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No,162.コミュニケーションについて【ろう者の方にインタビュー】

はじめに

コロナでパンツ履くみたいにみんなマスクをしているけど、若い女性に至っては外すのが(脱ぐのが)恥ずかしいみたいですね。地元の新聞にも掲載されていましたが・・・

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そんなことより、そもそもコロナによるマスクって、ろう者の方はコミュニケーションが取りにくいんじゃなかろうかと。

まぁ人それぞれ、立ち位置や視点によって思いや主張はあることを前提に‥

以前、ろう者の友人にコミュニケーションについてインタビューをしたことがあるので投稿します。

ろう者のコミュニケーション


筆者(以後、私)、ろう者(以後、相手)とする。

私「手話の会話では、ジェスチャーを意識しながら会話をしますか?それとも自然に出るものなのでしょうか?」

相手「私の場合は自然にジェスチャーがでるかな」

私「聴覚障害者同士の手話は表情や手のジェスチャーが激しく見えますが、NHKなどで見かける通訳者の手話とは印象が違うと思うのですが?」

相手「確かにそうかもしれない。聾唖者は子供のころから手話を使うから表情が豊かになるし、通訳者は表情より口の動きを大きくすることに気を使う。その違いは大きいと思う。自分の気持ちを伝えたい、その気持ちの強さの違いが顕著に表れるの」

私「例えば手話での会話で、表情などジェスチャーが乏しい人と話すとどんな感じですか?」

相手「そういう人の手話は手の動きが速いから、内容をまず確認するようになるから会話に時間がかかり、結局何が言いたいのかわからないときがある。例えば、【ものすごく】って表現するときも、手話と合わせて目を【ギュッ】と閉じると凄く感情が伝わるけど、無表情だと度合いが測らないからなぁ。一つの仕草でできるだけ多くのことを伝える必要があるから、手話はジェスャーが必要なんですよ」

私「なるほど、ジェスチャーは言葉だけでは言えないことを伝えるってことですね」

相手「うん、それは正しい!」

私「ただの言葉って会話にはナイと思うのですが」

相手「でも電話の会話が単なる言葉の伝達」

私「電話口での声のトーンでジェスチャーを読み取れるのでは?」

相手「あぁ・・その声のトーンっていうのが、私たち聴覚障害者にはわからないの、単なる音として入ってくるものを脳内で言葉として組み立てる、大きさは若干わかるくらいで声の抑揚っていうのはわからない」

私「単語を並べて入ってくる単なる情報って感じでしょうか?」

相手「そんな感じ、それに私は唇の動きを読むタイプなので電話でのミスは多い」

私「なるほど、言葉は口の動きで、感情はジェスチャーで理解するってことですね」

相手「そのとおり」

最後に

このインタビューで感じたことは、会話は言葉だけではなく、さまざまな情報をもとにコミュニケーションをとっていることがわかる!

マスクはコロナには大事なことだと思います・・・

しかし、コミュニケーションをとることが難しい方もいることを少しでも理解してもらいたいと思いつつ、そこに焦点をあてすぎるのも違うと思ってます。

学術的視点

「話をしてる二人が、相手の言うことをよく聞こうという構えでいれば、いろいろな細かな情報を伝えることもできるわけだよ。(中略)情報を交換する以上のことだってできるかもしれない。二人とも知らなかったことがわかるとかね」

父親がいったこの一文から、ノンバーバルナ部分を含む論理的なデスカッションは新しい知見の構築には不可欠であろう。

※聴覚障害者とは、まったく聞こえない人をろう者といい、補聴器を利用することで少しでも聞こえる人を難聴者という。この2つを総合した名称である。インタビューに協力してくれた友人は難聴者です。

インタビュー協力してくれた友人に感謝いたします。

引用文献

グレゴリー・ベイトソン(著)佐藤 良明 (訳)(2000)『精神の生態学 改訂第2版、p49』新思索社



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