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HはヒューマンのH - リプライ記事

フォローさせていただいているsacicoloriさん「医療機器 ユーザビリティ or ヒューマンファクターズ」という記事にとても共感したので、リプライ記事を書いてみました。

私が特に共感したのはここのところです。

医療機器のHFE/UEを意味する時は、HFEやHF、ヒューマンファクターズという言葉の方を多く使っています。それは、ユーザビリティエンジニアリングは、民生機器の開発で行われるそれとの違いについて誤解を招きやすいからです。
sacicoloriさん「医療機器 ユーザビリティ or ヒューマンファクターズ」

「安全で効果的な使用」をゴールとする医療機器のHuman Factors Engineeringが、Usability EngineeringやUser Experience Designと異なる方向性と内容を持つことを示したくて、私も私のやっていることをHuman Factors & User Experienceと並べて表現するようにしています。

医療機器は、機械系の動作と人間系の操作で作動します。人間系にはヒューマンエラーが避けられないため、ユーザーインターフェイスに操作に関する情報を提示して、そのリスクを許容しうるレベルまで低減させるのです。現在、人間系の認知判断を確実にシミュレートする方法はなく、人間そのものに製品テストに参加してもらうのが最善の方法となっています。医療機器のHuman Factor Engineeringはリスクマネジメントであり、使いやすさやユーザーの体験するうれしさの実現とは異なる活動です。(では、それらが医療機器にまったく関係ないかと言えばそうでもないと考えており、医療機器のUXについては改めて記事を書きたいと思います)。

人間中心設計 Human-Centered Design (HCD) という言葉に用いられている “human” も、この人間系 human system への関心を示しているのだと思います。このhumanに「人類のエゴ」を読み取るのは、この意味でも間違いなのです。

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