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No,66.人の行動を決めるものとは?ープライミング効果ー

そもそも人の行動って、意識して行動しているのか?無意識に行動しているのか?についてつらつらと書いてみる。

そりゃ自分で考えて(意識)行動しているでしょ?ってふつう思うけど、検証した実験があるので紹介。

プライミング効果についての研究紹介その1

⚫︎ 実験

Bargh らは、老人に関連する単語を含んだ(白髪、シワなど)乱文構成課題(単語を組み合わせる)に回答してもらったグループと、含まない文章課題に回答してもらったグループに分けて実験した。


⚫︎ 結果

老人に関係する課題をしたグループは、含まないグループに比べて、実験終了後に廊下を歩く歩行速度が遅くなることがわかったらしい。

プライミング効果についての研究紹介その2

⚫︎ 実験

参加者に「競争」か「協力」の2種類の戦略を取ることができるゲームをしてもらった。

⚫︎ 結果

ゲーム前に課題によって「協力」と近い意味の単語を刺激として与えられていたグループは、協力の戦略を取りやすくなり、

「競争」関連の単語を含んだ文章を与えられたグループは、競争の戦略を取りやすくなった。
ちなみに全員、ゲームの前に行った乱文構成課題によって方略選択しとに気づいてかなかった。

つまり無意識で行動(選択)したことになる。

プライミング効果についての研究紹介その3

⚫︎ 実験

及川(2005)は105名の学生を対象に、達成目標グループ(達成動機の多い文章課題)と普通の課題グループに分けて、学年末テスト10日前に実験に参加した。

⚫︎ 結果


達成語によって動機づけられた参加者は、普通の課題グループに比べ、否定感情を低く報告しており、また、自発的な学習課題により多く取り組んでいた。

先行研究をもとに考察

これらの研究から言えるのは、ポジティブな環境に身を置いた方が意識していなくて(無意識)もポジティブな行動や考え方になるってことがよくわかる。

余談だけど、


やたら自分自身でポジティブであろう!とかを意識したら、逆にネガティブになる可能性があるからね(逆説的効果)。

つまり、ポジティブであろう!とはネガティブじゃいけないと抑制しているのでかえってネガティブになりやすくなるってことです。

※逆説的効果とは、ある思考を抑制しようとするほど、かえってその思考が生じやすくなってしまう現象。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

引用文献

及川昌典(2005)「意識的目標と非意識的目標はどのように異なるのか? 教示またはプライミングによるステレオタイプ抑制の効果」『教育心理学研究』第53巻、4号、pp504-515

及川昌典(2005)「テスト状況における達成プライミングの効果」『教育心理学研究』第53巻、3号、pp297-306


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