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今までどう頑張ってもできなかったヨガのポーズが初めてできたときの感覚

今までどう頑張ってもできなかったヨガのポーズが初めてできたときの感覚を、私は初めて自転車(二輪)に乗れた時の感覚に似ていると思っている。

小学生の頃、自転車に乗れるようになりたかった私は父に指導を仰ぎ、練習を始めた。鬼監督(父)のスパルタ指導のもと、手に汗握り、フラフラヨロヨロしてまっすぐ進まず、すぐに倒れては膝を擦りむき、泣きじゃくりながら毎日自転車に乗る練習をしていた。
なかなか乗れるようになる気配すらも実感できず数週間が経った頃だろうか、もう自転車に乗れなくてもいいやなどと諦めかけた頃、何気なく漕いだ自転車がスーッと動き出し、最後まで倒れずにコントロールできたときの感覚だ。

嗚呼、思い出すだけで心が震える。
今でもそのときの感覚、感情、光景、父が喜んでくれたことや天候なども未だに鮮明に覚えている。

最近、カカーサナ(カラスのポーズ)がとれるようになった。成功するまでの道のりは長かった。
何度練習しても、スクールの先生のインストラクションを思い出してみても、ポーズ集を読んでみても、ほかの人のポーズを見てもなかなかポーズがとれなかった。バランスがとれずグラグラ揺れて、前に倒れてつんのめること幾多。このポーズがとれなくても、ほかのポーズで頑張れば大丈夫だよなどと自分を励ます日々。
そのようなことを何度も繰り返し、諦めにも似た気持ちで、でも心のどこかでポーズがとれるようになったらいいなという淡い気持ちを抱きながら、ポーズをとれたその日も何気ない気持ちでポーズをとってみた。そう、本当に何気なく、何の欲もなく、無心であった。
(こういうときにこそ、自然に何の苦労もなくスッととれるようになるものだ。)

ついに、私はカカーサナをとることに成功した!そして成功と同時に訪れる「初めて自転車に乗れた時の感覚」。
ただ、その日は小学生の頃の感覚と少し違った。ポーズに成功した時の私のコメントは「うわっ!とれるようになった!嘘!」だった。
素直に喜ぶ純粋さを少し忘れてしまったようだ。