見出し画像

No,255.格闘技の事故について

ボクシング

日本ボクシングコミッション(JBC)は2日、昨年12月26日の日本バンタム級タイトルマッチ後、右硬膜下血腫で手術を受け、入院治療中だった当時同級3位の穴口一輝選手(真正)が2日に死亡したと発表した。23歳だった。

心よりご冥福をお祈りいたします


記事を書くことにためらいもありましたが、ボクシングの死亡事故のについて記述いたします。

ボクシング、キックボクシング、MMA

ボクシングにおける死亡事故は、1986 年~ 2014 年:54308 試合で 22 件
(4回戦~12回戦すべてを含む)

数字にすると0.04%であり10000試合に4人の選手が死亡している。
原因の多くは頭蓋内出血である。

ボクシングがキックやMMAより死亡事故が多い原因として

① 試合ラウンド数
これはラウンドが多いほど発生率は高くなると検証されている

②攻撃の多くが顔
顔面の攻撃がメインであるボクシングにおいて頭蓋内出血が原因であるため脳へのダメージが多い

さいごに

これまで頭蓋内出血などの事故を予防するため様々な安全対策が行われてきた(ラウンド数やグローブ、試合当日の減量の影響を少なくするための前日計量など)。しかし、KO・TKOを目的とする競技の性格上、脳震盪を予防することは不可能だろう。

競技性と安全対策の狭間で改善していくには何が必要なのだろうか?

参考文献


大槻穣治・谷諭・野中雄一郎(2016)「我が国のプロボクシングにおける頭部外傷の現状と対策」『日本臨床スポーツ医学会誌 / 日本臨床スポーツ医学会編集委員会 編』第3巻、pp352-354

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?