで改めて自分の好き・嫌いに気づくことができる。

気づきを得るためには、大切なのは、“自身に主体的なモチベーションがある状態”であること。
ただ人に言われたから、やらなきゃいけないからと体験に参加しているだけでなく、「俺がやりたいんだ」と主体的なモチベーションで、自ら考え、工夫し、行動をすることで、その体験についての振り返ったときに深い気づきを得ることができ“自分がどんな風に生きていきたいのか”“何を選ぶことが自分にとって良いのか”という「自分」の解像度をあげることができる。

さらに、体験を振り返るときに、「こうやって振り返るといいかも」と思った4つのステップもメモしておきます。

ステップ1
その体験における自分の活躍に対して、他人もしくは自分からポジティブなフィードバックを受け取る

ステップ2
実際にやってみた体験の中で[楽しくて、好きなこと]と[苦手で、嫌いなこと]に分けて振り返る。

ステップ3
さらに過去の体験や自分の好きなことと結びつけて考える

ステップ4
それを文章にまとめる、または、人に語ってみる

そして最後に1つ、確信を得たことがあります。
それは

「自分のやりたいこと」の答えは、考え続けることだけで見つけることなんてできやしない。


自分がやりたいことを見つけたいのであれば、結局のところ体験と振り返りを繰り返し、“自分がどんな風に生きていきたいのか”“何を選ぶことが自分にとって良いのか”という「自分」の解像度をあげていくことが、近道なのではないかということです。

この確信こそが、2020年に見いだすことができた僕のちょっとしたLifehackであり、2020年の出来事をnote書き留めておきたいと思い立った最大の理由でした。


⑥Your lifehack


今回の「sora coffee」の立ち上げという挑戦を通して、様々な気づきを得ることができ「自分」の解像度をあげることができました。

それだけではなく、
「自分にもWEBページを作る事ができた」という体験と、「デザインがとってもかわいくて見やすい!」というフィードバックをもらえたことで自信が芽生え、「今度はもっと動きをつけてより世界観にはまってもらえるような仕組みを加えていきたい!」などの次の挑戦へのモチベーションがたくさん湧いてでてきたんです。

さらに、友人に「sora coffee」の紹介で連絡をしたときに、「俺も(私も)刺激を受けて、何か挑戦しようと思った」という多くの嬉しい反響もあり、中にはこれからの挑戦について執筆したnoteのURLを送ってくれた友人もいました。

僕は2020年、主体的なモチベーションが伝染することを実感し、今以上にもっともっと頑張ろうと思うことができました。

最後に僕の決意表明です。

何かに挑戦し、それが人から評価されたり、楽しかったりしたら、もっとモチベーションがあがってさらに深くやりたいと思ったり、つぎはこんなことしてもしてみようかなと考え始めるのはきっと僕だけじゃないと思うんです。

僕は2020年を通して見いだした体験と振り返りを繰り返し、「自分」の解像度をあげていくという1つのLifehackと、そこからうまれるワクワクを、もっともっとたくさんの人に届けたいと考えております。

そのためにはやはり僕が率先して挑戦し続け、より良い人生を築いていきたいと思います。


でもまずは、全世界の方々と手を取り、このウィルス騒動をHackしなくては

最後まで読んでいただいた方、
どうもありがとうございました。

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