あきらめなくてよかったと思う話
スポーツの秋です。
スポーツといっても様々ありますが、私にとって一番身近なスポーツはハイキングです。登山ではなくハイキング。
登山とハイキング、私なりにどのように区別しているかというと、登山は挑戦するイメージで、ハイキングは挑戦要素なしか、あっても少しだけ。
日本語なら登山というより、山歩きです。
このあたりは経験がものをいうので、私が登山だと思うコースも、ハイキング気分で鼻歌うたいながら歩ける人もいます。
私は同年代にハイキングを秋のスポーツとしておすすめします。
たとえ1人でも、人気のコースを歩けば人がたくさん歩いているので、もし何かあっても助けを求めることができます。
まったくの初めてなら、300m~400mくらいの里山から始めるのがよいです。
そんなのつまらない、せっかく登るなら2000m級に挑戦したいと思う人もいるでしょう。テレビの映像なんかみていると、あたかも誰でも行けそうに見えてしまいます。
普段からスポーツで鍛えている人は大丈夫だと思いますが、運動をまったくやっていない人は、そうとう苦労すると覚悟したほうがよいです。
さて、私が山歩きが好きなので、皆さんもきっと好きになってくれるだろうという気持ちで書いていますが、そうではないことを知っています。
山歩きのなにが楽しいの問題です。
苦労して登って、下りるという、無駄にも思える行動の、いったいなにが楽しいのか。
よくいわれることですが、私はこれに対する答えを持っていません。
私が山に登り始めたのは、野外で食事するという非日常感が大変おもしろかったからです。
野外で調理して食す、この行為がとても楽しかったのです。
携帯用のコンロがあって、山でも熱々のラーメンとか作れるんですよ、ご存じでしたか?
ところが、いつしか山を歩く行為そのものを楽しむようになりました。計画を立てて実行し、結果を検証することで、次回に役立てる。一連の作業が楽しいのです。
体力が不足してると感じたら、トレーニングをします。荷物が重すぎたと思えば、持ち物を再考します。登るペースを変えるだけでも、疲労感は変化して、楽に登れることもあれば、疲労困憊することもあります。
ハイキング(山歩き)を、このように改善思考するスポーツとして捉えるようになったのです。
もちろん自然が大好き(海より山)なことは言うまでもありません。
じつは、10年ほど前に山で怪我をして、それ以来すぐに膝が痛くなるので山歩きができなくなりました。街中は平気ですが、山道の上り下りで膝が痛み、ほとんど歩けなくなるのです。
病院でも、怪我の後遺症のようなもので、治らないと言われました。
私はがっくりとうなだれ、山歩きを諦めました。
ところが、同じような症状の人がネットに、足を鍛えることで痛みが出なくなると書いてるのを読みました。
どうやら、足の筋肉を鍛える(とくに太もも)とこで、痛みにくくなるようです。
そこからわたしの挑戦がはじまりました。
3時間歩くと痛くなるので、その範囲で(安全に下山できる範囲)で山歩きを再開しました。
低い山を選び、ゆっくりゆっくり歩きます。
荷物の重さ、上り下りした標高やコースの特徴を記録し、無理のない計画を積み重ねます。
徐々に標高を高くし、体に負荷をかけていきます。それから3年が経ち、今は飲みもしない水を8リットル背負い、登ったと思ったら下山して、また登り返すなんてトレーニングができるようになりました。6時間くらいはそうやって歩ける筋力と体力がついたのです。
山歩きを再開した最初の頃は、どうしても膝が痛むので、不安がありました。不安だけでなく、なかなか結果がでないので、やっぱり治らないんじゃないかと思い、トレーニングが億劫になることもありました。それでも少しずつトレーニングしたかいがあり、今は楽しく歩けています。
本当にあきらめなくてよかったし、挑戦してよかったと思います。
これからも体力と相談しながら、どこかの山をあるき続けたいです。
私の散文がどなたかに読まれて、更にサポートまでしていただけたら幸せです。いただいたサポートは主に山行(ハイキング)の費用に当てさせていただきます。