お芝居
ものどもさらばだ いざ さらばだ
泣け 泣け 滂沱 あいあいあいあい と
泣け 泣け ぞっこん 夜の明けるまで そうだ ならわしとあらば
波止場の柵で 泣きつゞけておりなさい
みれん ぐれん の 風やほのおが
何? 吹きまくるのか? 舐めまわすのか? 地を? 胸を? 眼を?
またも平和は神がかり またもいくさは神がかり
あばよ さばよ と 旗ははためき
われら叡智はさらばをするのだ
ちょん 〆出しだ ボイコットだ
しばらくを天の岩戸がくれだ
いや 私ではない あなたに 眼かくし
わが恋人よ 自由よ 自由よ
さらばだ 距離だ しばしの別れだ
なに われわれは 死ぬことは無いから
あいあいあいあいと もやの中で 泣いて泣いて 幕 です
詩誌『駱駝』11号(1951年10月)
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自由へのあこがれ。占領が解除され独立が達成されること。けれど1951年のサンフランシスコ講和では米軍の駐留が可能のまま占領解除となりました。これが泣かずにおらりょうか?
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