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No,172.嫌いな人について「同族嫌悪についての考察」


人が人を嫌う理由についての考察

その一つに「同族嫌悪(どうぞくけんお)」がある。
同族嫌悪とは自分と似た人を嫌う感情のことです。
この感情は自分自身が意識的(認識)に理解しているより無意識的(認識していない)な感情に近い。

そのことについて、ユング関連の論文を読んでいて思ったことがあるので、つらつらと書いてみる。


同族嫌悪とは(ユングを参考に)

同族嫌悪を引き起こす心理として知られるのが「投影(シャドー)」という概念です。
「投影」とは、否定したい自分の不快な一面が、相手の姿や行動を通して見えてくること。同族の相手とは、属性や趣味、考え方、行動が似ていることが多いため、それが故に、相手の言葉や態度に自分の不快な一面が透けて見えてしまうことが多くなる。(出典:All About オールアバウト暮らし)

つまり、自分と似ている嫌な部分を持っている人に不快感を持つこと。

裏を返すと、自分自身も自分の嫌な部分だと認識(潜在的=無意識)してるってことになる。

ユングの言葉から少し深堀り

ユングは『社会生活の中で仮面(ペルソナ)を被り、周囲に適応するために抑圧された中で自分が潜在的に受け入れがたい部分がシャドー(影)になる』と述べている。

つまり、具体的になにかをされたわけでもないが、きらいな人やイヤな人は実は自分自身の中にある潜在的に受け入れがたい嫌な部分を持っている。
換言(言い換える)と、自分の中にある否定的な側面をもっている人の態度が、自分のイヤな部分と重なり投影という形となりきらいになるということだろう。

この文を読んで、嫌いな人が多かったり人の文句ばかり言う人って、自分を押し殺して周囲に合わそうとばかりしているのではないだろうか。

当然、自分を押し殺せばペルソナ(仮面)状態が多くなり抑圧された部分も強くなる。

結果的にシャドー(影)の部分も広がる。
※日傘やパラソルを使えば影が広がる。

影が広がるれば、多くに人が影になり多くの人を認めることができなくなる(潜在的)。

結果的に、シャドー(影)が広がり潜在的に抑えきれなくなり、それが溢れ、他者を認めることができなくなり、やたらときらいな人が多かったり人の文句ばかり言う人になるんじゃなかろうか?
 

最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)

参考文献

松橋朝美(2017)『ユング心理学から見たアマテラス神話解釈の可能性: 現代女性の自己実現の観点から.』「人間学研究論集= Bulletin of human studies」第 6巻、pp 85-99.

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