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No,193.地上波の💩報道の垂れ流し「新興宗教がすべての元凶のような放送は違和感でしかない」

はじめに

安部元首相、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

テレビを見ていたら、安部元首相銃撃事件の実行犯である男の生い立ちや、実行に至る経緯などが放送されている。

特に母親の入っていた新興宗教に焦点が当てられているみたいで、なんだそれ?って感じでテレビを切ってしまいます。

実行犯の個人的パーソナリティーや新興宗教を含む社会のみをフォーカスしても、犯行に至る全体像はつかめないだろう(テレビメディアは事件の真相などを求めていないのはわかっていますが…あえて記事にします)

そもそも問題は統一教会と政治家の関係ではなく、社会的に問題のある団体と政治家がつながっていることである。つまり宗教そのものが問題ではなく、反社会的団体と政治家の関係性が問題である。
報道は宗教団体と切り離して考えることが重要だろう。
「旧統一教会に解散命令、カルト対策の法整備を」 全国弁連が国に訴え 2世信者の救済も:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

そこで、実行犯を取り巻く社会について社会学の犯罪理論をもとにレビューしてみる。

社会学における主要な犯罪理論

1.デュルケームが定義した「アノミー」

19 世紀後半に、欧州各国の自殺率を調査し「自殺論」を著した。具体的な事例をもとに自殺を客観的かつ実証的分析し科学的・定量的 に 理論を発展させようとした 。著書の中で「アノミー」という概念を用いた。「アノミーとは 、社会秩序が乱れ混乱した状態を指す「アノモス( anomie )」を語源とし、社会の規制や規則が緩んだ状態では、個人が必ずしも自由になるとは限らず、かえって不安定な状況に陥るとした。

2.社会構造に焦点を当てた理論

社会構造とは、社会に存在する組織の枠組みである。家族・教育・宗教そして政治的な組織が含まれる。社会構造主義者は社会が犯罪を作り出すのであ って、犯罪行為に至る個人は要素にすぎない。つまりなぜ特別な個人が犯罪行為に至ったのではなく、集団(組織)の犯罪率の、社会構造的原因の追究である。個人差によって行動を説明しようとする心理学とは対極にある。

3.社会過程に焦点を当てた理論

社会行構造理論はアノミーが重視され、葛藤や紛争が発生する社会構造に関心が払われたが、同時に自己申告方の調査から、犯罪は低所得者特有のものではないことが明らかになり、説明しうる理論の必要性に迫られた。人と社会が相互作用する過程を重視する 社会過程論の前提は、「人は誰でも犯罪行為に及ぶことがなり得る 」ということであり、 逸脱行動に及ぶまでの社会と個人との相互作用に焦点を当てた。

4.ラベング理論(隆興した当時のアメリカの背景について)

ラベリング理論とは逸脱行動に関する理論であり、 1960 年代のシカゴ学派に属するhoward S.Becker らによって提唱された。逸脱はアノミーや行為者の 内的な属性ではなく、周囲からのラベリング(レッテル張り)によって生み出されるものとした。例えば素行の悪い少年→友人を制限・近所からの蔑み→犯罪→少年院→少年院帰り(レッテル)→よりいっそう悪化する。一時的逸脱行動と二次的逸脱行動を区別した。

一時的逸脱行動 とは自覚のない行為のことであり、二次的逸脱行動とは一時 的逸脱行動により烙印(ラベリング)を押され犯罪者である自覚を強めていきよりいっそう逸脱行為が加速していく。

おわりに

社会構造(マクロ)からレビューしました。

個人的には小さなディテールにとらわれ過ぎて、事件や事象の全体像を見失ってしまうことに恐怖を感じています(日常生活の中でも💦)。

なぜ必要に母親が入信している新興宗教と政治家のことばかり報道するのか?

母親が入信している新興宗教と他の新興宗教に違いはあるのか?

違いがあるなら、他の新興宗教と政治家の関係は?

まさに『木を見て森を見ず』

木を見て森を見ず
『木を見て森を見ず』

筆者作成

最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)

引用文献

松浦直己(2015)『非行・犯罪心理学 : 学際的視座からの犯罪理解』明石書店



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