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No,63.男の方が自信過剰のわけ

男の方が女より自信過剰な人が多いことについてつらつらと書いてみる。

背景

日常生活の中で、女性に比べて男性の方が自信満々の人が多い気がするんだけど?といった素朴な疑問から、たしかそんな論文があった気がしたので探してみたらあった。

先行研究

Niederle and Vesterlund(2007)はその違いについて4つの要因を説明しているので、

① 女性より男性の方が競争を好む傾向がある
② 相対的順位に関しては男性の方が自信過剰傾向にある。※相対的順位とは、同じグループや集団の中でその人がいる順位。
③ 危険なことを回避する(危険回避度)が女性の方が高いため、女性は競争を好まない傾向にあるため、必然的に男性の方が高い。
④ 女性の方が競争の結果やグループ内での順位を知らされるのを好まない傾向あるので競争する環境を選ばない。

Niederle and Vesterlund(2007)の実験で、男性と女性に

① 自分の成果のみでお金がもらえる課題

② 他人と競争して(トーナメント方式)お金を貰える課題

のどちらかを選んでもらったら、②の競争課題を選んだ男性は73%、女性は35%だった。この結果は、男性の方が自信過剰であるためだと言っている。

となると、気になるのが争いの場合に男性の中に女性がいた場合と、女性の中に男性がいた場合では自信過剰に変化があるのだろうか?

男女での比較

水谷・奥平・木村・大竹(2009)の研究で検証しているので、ざっくりと紹介。

実験内容
4人1グループで、ある課題をやってもらい、(自信過剰をしらべる課題)自分の予想順位などを答えてもらった。

①男性4人、女性0人

②男性3人、、女性1人

③男性2人、女性2人

④男性1人、女性3人

⑤女性4人、男性0人

結果


♂男性は②の「男性3人、女性1人」のグループが一番自信過剰になった。

♀女性は⑤の「女性4人、男性0人」のグループが一番自信過剰になった。

考察

これを踏まえてざっくりと考察してみると、
男性は女性がいると自意識過剰になり、女性は同性ばかりいるときに自意識過剰になる。

つまり、男性は女性の前では自信満々で自己アビールをするけど、女性は男性がいると控えめになり、女性同士だと自信満々で自己アビールをするとも解釈できる結果。

男性は異性にいいところを見せようとする「見せる努力」、女性は異性には「見せない努力」をすると言われているし、

女性の間でのマウント話はよく聞くのもこの結果から理解できるわ。

三島由紀夫先生曰く、
「女性は自らの肉体に対して、美しければ美しいほど、彼女はそれを自分個人に属するものと考えず、何かますます普遍的な、女一般に属するものと考える」と言っていたことが裏付けられるな。

最後まで読んで頂きありがとうございました。




引用文献

水谷徳子・ 奥平寛子・ 木成勇介・ 大竹文雄 (2009)「自信過剰が男性を競争させる」『行動経済学』第2巻、pp60-73.

M Niederle, L Vesterlund(2007) DO WOMEN SHY AWAY FROM COMPETITION? DO MEN COMPETE TOO MUCH?:The quarterly journal of economics,112, 1067-1101

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